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2017年2月26日 (日)

ドッグ・ラン・ラン・ラン。

どうもこんばんは、
「軍靴」を「ぐんか」と読むか、「ぐんくつ」と読むかで、
執事と大論争になった黒羊男爵です。
「ぐんくつ」ってなんだよ、「ぐんくつ」って。
なんかかわいいじゃねえか。
「地下足袋」(じかたび)の親戚みてえだな。

そんな俺ですが、まあ、最近 気温も上がってきたし、
日常生活では阿鼻叫喚の毎日ですが、
天気もいいし、
今日 近場の公園へ散歩に出かけました。
米津様って天才だな、大好き、などと考えつつ、
到着した公園のベンチに、「はー、やれやれ」と腰を下ろし、
春っていいよな、ランランランって感じ
と思いながら、ひなたぼっこしようとした時、
「駄目ええ、駄目ええ!」という叫び声が聞こえました。

何事?
声は公園に併設された大きなドッグランの方から聞こえました。
「駄目、出ちゃダメ!」
なんなの、犬が逃げたの?
「駄目ええ、誰か、誰か、止めてください、
マサ君、駄目ええ!」
やっぱり、犬が逃げたっぽい。
ドッグランがわあわあという騒ぎに飲み込まれ、
そして、
「マサ君ー!」
という女性の制止の叫び声もむなしく、
半ズボンタンクトップの少年と一匹の巨大なシベリアンハスキーが
ドッグランの柵を強引に乗り越えて、
こちらへ向かって疾走してきました。

えええ、ちょっと待って、どっちがマサ君?!
目を凝らすと、正確には、
「空の首輪とリードを持った少年とシベリアンハスキー」でした。
少年のほうが先に走り、
少年の後に犬が走ってます。
すげえ、犬より速く走ってる。
いや、どうやら犬は少年が引きずっているリードに夢中で、
蛇行しているっぽい。
だから少年に追いつかないんだな。
そこまでは把握しました。
で、
「どっちがマサ君?」。
で、
「俺はどっちを止めればいいの?」。
しょうがないので、善意の第三者として、
「待つんだ、マサ君!」
と声を張り上げ、ベンチから降りて両手を広げて立ちふさがりました。

「マサ君!」
叫ぶ俺の前で、少年と犬は、ぱっと左右に別れました。
ええええ、ここでそんな連携プレー?!
俺は、どっちを優先して止めればいいの?!
そして、どっちがマサ君なのか、まだわからないよ。
動揺して一瞬のスキが出来た俺の横を、
怪盗のように華麗に少年と犬が駆け抜けていきます。
その先には大通りがあり、車の往来が頻繁にあって危険です。
大事故になりかねない。
ここで止めねば!
もうその一心で、俺は、
「マサ君ー!」(=で、マサ君って、少年、犬、どっちなの?!)
と叫びながら、
足元を蛇のように抜けていきかけたリードに飛びつきました。

運動神経が切れていることには定評がある俺ですが、
実は、動体視力はいいんです。
野良の子猫を素手で捕獲できるくらいには。
俺はリードに飛びつき、その端を捕まえました。
「うわ!」
急制動がかかった少年がつんのめるように転がります。
その上に犬がじゃれつくように転がり、
少年と犬と俺は団子状になって、
大通りの手前の歩道上で止まりました。

「マサ君ー!」
ドッグランから泣きながら、女性が走ってきます。
「マサ君、どうしてこんなことするの?!」
この言い方だと、やっぱりマサ君は犬のほうか。
そう思った俺の真横で、
犬を抱きしめた女性は返す刀で、少年をビンタしました。
えええ?! 
主犯はこっち?!
「駄目でしょ、マサ君!」
え、じゃあ、マサ君って少年?
女性に怒鳴られて、少年と犬は目に見えてしょげました。
「だって……」
「だってじゃありません、危ないでしょ!
ほら、このひとにお礼を言って。
もうちょっとで車に突っ込むところだったのよ!」
母親らしき女性に叱られ、少年はうなだれて、
「ごめんなさい」
と俺に謝りました。
俺は、
「いいよ、怪我がなかったんなら、それでいいよ」
と笑顔で返答し、
そして、
「で、どっちがマサ君ですか?」
と尋ねました。

さて、読者の皆様、皆様は、ここまで読んで、
少年と犬、どっちがマサ君だかわかりましたか?

正解を言います。

「え、両方ですよ?」
女性は不思議そうに言いました。
「正弘(まさひろ)とマサオの「マサ君」ですけど」
「えええ?! お子さんと犬、略称がかぶってるんですか?!」
「同時に呼べて便利じゃないですか。
一緒に悪戯することが多いので」
……そういうことは早く言ってほしい。
ていうか、まとめて呼ぶってそんなのありなの?
「レディースエンドジェントルメン」みたいなもん?
「この子たち、兄弟みたいに育ったので、
とっても仲がいいんです。
でも悪戯好きで、考えなしに動くことが多くて。
そういうとき、「マサ君」って呼ぶんです」
ね、マサ君? と言われて、
「うん!」
「わん!」と正弘君とマサオ君は元気よく返事しました。
「マサ君って、男性名詞の複数形かよ……」
愕然とする俺に、女性は深々と頭を下げて、
「本当にありがとうございました」と言って、
マサ君をひきずって、ドッグランのほうへ戻っていきました。

こうして俺のつかの間の息抜きは終了し、
気が付けば、
「ご主人様、遅すぎますよ!」と執事に叱られる時間になっていました。
「十五分というお約束での休憩でしたよね?
なにをなさっていたのですか」
「いやだから、公園へ行ってひなたぼっこしようかと」
「光合成の時間が長すぎます」
「いやだから、ひなたぼっこはできなかったんだよ。
走るマサ君を止めるのに精いっぱいで」
「マサ君とはどなたですか」
「いや、マサ君は人間じゃないよ」
「犬なら、飼い主がいるのでは」
「いや、マサ君は犬じゃないよ」
「は? もしかして、ご主人様、風邪が悪化されたのでは?」
熱がおありじゃないですか、と執事は言い、
慌てて体温計を探しに走っていきました。
もういいや、熱ってことで。
意識が混濁してたってことで。
説明するのが、面倒くさい。
そう思いながら、
俺は、
「天気がいいし、気候も良くなったし、
そりゃ、犬も走れば、子供も走るよな」
と呟いて、寝室へ向かいました。
なにをするためにって?
勿論、公園で休めなかった分、
昼寝するためです。



以上、ホラ九割程度で。
U君をめぐる冒険の最終回をUpするつもりでしたが、
違う話になってしまいました。
まあ、春だからね。
そういうこともあるな、ということにしておいてください。
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マサ君はそりゃもう楽しそうに走ってましたよ。
なんだろう、子供と犬って、無心に走ってる時があるよね。
なにがそんなに楽しいのかわかんないんだけど、
もうウキウキして、ランランランと走ってる時があるよね。
そういうの、見てるだけでも楽しい気分が伝染してくるけど、
大人だったら、止めてください。
大惨事になる前に、ランランランを止めるのが、
大人の責任というものです。
一緒に走らない場合はね。

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