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2016年4月17日 (日)

こえたな。

「おまえ、こえたな」
久々に会っての第一声がこれでした。
「え? なに、俺が限界超えてるって?
まあね、そりゃ、俺は日夜 自分という枠の中から
抜け出そうとしている誇り高き罪人だからね。
でさ、そんなことはどうでもよくてさ、(日常だからね)
それより、執事がどこに焼きそばU●O隠しているか知らない?
あいつ、最近 俺のカップ麺、隠すんだよ」
おまえなら、どこに隠しているか知ってるだろ、
座敷童、と、俺は続けました。
そうです、深夜の台所で出会った、おかっぱ頭のこの妖怪は、
我が家の座敷童、
俺が病気まみれになっても死なないでいるのは
たぶん我のおかげじゃ、とのたまう妖怪でした。

座敷童は繰り返しました。
「違う、超えたではない。
こえた、だ」
「え、だから限界をでしょ?
そんな偉業は俺にとっては日常で」
「違う、イントネーションが違う。
こ・え・た、だ。
つまり、お前、目に見えて肥えた=太ったな」
「ええええええええっつっつっつ!」
俺は仰天して、一瞬 夜中のカップラーメンのことを忘れて、
目の前で苦渋の表情でこめかみをもんでいる妖怪を見つめました。
「太った?! え、俺、太ったの?!」
「目に見えてな。もう露骨な程な」
「そんなこと誰も言ってないよ?」
「誰も触れていないだけだろうが。あまりにも太ったから。
お前、最近 体重計に乗っているか?」
「乗ってないけど……」
「あご周りについた肉から察するに、
五キロは太ってるぞ。
お前、一時期 俺は体重だけは女性モデル級とか言ってなかったか?」
「言ってたけど……。
え、五キロってあの五キロ?
米とかの五キロ?
え、俺、そんな重荷を背負って生きてたの?
子泣き爺がとりついているとかじゃなくて?」
「違う、そんな気配はない。
単純に太っただけだ」
「……うっそだー」
俺は力なく、否定しました。
「そんなん、うっそだー。
じゃあ、もしかして最近 執事がカップ麺を隠していたのは」
「お前、週に何回くらいカップ麺を食べていたのだ?」
「三回くらい、かな……。
三食とは別にオヤツ的に」
「そんな食生活を送っていたら、太るに決まってるだろうが。
もうここでぐちぐち言っていても仕方あるまい。
現実を見るしかない。
お前、体重計に乗れ」
座敷童はダメ押ししました。

「うっそだー!」
俺は体重計の数字に絶叫しました。
「え、これ壊れてるんじゃないの?
こんな数字 今まで見たことないよ?
嘘でしょ、これは嘘でしょ」
「いい加減に現実を見ろ」
座敷童は威厳をもって俺に説教します。
「お前、ただでさえ病気が多いのに、
これに生活習慣病が加わったら、
さすがの我の加護をもってしても、死ぬかもしれんぞ」
「せ、生活習慣病……」
俺は唖然と聞きなれない病名を繰り返します。
え、だって、俺、痩せの大食いとか言われてたのに、
いまやデブの大食いになってるの?
「痩せるしかあるまいな」
座敷童はしかめ面で言いました。
「お前、これから食生活を改めて体重を落とすしかあるまい」
「えええーっ、カップラーメン……」
「しばらくは食えんな。
五キロ痩せるまでは」
「でもだって、俺、ストイックなダイエットなんてできないよ?
だって、我慢弱いし。
それに運動も無理だよ?
運動に嫌われているから」
「ふむ」
座敷童は少し考えて、
「ならば、食べるダイエットをするしかないだろうな」
「食べるダイエット?
え、ダイエットなのに、食べていいの?」
「食べ物を吟味して、な」
座敷童は俺の腰をぐいぐい押して、書斎へ連れていきます。
「PCでAma●onを開け」
「……開いたけど」
「この本を購入しろ」
座敷童はある本を指定しました。
「こ、これ?
確かに食べられそうだけど……」
俺は震える指でその本をポチりました。

その本:



てなわけで、黒羊男爵はダイエットに挑戦することになったよ!
おかしいね、自分という枠に挑戦していたはずなのに、
なんとその枠が膨張していたという吃驚の現実!
五キロ、五キロか……。
何か月くらいかかるかな……?



以上、ホラ二割程度で。えええー、真実八割って痛すぎじゃない?!
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体重計の上で涙目の男爵に
「可哀想……」と同情してくださった方、
「うわあ、絵に描いたようなデブwww」と草を生やした方、
「これは何キロ痩せるか見ものだな」と興味津々の方は
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五キロ痩せるのに、どれくらいかかるのかな?
でも五キロ太るのには一か月かからなかった気がする。
だから誰も言わなかったんだろうし(痛すぎて)
でも、誰かに言ってもらいたかったよ!
座敷童に夜中の台所で説教されるなんて嫌だよ……。
だって見た目はあいつのほうが若いんだよ?
まるでダメな大人がデキる子供に説教されているみたいだったよ。
え? まるでじゃなくて、ダメな大人だって?
ははは……。
いや、痩せれば! 痩せられればすべては変わるはず!
そう信じて俺は、レシピ通りに料理をしています。

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