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2019年1月13日 (日)

あんた、いっぺんさあ。

おはようございます。
仕事が詰まっているあまり、
逃避として真夜中にブログを更新している黒羊男爵です。
え、大丈夫なのかって?
大丈夫なわけないじゃないですか。
締め切りは明後日ですよ?
……「まだ何もしていない」という名の白色の広大な原野。
(→jun様、こんな状態なので、コメント返しができず、申し訳ありません(土下座))

まあ、そんな感じで、自分の「生きてる価値」を
自問自答しがちな毎日ですが、
先日、第三者からも言われてしまいました。

「あんたさあ、いっぺんさあ、
死んだほうがいいんじゃないのかい、ははは」

……これ、字面だけ見ると酷いな……。
ええと、場面的にはそこまで酷くはなかったです。
週末の、天気のいい日の昼下がりの公園で、
光合成中のニコニコしてるおじいさんに
のんびり言われただけなので。

以下、そのときのやりとり。
「俺、いろいろありまして、ここんところ、
自分の価値とか、生きる意味とか、見失いがちなんですよね」
「そりゃあ、大変だあ」
「生きる意味ってなんでしょうね……。
とりあえず、足の爪とか見てみるんですけど、
なんか、生きる意味が見いだせなくて」
「ははは、あんた、変なところで見出そうとするねえ」
「え、そうなんですか、みなさん、足の爪 見ませんか?」
「見ないねえ、俺は少なくとも見ないねえ」
「では、どこを見るんですか?」
「俺は、額かなあ。最近、めっきり薄くなってるからねえ」
「あー、それは切実かもしれませんね」
「切実だあ。眼に見えるからなあ」
「はあ」
「お棺に入る時に、いい男でいたいからなあ」
「えっと、その後、燃えちゃうんですよね?」
「まあなあ、みんな、灰になるなあ」
「その際、あるかどうかはどうでもいのでは?」
「どうでもよくねえだろう、生きる意味だあ」
「そうなんですか」
「そうだあ」
「はあ。足の爪とあんまり変わらないような気もしますが」
「大違いだあ。
あんたさあ、いっぺんさあ、
死んだほうがいいんじゃないのかい、ははは」

「へ?!」
「俺は事故で死んだんだけども、
あんとき、やっぱり、大事だと思ったけどなあ。
まあ、死ねばわかるわ」
「……ちょっと待ってくださいよ」

ここまで来て、俺はとてつもないことに気付きました。
この光合成中のおじいさん。
本当に光合成中なのか?
確かに俺は妖怪が見えるけれども、
このおじいさんも、もしかして。

「えっと、すみません、現在進行形で人類の方ですよね?」
「昔は人類だったなあ」
「ええと……今は?」

「けぶらし、って呼ばれてるなあ」

「あああああ! 人類じゃない!」
俺は発作的に立ち上がり、叫びましたが、
通りかかった親子連れは俺だけを見て、
「眼を合わせちゃ駄目よ」とか言って
足早に去ります。
親子連れは、にこにこと大きく手を振ってる
おじいさん(風の存在)はガン無視です。

「見えてないのか……」
「俺が見えるなんて、あんたは稀な人だあ」
「――それはよく言われますけど。
珍しいって言われますけど。
変わってるって言われますけど。
一応、俺はまだ人類です(のはずだ)」
がっくりと、俺はベンチに座りなおしました。
またかよ。
また、妖怪に人として生きる道を説かれてしまったよ。
(以前 座敷童にもダイエットしろとか言われてる)

「まあ、あれだあ、やっぱり死ぬと、
生きてるっていいなあって、思うもんだ」
「……そうなんですか」
「お日様があったかいとか、風が澄んでるとか、
あの猫かわいいとか、お茶がおいしいとか、
そういうの、わかるのは、生きてるからだあ」
「死ぬとわかりませんか」
「まあなあ、死ぬと、乾いて、冷たいからなあ」
「はあ。今も乾いてるんですか」
「死ぬのをやめて、けぶらしになってからは、
そんなことはねえなあ」
「よかったですね」
「ああ、よかっただあ。
あんたもけぶらしになるかい?」
「遠慮します」
「生きてるうちはな。そのほうがいい」
「はあ」

「今日はいい天気だあ」
「はい」
「それだけでいいんじゃないかい」
「そうですかね」
「お日様が笑ってる。
それだけでいいんじゃないかい」
「……そうかも、しれないですね」
おじいさん(風の妖怪)はやっぱりニコニコと笑いました。
俺は、なんだか泣きそうになり、
それから自販機へ行き、あったかい、
「どうぞ」
缶入り汁粉を購入して、けぶらしに渡しました。
けぶらしは、
「やっぱりあんたは、いいひとだあ」
と言って、汁粉を嬉しそうに飲みました。

「最後にひとつ聞いていいですか」
「なんだあ?」
「けぶらし、ってあんまり聞いたことないんですけど、
どういう意味ですか? 誰がつけたんですか?」
「一番大事にしてるもんだ。俺が自分でつけた」
「はい?」
「毛とブラシだあ」
「――身も蓋もねえ!」


以上、ホラ九割程度で。
天気のいい日に暗い顔で公園のベンチに座ってると、
けぶらしがやってきて、頭髪の重要性を教えてれます。
え、生きる意味を教えてくれるんじゃないの?
けぶらしにとっては、生きる意味=毛とブラシ です。
生きる意味って、人それぞれだよね。
俺にガンガン仕事の催促の電話してきてる人も
意味があって、生きてるよな。
ブログランキング参加中にて、
「あー、それは着信拒否したいねえ」と俺に同情的な方、
「あー、それは重要だよねえ」とけぶらしに同情的な方、
「あー、それは大変だよねえ」と催促している人に同情的な方は、
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でもさあ、思うんだけど、別に意味がなくてもよくない?
生きてればそれでよくない?
有意義だったり、偉かったりすることなくてもさ、
こうして俺のブログ読んでくれるだけで、
あなたがいてくれて嬉しい、俺はそう思います。

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