執事日記

2016年7月18日 (月)

執事日記。4

どうも失礼いたします、わたくし、黒羊男爵邸の執事でございます。
昨日 更新できませんでしたことからわかりますように、
現在 ご主人様は夏風邪を引かれて、寝込んでおられます。
代わりに、今回は僭越ながらわたくしがぶろぐを更新させていただきます。

さて、とはいえ、
わたくしにはご主人様のようにホラを吹くようなことはできません。
ありのままに近いことを申し上げるのみでございます。
まずはご主人様の現状をお知らせしたほうがよろしいですね。
昨日からご主人様は熱発されて、鼻水・咳・頭痛・熱に
悩まされております。
今朝もおうかがいしたときに、
「ご体調はいかがでございますか?」
とうかがったところ、
「いーわけねーだろ」という弱弱しいお言葉を頂戴いたしました。
元気なご主人様ですと、
「もう駄目だわ、俺、死ぬわ」とか申されますので、
ははあ、今朝も倒れていらっしゃるのだな、と推測いたしました。
ご主人様が状況を修飾せずにおっしゃられるときは、
弱っておられる時ですので、
わたくしはとりあえず、検温、
そののち、お腹に優しい朝食を持参いたしました。
ご主人様はもそもそとおかゆを食べたのち、言われました。
「今年のダージリンのセカンドフラッシュ、来てたよな」
「はい、入手しておりますが」
「畜生、鼻が詰まってるから味も匂いもわからねえ。
当分、紅茶は飲めないな……」
「さようでございますか。ではお医者様へ行かれたほうがよろしいのでは」
「んー、そこまでじゃねえ気がする。
たぶん、はしりの夏風邪に捕まっただけだから、
数日 寝込んでたら、まあ、快方へ向かうだろ」
「さようでございますか」
ご主人様はご自分の身体のことはよくご存じでいらっしゃいますので、
わたくしはそのご判断に従うことにいたしました。

「あ、そうだ」
ご主人様は風邪薬を飲んだ後に言われました。
「風邪が治ったら、スコーン焼いてダージリンで午後ティーする。
銀器を今のうちに磨いとけ」
「先日 大奥様から受け継がれたカトラリーでございますか」
「そう、それ」
「残念ながら、ナイフの先端に腐食がございますね」
「それも味だろ、アンティークの。
大切に扱ってやれ」
「かしこまりました」
銀器磨きは上級使用人の務めでございますので、
わたくしはご主人様の朝食が済まれたのち、
銀器を磨くことにいたしました。

銀器と一口に申しましても、
ご主人様は普段使いに使用できるようなものをお好みですので、
くだんのカトラリーは純銀ではなく、銀メッキ(シルバープレート)の製品でございます。
磨きに使うのはアンクルビル社の製品です。
下記が今回 ご主人様の指示で磨くカトラリーでございます。

Photo

アフタヌーンティーで使用するデザートセットでございます。
ハンドル部分は白蝶貝でできており、
ナイフのブレード部分には繊細なブドウの彫刻がございます。
ご主人様はこの彫刻が気に入って大奥様より受け継がれたのでした。

一本、一本、カトラリーを銀磨きで丁寧に磨き上げます。
わたくしは銀器磨きが好きでございます。
集中して磨き、食器が美しくなっていくところが、
嬉しいのでございます。
このセットのナイフには一部 腐食があり、
完全に銀色にはなりませんでしたが、
ヴィクトリア朝のお品物ですので、
確かに、ご主人様がおっしゃられるように、
「それも味」なのかもしれません。

そうこうするうちに、昼食の時間になりました。
ご主人様の体調をうかがいにまいらねばなりません。
わたくしは磨き上げたカトラリーをしまい、
キッチンから寝室へ歩き出しました。
このような感じで、執事の一日は過ぎてゆくのでございます。


以上、ホラ一割五分程度で。
ホラを入れるのは難しゅうございますね。
やはりわたしくには荷が重いようでございます。
ご主人様が早く回復されるとよろしいのですが。
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夏の昼下がりに、シルバープレートのカトラリーを添えて、
ダージリンのアフタヌーンティーでスコーンをいただく。
ご主人様の至福のひと時でございますね。
みなさまもよい夏をお過ごしくださいますよう、
お祈り申し上げます。

2015年11月30日 (月)

執事日記。3

たびたびお目汚し、相済みません、
黒羊家執事でございます。

前回の更新時にご主人様の芸能界音痴(無知)っぷりを
書かせていただきましたが、
本日、ご主人様は新たな伝説を作られました。

今日の夕刻、お食事前のことでございます。
わたくし :「お加減はいかがですか」
ご主人様:「いいわけないだろ」
わたくし :「まだお熱があるようでございますね。
       お食事は摂られますか」
ご主人様:「うん。わかった。これ観たら食べる」

ご主人様は某局の天気予報コーナーを熱心にご覧になってました。

ご主人様:「明日は冷えるのかなあ、寒くないといいんだけどなあ」
わたくし :「さようでございますね」

ご主人様:「あっ!」
わたくし :「? どうかされましたか」
ご主人様:「ズンモだよ」
わたくし :「はい?」
ご主人様:「ほら、ズンモが出てきた」

ご主人様の指先には
天気予報コーナーのマスコット・ソラ●ロー がおりました。

わたくし :「えっ? ズンモでございますか」

これはソ●ジローではありませんか。
ニュースキャスターの方がそう連呼されておりますが。
というか、
「ズンモ」とはなんでございますか。

いけません、これはいけません。
ご主人様は思い込みの激しい方です。
他人様の前で「ズンモ」などと発言されたら、
黒羊家の誇りに関わります。
今のうちに注意しなければなりません。

わたくし :「ご主人様、あの、このキャラクターにはそれぞれ名前がありまして」
ご主人様:「うん、知ってる」
わたくし :「ご存知でしたか」(よかった、ズンモは聞き違いかもしれない)
ご主人様:「黄色のズンモ、ピンクのズンモ、黒いズンモだろ」
わたくし :「!」

これはもう、どうしたらよろしいのでしょうか。
わたくし、 ぶろぐではなく、
ヤフ●知恵袋に投稿したほうがよろしいのでしょうか。
いったい何をどう変換すれば、ソラジロ●が「ズンモ」になるのでしょうか。
わかりません。
思考経路がまったくわかりません。
わたくしは愕然としたまま、
結局、●ラジロー という名前をお伝えすることができませんでした。


以上、ホラ一割程度でございます。
はい、さようでございます、九割が真実でございます。
けれど、真実は人の数だけあるとも申します。
何が真実で何が虚構なのか、
だんだんとわからなくなってまいりました。
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わたくしも先週に続き、
今週までぶろぐに登場するとは思っておりませんでした。
けれど、他にこのつらい心情を吐露する場所がございません。
どなたか、「ズンモ」の由来をご存知の方がいらっしゃいましたら、
どうかご教示くださいませ。

2015年11月26日 (木)

執事日記。2

何年か前に、一度 ぶろぐを書かせていただきました、
わたくし、黒羊家執事でございます。
今回はご主人様に代わりまして、
わたくしが更新いたします。
みなさま、本日はよろしくお願いいたします。

今まで、ご主人様の言うところ、
「俺は開設以来、週に一度は更新してた。
日曜日が無理なら月曜日には更新してた」というこのぶろぐでございますが、
ここ数週間のご主人様の病状と環境が
すさまじく悪化したため、
本日、代理といたしまして、わたくしが書かせていただきます。
更新が大変遅れまして、申し訳ございません。
また、慣れぬ故に、至らぬ点があるかと存じますが、
ご容赦いただければ幸いです。

では、ご主人様は具体的にどうされたのかと言いますと、
今月は週末ごとに冠婚葬祭、資格試験があり、
限界までご主人様は虚弱な肉体を稼働された結果、
悪性の風邪をひかれました。
ここ十日間ほど、熱が38度から下がらず、
屍のように横たわっておられます。

「だっておまえ、だっておまえ、
冠婚葬祭はそのひとの一生にだいたい一回しかないんだぞ?
好意をもって呼ばれたら、絶対に出席するべきだろーが!」

ご主人様はそうおっしゃり、
泊りがけの冠婚葬祭にも出席されました。
その結果、体調を崩されて、
資格予備校から届いた分厚いテキストにも
一か月間、ほとんど目を通すことなく寝込んでおられます。
口は達者でございますが、
お身体はとても虚弱な方でございます。
本来、毎週末 外出するような生活には耐えられません。

「だっておまえ、だっておまえ、
特命●長とトクホの人は別人だったんだぜ?
俺、ずっと二人は同一人物で、高橋克●って名前だと思ってた」

ええ、病床でテレビを見られることもあるようですが、
相変わらずの芸能界音痴・音痴というより無知のため、
おっしゃられることがほとんど理解できません。
なぜ特●係長とトクホの人を同一人物だと思われたのか、
理解できません。
ですが、いまはまだマシになられたほうなのです。
もっとお若いころは、

「だっておまえ、だっておまえ、
ユーミンと松任谷由美と荒井由美が同一人物だって知ってた?
俺、三人のシンガーソングライターだと思ってた」

……リアクションに困ります。

「だっておまえ、だっておまえ、
俺、カラオケ行っても知ってる曲 一曲しかなかったんだぜ?
ユニコーンの『大迷惑』。
あとは学校で習った歌しかなかった。
だから同じ曲を三回歌ってきた」

……いまでこそ、Perfume最高! などとおっしゃられる方ですが、
当時はすさまじいまでの芸能界無知でございました。

「だっておまえ、だっておまえ、
ふ●っしー って、船越●一郎 のあだ名じゃないって知ってた?
俺、ずっと、さすが二時間ドラマの帝王、バラエティでも愛されてるなあって思ってた」

……リアクションに困るという次元ではございませんね。
なにがきっかけで、非公認のふなっ●ーが、みなさまの帝王になったのか、
どうしてそういう結論になっていたのか、まったくわかりません。
ネジがどこか外れてる、頭がおかしいとかそういうレベルでございますね。

大変失礼いたしました、
お話が本筋からそれてしまいました。
はい、ご主人様は寝込んでいらっしゃいます。
今週末には更新したい! とおっしゃられておりますが、
お医者様には無理だろうと言われております。
少なくとも、熱が下がるまでは無理は禁物と言われております。
恐れ入りますが、
しばらくの間、更新が間遠になりましても、
ご容赦・ごひいきいただければ幸いでございます。


以上、ホラ二割程度でございます。
こちらの文章を書く前に、ご主人様に、
「フィクション、フィクションを盛れよ、思いっきり盛れよ!
誰も俺のぶろぐに真実なんて求めてねーからな!」と言われたのですが、
わたくしに書けることは、ほぼ真実のみでございます。
もうご主人様は存在そのものがフィクションのような方ですので、
ご主人様の話題になりますと、もうそれだけで、
フィクションを盛り込んだようになりますね。
わたくしにはホラは二割が限界でございます。
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ご主人様はこのような文章を毎週書かれていたのですね。
願わくば早く快癒されて、
お勉強のほうも、長く続けて成功していただきたいと存じます。

2013年12月15日 (日)

執事日記。

このような場に出るのは、
緊張いたしますね。
わたくし、黒羊男爵家の執事でございます。
男爵様が現在 身動きができませんので、
代わりまして記録を上げさせていただきます。
ぶろぐ というものに触れるのは初めてでございます。
至らぬ点がございましたら、
どうかご容赦くださいませ。

そもそもなぜ男爵様が現在 身動きできないのかということは、
おってご説明いたします。

その前に簡単に、
わたくしとご主人様の関係を述べさせていただきます。
わたくしは先代様より黒羊家に仕えております。
ご主人様が幼いころより見守ってまいりました。

ご幼少のみぎり、ご主人様は天才だと言われておりました。
IQが高いということもありましたが、
小学生にしてシェイクスピアや聖書、ロシア文学を読まれており、
誰の目にもご主人様の異能は明らかでございました。
少々、過剰な想像が暴走するきらいがございましたが、
一を聞けば十を知るような賢いお子様でございました。
同時に、まったく底の見えないお子様でもありました。
勉強しろと言われれば勉強されるのですが、
本気でなにかに取り組まれたことはなかったように思います。
ただひたすら、毎日本ばかり読まれておりました。

十五歳になったとき、ご主人様は突然、
先代様を追放し、三代目黒羊男爵を名乗られました。
なぜ、なにがそこまでご主人様を駆り立てたのか
まったくわかりません。
お父上とは断絶し、二度と会われることもありませんでした。
わたくしの知る限り、
ご主人様の内心を理解しているものはいないように存じます。
ご主人様はいつも、突然、周囲を驚かせるような行動を取り、
一切 説明はされません。
このぶろぐも、ある日、「始めるから」という一言で作られました。

大学受験のとき、
わたくしはご主人様が通っていらした予備校の担当者の方から
ご連絡をいただきました。
唐突に突拍子もない行動をされるご主人様でございます。
わたくしはまたなにか周囲を驚かせるようなことを
されたのではないかと危惧いたしましたが、
担当者の方がおっしゃられたことは、まったく予想外の事柄でございました。
「なぜ、早稲田を受験しないんですか」
「どうしてもっと上を目指さないんですか」
わたくしは初め、なんのことを言われているのかわかりませんでしたが、
お話をうかがううちに、どうやらご主人様の進路について
担当者の方がとても戸惑っているらしいということがわかりました。
「偏差値が72以上、あるんですよ。
現国や漢文は模試では満点なんです。
英語と世界史だってずば抜けて成績はいい。
模試の全国上位者として冊子に名前が載ったこともあります。
私立だったら、一番上を狙えるところにいるんです。
国立志望に転換してもいいところを狙える。
なのになぜ、慶応、早稲田、立教などを目指さないんですか」
「存じません」
わたくしはそう申し上げることしかできませんでした。
実際、進路についてなど、うかがったことはございませんでした。

その日、帰宅されたご主人様に
担当者の方のご連絡の話を申し上げました。
「もっと上を目指されたらどうか、とおっしゃられておりました」
ご主人様は簡単に言われました。
「興味がない」
わたくしは意味がわかりませんでした。
興味がないなら、なぜ勉強されるのでしょう。
わたくしの疑問に、ご主人様は珍しく補足説明をされました。
「自分が真剣に勉強したら、どこまでいけるか知りたかっただけだ」
「学歴社会に疑問があるので、学歴がすべてと思わない」
「だけど、それで偏差値が低かったら、
ただのコンプレックスだろ。説得力がない」
「予備校でもすごく勧められたけど、受けられるけど、受けない。
学歴には興味がないから。そういうことだ」
ご主人様はそうおっしゃられて、
また勉強部屋にこもられました。
その日も夜遅くまで勉強されていました。
上の学校を目指すためではなく、
ただ自分がどこまで行けるのかを確かめるために。

ご主人様のお考えも、行動も、
常人では理解できないときがございます。
ですから、わたくしはわたくしの意見は申し上げません。
一方で、ご主人様は、世間では当たり前にできることができない方です。
自転車に乗れませんし、レジで小銭を使うこともできません。
常識を知らないので、思わず苦笑が漏れることもございます。
けれど、なにかができる方です。
お子様のころから、ご主人様は「なにかをしている」方でした。
常になにかに挑戦されておりました。
挑戦の結果、なにが得られるのか のみに集中されており、
社会的な評価は二の次なのでございます。
浮世離れしていると言えるかもしれません。
変人、なのかもしれませんね。

さて、そろそろ、ご主人様が今 身動きが取れない理由を
ご説明申し上げます。
ご主人様のところへ先週からお願いしております家庭教師の先生が
いらしているからでございます。
さきほどから書斎から悲鳴や罵声、
鈍器でなにかを打つ音などが響いております。
どのような状況になっているのか、わかりかねますが、
「中小企業診断士を取るために勉強している」とのことでございます。
ご主人様はやはり、なにかに挑戦されているのです。

お子様のころは天才と目されておりました。
今は誰もご主人様のことを天才とは言いません。
けれど、ご主人様はご主人様、
今も昔も、黒羊男爵家の三代目にふさわしい方でございます。
わたくしがこのように申し上げたことは、ご主人様には秘密でお願いいたします。
ご主人様はすぐに調子に乗られてしまいますので。
それではこのあたりで失礼いたします。




あ、申し訳ありません、
最後にホラをどの程度含んでいるのか、申し上げるのを失念しておりました。
ホラは四割程度でございます。
半分より少なく、三分の一より大目、というところでございましょうか。
わたくしは執事ですので、あまりホラを吹くことがございません。
つたないホラでございますが、
お気に召しましたら、幸いでございます。
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家庭教師の先生がお帰りになられたら、
きっとご主人様は「来週のぶろぐは自分でやる」と言われるでしょう。
わたくしの出番は、もう当分、ないようでございます。