« たくのメリーちゃん。 | トップページ | 畜生、やぶれかぶれだよ! »

2016年6月28日 (火)

うちの権三郎。

前回までのあらすじ:
 黒羊男爵の公園友達・近藤さん(仮名)と飼い犬のゴン君。
 実はゴン君は現在 美しきパピヨン犬・メリーちゃんと恋愛関係だった。
 だが、メリーちゃんの飼い主の死語おばさんはゴン君を
 「犬未満の雑種ざます」と言って認めようとしない。
 飼い主の近藤さんも、雑種であることに引け目を感じているっぽい。
 しかし! 臆することはない!
 ゴン君とメリーちゃんは両思いで、
 ゴン君は誠実ないいワンコであり、何を恥じることがある。
 犬版ロミオとジュリエットの為に、いま 男爵が立ち上がる……!

日曜日・月曜日 更新できなくてすみません。
体調が悪くて死んでました。散歩にも行けませんでした。
最近 多いな……。
でも! 俺はくじけないよ、ホラが続く限り、ブログは続けるよ!
(誰も見ていなくても、な!)

「死語おばさん、メリーちゃんの表情をちゃんと見てください」
わたしは言いました。
メリーちゃんは潤んだ目でじっとゴン君を見つめています。
「どうですか、ゴン君と一緒にいたいって言ってるじゃないですか」
おばさんは金切声で叫びます。
「し、死語おばさん、ですって?! なんざます、なんて無礼なひとざますか」
「ああ、わたしは無礼な人にはナチュラルボーン無礼なので。
あなたが友人のゴン君に失礼な態度をとるので、
わたしもあなたに無礼でいいかと思いまして」
「たかが雑種ごときに、失礼もなにもないざます」
「たかが死語おばさんごときに、無礼も遠慮もありません」
「キイー! 本当に失礼ざますね!」
「本当に死語が多いですね」
わたしもおばさんも、にらみ合って一歩も譲りません。
その間で、近藤さん(仮名)はオロオロしています。
「大丈夫ですよ、近藤さん」
私は言います。
「メリーちゃんとゴン君はきっとハッピーエンドになりますから。
赤の他人の部外者のわたしが公式に認めますから」
「そんなの認めないざます!」
「恋愛は個人の自由です」
「メリーちゃんは人じゃないざます。
犬ざます。飼い主の意志が優先ざます」
「本当にいい飼い主なら、犬の幸せを考えるんじゃないですか。
メリーちゃんはゴン君と一緒にいたいんです。
それをかなえてやったらどうですか」
「こんな雑種、嫌ざます」
「じゃあなんですか、ゴン君が血統書付きのパピヨンだったら、
認めてあげたというんですか」
「う、そ、それなら、考えないでもないざます」
「ゴン君はパピヨンですよ、きっと、パピヨンの血を引いてます。
その証拠に、片耳が垂れています。
きっとおじいちゃんは血統書付きのパピヨンだったに違いありません」
「それは単なる雑種ざます!」
本当に、話のわかんないおばさんだなー。
と思ってたら、
「本当に、話がわからない人ざますね」
と言われました。
なんだ、このシンクロ率は。こんなの嬉しくないぞ。
「あのですねー」
ともう一度、話し始めようとした時、

「ジョン! ジョン、止まりなさい!」
公園に併設されたドッグランのほうから叫び声が聞こえました。
なんなの?
振り返ると、大型犬がドッグランから脱走して、
こっちへ向かって走ってきます。
で、デカい、ゴン君やメリーちゃんの三倍くらいある雄犬です。
それが興奮しながら、メリーちゃんの方へ突進してきます。
「やめるざます!」
死語おばさんは慌ててメリーちゃんを背後に隠そうとします。
大型犬は障害になる死語おばさんに飛びつこうとしました。
「危ない!」
わたしが思わず叫ぶと同時に、
オロオロしているだけだった近藤さんが素早く動きました。
飛びつこうとした大型犬の前足をつかむなり、
噛まれるより先に、背負い投げにブン投げました。

「ぎゃうん!」
大型犬が悲鳴をあげました。
「ジョン!」
大型犬の飼い主らしき女性がやっとやってきました。
「ジョン、大丈夫?!」
幸か不幸か、大型犬は無傷でした。
「あなた、この犬の飼い主として無責任じゃあありませんか」
近藤さんが厳しく言いました。
「下手をしたら、こちらのご婦人が怪我されていました。
しっかり犬は見ていてください」
「すみません……」
女性はしおしおと大型犬の首輪にリードをつけ、
「申し訳ありませんでした」
と言って犬を引きずって去りました。
「犬は人間ではないのですから、
きちんと保護しなければなりません」
近藤さんが静かに言いました。
「あ、そうか……近藤さんは、もともと体育の先生でしたね」
一部始終を茫然と見ていたわたしがようやく言うと、
「はい、不肖近藤権三郎、四十年間柔道部の顧問をしておりました」
近藤さんは小さく低頭しました。
そして、腰を抜かして座り込んでいる死語おばさんに
手を差し伸べました。
「大丈夫ですか?」
「あ、あなたは……」
おばさんは差し出された手と穏やかな近藤さんの顔を
かわるがわる見て、
「あなたは、すごいひとざます……」
ふっと、上気して頬を赤く染めました。

あれ?
わたしはメリーちゃんと同じ目をしている死語おばさんに首をかしげました。
あれ?

「お怪我がないようで、なによりです」
近藤さんは死語おばさんを立たせて、静かに言いました。
カッコイイ! これはカッコイイ!
これは、惚れるわー。フラグが立つわー。
わたしは自分がもう必要ないことを悟り、
メリーちゃんとゴン君の頭をそれぞれ撫でて、
そっとその場を去りました。
歩きながら振り返ると、
死語おばさんと近藤さんは握った手はそのままで見つめ合っていました。
ゴン君とメリーちゃんも、
二人の足元で尻尾を振りながら、見つめ合っていました。
つまりはまあ、これでロミオとジュリエットはハッピーエンドってことですね。
完全無欠の無敵のハッピーエンドってことですね。



以上、ホラ九割五分程度で。良い結果になってよかったです。
たぶん、次か、その次の散歩で近藤さんに会えたら、
「おめでとうございます」って言わなきゃならないでしょうね。
あ、違うか、近藤さんと死語おばさんの両方に言わなきゃならないでしょうね。
きっと二人と二匹は一緒にいるでしょうから。
ブログランキング参加中にて、
「この結末は予想外だったわー」という方、
「いやまあ、先週のドッグランと先生という伏線から読めていたな」という方、
「ハッピーエンドはバッドエンドより好きだから、これでいい」という方は、
下記をクリック。
にほんブログ村 その他日記ブログ たわごとへ
にほんブログ村
つまり、ロミオとジュリエットはそれぞれの家が争っていたわけで、
それが問題なわけで、
家同士の闘争が消滅すれば、
あとはもう、祝鐘が鳴るだけだってことですね。
根本が解決されればいいわけですよ。
ゴン君とメリーちゃんがいいカップルですよ。
嬉しそうに寄り添う二匹に、次に会うのが楽しみです。
今週は体調が悪くて、なかなか散歩には行けませんけどね!

« たくのメリーちゃん。 | トップページ | 畜生、やぶれかぶれだよ! »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/63840958

この記事へのトラックバック一覧です: うちの権三郎。:

« たくのメリーちゃん。 | トップページ | 畜生、やぶれかぶれだよ! »