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2015年7月12日 (日)

幸運の透明のビニ傘。

どうもこんにちは、黒羊男爵です。
今日は暑いですね。
三十度くらいイってそうです。
こうも突然、暑くなると身体がついていけません。
当然、寝込みがちになります。
それで、寝込みながら、
「八月の試験ヤベえ」とか考えつつ、
こんなに急に暑くなって、
あいつ、大丈夫かな、と心配しています。

あいつ、暑いのダメそうだったからな。
梅雨だから出てきたって言ってたし。
湿度がないと、固まっちゃうんじゃないかな。
大丈夫かなあ……泥田坊。
え、泥田坊って誰かって?
最近はあんまり見かけないですけど、
泥田坊は田んぼにつきものの妖怪です。
先日、友達になりました。

ええと、このブログ読み始めたばかりのビギナー様は
ご存知ないかもしれませんが、
俺には妖怪の友達がいます。
人間の友達ももちろんいますが、
一般に「妖怪」と呼ばれてる・人間以外の存在の
友達もおります。
友達にはメジャーな妖怪から、すげえレアな妖怪までいて。
メジャーどころでは、 飲み友達の一反木綿 とか、
悪友の ぬらりひょん とかがいますが、
レアどころでは、 露流し とか あめふらし とかがいます。
で、先日 雷雨の日に、俺は新しい妖怪と出会ったのでした。

そん時、俺は急な雷雨の中を
買ったばかりのマンガを抱きながら歩いていました。
走ることはあきらめていました。
実際問題、俺は歩行速度も疾走速度もさして変わらないし。
ただ、この 黒子●バスケの特別版(●●お●でとう号) が濡れないといい、
と思ってました。
だから、必然的に、俺はずぶ濡れになってました。
こんなことなら、執事に迎えに来てもらえばよかったかも。
いや、マンガや本など自分の趣味に使用人を使うのは、
俺のポリシーに反する。
趣味のことは自分でやるから、楽しいのだ。
こうやって手に入れた特別版は、
きっと思い出の残るマンガになるだろう。
そう思ってました。

そうやってずぶ濡れながら、道を急いでいた俺は、
角を曲がった途端、
「……なにしてんの?」
思わず問いかけていました。
すると、逆に、
「なにしてんの?」
と言われてしまいました。
「なにって……マンガを読もうと思って家へ急いでいる」
と答えると、それは、
「もうずぶ濡れだね、うらやましいなあ」と言いました。
そして、側溝にずり落ちていきました。

それは、膝くらいの大きさの泥人形でした。
ジンジャービスケットみたいな形です。

それは明らかに日本語を話していましたが、
明らかに人間ではありません。
が、俺は物事に特に先入観がない性格なので、
「下半身が流れていきかけてるけど、大丈夫?」
と訊きました。
それは、「ううん」と首を振り、
「梅雨が嬉しくて、たくさん濡れたくて溝に入ったけど、
出られなくなったの。
もう形を保っていられないかもしれないの」
と悲しげに言いました。
「え、出たいの?」
「うん、もう出たいの」
「じゃあ、手伝おうか?」
「え、いいの? ぼく、泥田坊だよ」
「泥田坊って初めて見たけど、妖怪でいいの?」
「うん、いつもは田んぼに住んでるの。
今日は雨に浮かれて遠出して、失敗しちゃったんだ」
「ああー、慣れない道だと大変だよね。
で、君って人間が触って大丈夫な妖怪?
なんかうつったり、壊れたりしない?」
「大丈夫、大丈夫」
そう言うので、俺は「じゃあ、ちょっと失礼して」と
マンガを見知らぬ家の軒先に置き、
泥田坊の肩をつかみました。
冷たくて、ぬるりとしてました。
当たり前だよね、泥だもんね。
掴みづらい肩をどうにか持って、
「いくよ。せーの!」
下半身の輪郭がぼやけた泥田坊を側溝から救出しました。

「うわあ、すごいことになった!」
俺の両手は泥だらけです。
「ごめんね、戻すよ」
泥田坊の手からカタツムリのような触手が出て、
俺の手をぬぐいました。
魔法のように、泥が全部吸い取られて、手はきれいになりました。
「すごい便利だなー、君は」
俺は感嘆します。
「もしかして、Gパンの泥はねとかも取れる?」
「取れるよ」
泥田坊の触手がのびて、俺のGパンの裾に触れます。
泥も水はねもきれいに取れました。
泥汚れって取りにくいんだよね。
ちょっと感動。
妖怪で役に立つ能力持ってるのってレアだから、
なおさら感動。

「あ、そうだ、俺、マンガ読もうとしてたんだった。
帰り道、送っていかなくて平気?」
「大丈夫。もう動ける」
「そう、ならよかった。じゃあね、バイバイ」
俺が手を振ると泥田坊が、
「待って」
と言いました。
「生命を助けてくれたお礼がしたいの」
「え、もう十分だけど。Gパンの汚れも取ってくれたじゃん」
「ううん、そうじゃないの。
そのマンガ、大切そうなの。濡れるといけないから、
これをあげるの」
泥田坊は自分の胸に手を突っ込むと、
どう考えても収まるはずがないサイズのビニ傘を取り出しました。
「これをあげる。人間は雨の日にはこれを使うんでしょ。
田んぼに捨てられていたの」
「うわああ、すごいな!」
俺は泥田坊の収納能力と性格の良さに感動します。
ぬらりひょん、おまえウチに来て飯をたかってばかりだ、
ちょっとは泥田坊を見習え。

「水も取ってあげる」
泥田坊の触手がまた動くと、ずぶ濡れだった俺の身体から
きれいに雨水が吸い取られました。
「ありがとう、いや、マジで助かったわ!」
俺は乾いた服にビニ傘をさし、泥田坊にお礼を言いました。
これでマンガはもう安泰である。
「ううん、いいの。お互い様なの」
泥田坊はゆっくりと向きを変えて、
「じゃあね」と言ったので、
「うん、俺、黒羊男爵っていうんだ。
そこの先に住んでるよ。
機会があればまたな!」
別れのあいさつを交わすと、
泥田坊は田んぼを目指して去っていきました。
俺は雨の中、頭上のビニ傘を見あげました。
どこにでも売ってる、たぶん百均かなんかの透明なビニ傘。
でも、それは、俺にとって、
友達からもらった大切な宝物になったのでした。


以上、ホラ九割程度で。ホラ度が高いと精神が安定しますね。
現実があまりにも残酷なことになってるからな!
(※注:主に八月に中小企業診断士試験を受ける件で)
久々に妖怪話ができて、満足です。
泥田坊はいいやつです。
素直だし、親切だしな。
ホント、マジでちょっとは見習えよ、ぬらりひょん!
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いるわけない、よりも、いるかもね、のほうが楽しいと思います。
確率としては同じようなもんだけど、
妖怪くらいなら、いてもいい。
ポジティブなほうが楽しいよ!
雨の日に田んぼを通りかかったら、泥田坊を探してください。
膝くらいの大きさのちっさな妖怪ですが、
とっても大きな心を持っています。
きっと通りかかったあなたの友達になってくれると思います。

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コメント

やったね。ひさびさの妖怪シリーズ。
それにしても、想像以上に泥田坊は
いいやつでしたねー。優しいし。
会ってみたい。
「田を返せー。」
と、怒られるんだとばかり思ってました。
この辺りは、田がないから、
なかなか会えそうもありません。

てことで、よろしくお伝えください。

jun様、こんばんは。
そうなんです、泥田坊はいかつい名前の割には
可愛くて、素直でいい奴でした。
今度 会う機会があったら、
jun様が「会いたいって言っていたよ!」とお伝えしますね。
もしかしたら、手紙を書いてくれるかもしれません。
手紙を預かったら、ご送付いたします。
コメント、ありがとうございました(^o^)/

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