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2016年1月24日 (日)

友達の友達。(下)

どうもこんにちは、左腕が上がらない黒羊男爵です。
なんかね、朝起きたら、左胸~左腕にかけて激痛が走ってね、
腕が上がらないんですよ。
五十肩? いやちょっと待って、それは早すぎるじゃない?
でも十五歳の誕生日に、神経痛になった俺なら、ありえなくもないのか?
そんな疑問を抱きつつ、今週のお話をどうぞ!

前回までのあらすじ:
「友達の友達は友●じゃろうが」というタモ●式論理で、
妖怪友達(?)ぬらりひょんに頼まれて、
近所の、子供が困窮しているというアパートを
食糧をもって訪問することになったわたし。
なんでもお母さんにはぬらりひょんは見えていないが、
息子さんにはぬらりひょんが見えてるから、
訪問しても大丈夫だ、とのこと。
めんどくせえ! 行きたくねえ!
でも子供を見捨てるのは、人としてどうよ?
仕方なく、親子丼の用意をして家を出た黒羊男爵だったが……?!

「二階の三号室……ここか」
俺はぼろっちいドアの表札を確認します。
「お母さんと息子さんの二人暮らしなんだな」
「そうじゃ。で、お母さんんが体調を崩してしまい、
生活が成り立たなくなったのじゃ」
「それはいかんな」
なんとかせねば。俺は呼び鈴を押します。
室内から小さく、
「……はい」
ん? なんか低い声が聞えたけど?
「ほらほら、さっさと名乗るんじゃ」
ぬらりひょんに催促されて、
「すみません、ご近所に住んでる黒羊男爵と申しますが、
えー、まあ、友達の某ぬらりひょんに、
友達の友達は●達だから、救援に行けと頼まれまして。
ええと、息子さんですか?
ぬらりひょんが見えてみますよね?」
とりあえず、信用してもらうにはぬらりひょんを見てもらうしかないので、
ぬらりひょんを前面に押し出します。
ぬらりひょんは、ドアに向かって、
「わしじゃよ、わし」とオレオレ詐欺のような挨拶をします。
「ああ、ぬらりひょん氏……」
室内の声がちょっと明るくなり、
「どうぞ」
とドアが開かれました。
「!」
俺は絶句して、玄関に立ち尽くしました。

「……――おい、ぬらりひょん」
「なんじゃ? ほら、さっさとご飯を」
「ちょっと待てええ! おまえ、息子さんがって言ったよな?
子供がって言ったよな?!
どういうことだよ、このひと、立派な成人男性じゃねえか」
眼の前には男性がひとり立っていました。
「じゃから、息子さんじゃ。
わしゃ、一度も小さな子供とは言っておらんが?」
「このひと大人だろ! 生活くらい、自分でなんとかできるだろうが!」
「なんの話かわかりませんが、拙者は生活なんて無理でありまするよ」
男性は言いました。
「拙者は自宅警備員でありますので。
ぬらりひょん氏、このひとはなんでありまするか」
「わしの友達じゃ。つまりおまえさんから見たら、友達の友達じゃ。
つまりおまえさんの友達じゃな。食糧を持ってきたのじゃよ」
「そういわれて、親子丼の用意してきたけどな、ちょっと待て」
「親子丼……母上の好物でありまするな。
ありがたい、ささ、どうぞおあがりください」
「もうぜんっぜん話が通じねえんだけど、この自宅警備員?!」
俺は怒鳴りながら、その部屋に踏み込みました。

「で、お母さんは?」
「こちらであります」
警備員にワンルームの隅のベッドに案内されました。
アニメの抱き枕を傍らに、痩せた女性が横たわっていました。
「母上、拙者の友達が助けに来てくれたであります」
警備員に言われて、俺はお母さんを安心させようと自己紹介します。
「はじめまして、黒羊男爵です。息子さんの友達、みたいなものです。
どうですか、お加減は? 食事、食べられそうですか」
「……お友達、ですか」
お母さんは涙を流しました。
「ありがとうございます、ありがとうございます」
その涙で、俺は腹をくくりました。
「――いえ、困っているときはお互い様です」
あとはもう何も言わずに、
俺はまず持参した水筒から温かいミルクティーをついで
お母さんに差し出しました。
お母さんは喉を鳴らして嬉しそうにミルクティーを飲み干しました。
「じゃあ、キッチン、お借りしますね」
俺は腕まくりしました。

「まあ、なんだ、ぬらりひょん」
アパートからの帰り道、俺は言いました。
「友達の自宅警備員という生き方は、俺は別に何とも思わない。
俺自身が自宅警備病人みたいなもんだし。
人生なんか自分の好きに、後悔しないように生きればいいと思う。
ただなあ、お母さんをあんな状態で放置しているのは
いかがなものかと思うぞ」
「彼なりに、看病はしておったのじゃ」
ぬらりひょんは言いました。
「お母さんのそばの抱き枕、あれは彼の宝物じゃ。
あれがあれば元気になるのではないかと、
彼はそう思って、お母さんのそばに置いておいたのじゃ。
まあ、大丈夫じゃよ、
彼はもうすぐ、自宅警備員を卒業するのじゃから」
「あ、そうなの? そしたらお母さんの心労も減るかな……」
「じゃから、よろしく頼むわ」
「は?」
「彼の社会復帰。おまえさんの腕にかかっておるぞ。
よろしくな」
「ちょ、ちょっと待てええ! え、それ俺が面倒みるの?
なんで、どうして!」
「何度も言っておるじゃろうが」
ぬらりひょんはいい笑顔で言いました。
「友達の友達は友●じゃからの。
おまえさんの友達じゃ、しっかりな」
「嘘だろぉ!」
俺の絶叫がむなしく、寒空に響き渡りました。


以上、ホラ九割程度で。
とりあえず、ええと、まずは履歴書の書き方からですかね……。
他にもやることいっぱいあるけど……。
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ちなみに激痛が走る左腕ですが、
執事に「俺、新しい病気になったかもしれない」と言ったところ、
「ああ、左腕でしたら、今朝 お目ざめになる前にうかがったところ、
なぜか空中に垂直に腕を突き出して寝ておられたので、
単なる筋肉痛だと思われますが」
と言われました。
「は? え、どういうこと」
「北斗●拳のラ●ウの最期のシーンのように、
腕を高く、突き出しておられましたよ」
執事は笑いをこらえながら説明しました。
え、世紀末覇●みたいな寝相? そんなん、どんな寝相なの?
わからない、自分で自分がわからないです。
ちなみに、その時見ていた夢は全然 世紀●覇者とは関係ない夢でした。
こんなことってあるんですね。
もし
「わたしもその寝相やったことある」「俺もあるぜ」という方がいらしたら、
コメントをお願いいたします。
この寝相が自分一人だけだとは思いたくないです。
腕はまだ痛いです。当分、痛いかもしれません。

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コメント

まさかのトゥービーコンティニュー♪
社会復帰なるか?!黒羊さんの奮闘始まる。
私のうちには、いつごろ親子丼が届きますか。

jun様、お返事が遅れて申し訳ありません。
ええと、警備員はですね、まだ脱皮できてないです。
まだ幼虫です。さなぎにすらなってません(涙)
彼がjun様のおたくへ親子丼をお届けするのは、
とうぶん先のことだと思います……。
やっぱり、ぬらりひょん=いいやつ説は嘘だ、と思います。
あいつ、いいやつじゃない……!
少なくとも、あいつのわたしの扱いはひどいものです。
そこのところを涙目で主張して、お返事に代えさせていただきます。
コメント、ありがとうございました。 

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