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2014年12月

2014年12月31日 (水)

あけおめ、ことよろ。

みなさま、あけましておめでとうございます。
今年もいっぱい、「ありえねえだろ」的なホラや
「信じそうになった」的なホラを
たくさん、たくさん吹いていきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

はい、毎年恒例の黒羊男爵邸の
フライング年越し宣言でした!

え、まだ明けていないって?
まあ、いいでしょ? もう解禁でしょ。
だって四捨五入すれば、新年ですから。
第一、年越しと同時に更新すると、
サーバーにも迷惑だし、
オレの信条は「自分に優しく、地球にやさしく、リサイクル!」だから、
前倒しで、毎年挨拶している次第です。

本当は現在、たまりにたまった雑誌の
ファイリングが終わらなくて、半泣きになって、
雑誌の山に囲まれているオレがいますが、
そんなんは湖の白鳥の水面下のバタ足です。
お見せする必要はありません。
(書いちゃったけど)

いつもココログにて いいね! してくださってる常連様、
ありがとうございます。ホント心の支えです。

毎週、オレのあがきと苦闘を見に来てくださっているあなた、
ありがとうございます。
わたしは、観客がいると燃えるタイプのナルシストです、
逆方向の。
見ていただければ見ていただいただけ、
ホラの吹きがいがあるというものです。

てなわけで、今年もよろしくお願いいたします!



以上、ホラ二割程度で。
なんつっても、まだ明けてねえってところで、
ホラ二割ですね。
まあ、これが通常運転です。
来週もまた、ぴーひゃらホラを吹いていますので、
見に来てやってください。
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2014年12月28日 (日)

『楽しく帽子を作る会』改め。

前回までのあらすじ:
 知人・画家の『楽しく帽子を作る会』の幹事に無理やり就任させられた男爵。
 三人目のメンバー・奈落鬱子さん(仮名)とバトリながら、
 どうにか帽子を作ろうとするが、
 絵筆一本人生の画家も、
 「自称女神予備軍」「男性が育成してくれるのを待っている」奈落鬱子さん(仮名)も、
 家庭科というか、針と糸にまったく興味もない。
 そんなこんなで果たして帽子はできるのか……?!

「簡単に一言で言えば、おまえらは人間のクズだ」
わたしは宣言しました。
「かく言うオレも、自他ともに認める人間のクズ、
人間失格人生まっしぐらだが、
おまえらもクズだ。実に見事な救いようのないクズだ。
まずはそれを直視するところから始めよう」
「ちょっと待ってよ、男爵、なんでわたしがクズなの?
わたしはちゃんとした画家だよ!」
画家が言い張れば、
「そうよ、わたしだって立派な女神予備軍、
磨いてさえもらえれば光り輝く原石よ!」
奈落さん(仮名)も貧相な胸を張って主張しました。
オレは冷静に、碇ゲン●ウのポーズで分析します。
「画家、おまえは画家であるがゆえに、
それ以外のことはまったくなにもできない。
能力的にも人格的にも評価すべきところがない。
ゆえに、クズ認定。
奈落さん(仮名)、あんたにいたっては、
唯一のとりえすらない。
美貌もなければ、性格もよくないし、頭も悪い。
年齢だってかなりいってるのに、
いまだにウェイティング中、自分磨き・自助努力ゼロ。
ゆえに、クズ認定。
なにか異論でも?」
「あるに決まってるでしょ!」
「あんたにクズだって言われたくないわ!」
二人は口々になんだかんだとわめきますが、
オレは一切を耳からシャットアウト。
次の一言で、二人を黙らせます。
「クズがくやしければなあ、オレ抜きで帽子を作ってみろ!」

「!」「!」
額に青筋を立てて二人は黙り込みます。
握った拳がブルブル震えているので、
もし殺人が合法だったら、オレは二人に撲殺されているでしょう。
「そもそも、みんなで帽子を作ろうとしたのが、間違いだったのだ」
オレは言いつのります。
「奈落さん(仮名)の頭に王子様が来ないストレスから
円形●毛ができた。
それを隠すためにオシャレな帽子が必要だ。
うん、一見、論理は破たんしていないように見える。
オレも一度はうなずいた」
「……だったら、帽子を作ってよ、男爵!」
「だが、『楽しく帽子を作る会』には大きな誤算があった。
それは、会員であるおまえら、
一番帽子を必要としているおまえらが
帽子を作れない、
作る気もない、ということだ。
だったら! オレが帽子を作らねばならない理由は
1ミリグラムもない!
作りたいけど作れない・教えてほしいって言うんならなあ、
オレも考えないでもないけど、
おまえらクズの態度には謙虚さが皆無!
お願いする姿勢も皆無!
よって! オレは今回、断固として帽子を作りません。
ええ、作ろうと思いません。
帽子が欲しければ、自分で作るんだな。
『楽しく帽子を作る会』はこれにて解散!
あとに残ったのは、
人間のクズ三人、いや、哺乳類三匹、
『楽しく帽子を作る会』改め、
『人間失格・クズの会』が大結成されました!」
「!」「!」
オレの言葉に、二人の顎が落ちました。

「そ、そんな……。
クズだなんてひどい……」
奈落さん(仮名)の眼に涙が浮かばず、
激しく嗚咽だけ漏らして、嘘泣きをします。
うん、それ全然、泣いてないね。
画家が奈落さん(仮名)の背中をさすりながら、
同じく泣いているフリをします。
「そうだよ、奈落さん(仮名)はただ王子様を待っていただけなのに。
それなのに、王子様がまだ来ないなんて。
心痛から病気になってしまったのに、
帽子を作ってあげないなんて。
ひどいよ、男爵、この人間のクズ!」
「ええ、オレはクズですが、なにか?」
オレは落ち着き払って、応えます。
「オレは自分が人間失格でも別にかまいません。
だってそれで迷惑するのは、周囲の人間であって、
オレ自身じゃないし。
第一、おまえらには迷惑をかけられても、
かけたことはない」
「帽子を作ってくれないのに……?!」
「買えばいいだろ、そんなに欲しけりゃ」
オレは教本を閉じ、材料と一緒に袋に入れて、
画家に押し付けます。画家は言います。
「帽子ってけっこう高いんだよ!」
「知ってる。だからオレに作らせようとしたんだろ?
いやなこった、自分でどうにかしろ」
「どうして、友達じゃないの?!」
「友達は友達を利用したりしない!
そもそもなあ、オレは、自分で努力もしないで、
他人におんぶにだっこで助けてもらいたがる人間が
大嫌いなんだよ、
自分を見ているようで!
はい、俺の性格の悪さがわかったら、
今回はおとなしく引き上げてください。
これにて『楽しく帽子を作る会』も『人間失格・クズの会』も
解散です。
はい、帰った、帰った!」
オレは二人を家から押し出します。
ついでに二人にコートとマフラーも投げつけます。
「それじゃな、メリー・クリスマス!
サンタも王子も来ないけどな!」
画家がわめきます。
「男爵のバカア! 人でなし!」
「あんたなんか、あんたなんか、永遠に王子様が来なきゃいいのよ!」
「はいはい、オレには王子は必要ありません。
オレが待ってるのは
アンジェリーナ・ジョリーとキアヌ・リーブスなんで。
じゃあね、よいお年を~」
オレは二人にバイバイと手を振り、扉を閉めました。

ホント、どうしようもないよね。
人間のクズが三匹集まって、
どうしたら仲間のクズが幸せになれるかって言い合って、
どうしようもないよね。
だから俺は、二人を蹴りだした後、
Amazonを開き、あの教本を自分で購入しました。
「ホント、どうしようもねーなー」
我ながら、そう思う。
あんなこと言って、画家と奈落さん(仮名)を蹴りだしておいて、
帽子を作ってやるなんてな。
我ながら、お人よしにもほどがある。
黙って作らされるだけじゃ、腹立たしいから、蹴りだしたけど、
でもさ、
「奈落さん(仮名)にもいつか、王子様が来るといいな」
オレにアンジェリーナ・ジョリーが来るといいように。
でもま、クズのオレとアンジェリーナ・ジョリーじゃ釣り合わないけどね。
それでも、夢見るのは自由でしょ。
だったら、奈落さん(仮名)が夢見ているのは別に悪くないさ。
彼女の人生だ、好きに浪費すればいい。
自分で納得できるまで、やればいい。
他人に、それも人間のクズのホラ吹きにできることなんて、せいぜい、
「帽子を作ること、くらいだよな」
王子様が思わず寄ってきてしまうような、素敵な帽子を。



以上、ホラ八割程度で。
『人間失格・クズの会』では随時 会員を募集中。ではありません。
もう解散したんでね。
十五分程度の活動期間でしたね。
こうして、『楽しく帽子を作る会』をめぐる冒険は終わりを告げたのでした。
結局、三人で帽子、作らなかったね。
まあ、こんな日もある。
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クズでも、夢とロマンと心のゆとりは大切にしたいよね。
ホラ吹きはさ、夢とユーモアがあるから、嘘つきじゃないんだから。
『帽子を作る会』は辞めたけど、
それだけじゃ世知辛いよね。
帽子くらい、作ってやるよ、
仕方ねーから。ホント仕方ねーから。
奈落さん(仮名)の笑顔が、これでちょっとでもマシになればいいな、と思う。

2014年12月21日 (日)

女の子の特権。

前回までのあらすじ:
 「楽しく帽子を作る会」の創設メンバーとなった黒羊男爵、
 男爵の知人(?)画家、画家の知人・奈落鬱子さん(仮名)。
 だが、残念なことに、自分の尊厳を重視する人間失格の男爵と
 「わたし女神予備軍だから磨かなくていいのよ」という人間未満の奈落さん(仮名)の
 相性は最悪で、互いの生き方について罵り合う始末。
 会はいっこうに始まらないと思われたが、
 画家の「奈落さん(仮名)はストレスから円形●毛症になっちゃったからさ、
 素敵な帽子を作ってあげてよ」という言葉に男爵は瞑目、黙り込み、
 やっとのことで、「楽しく帽子を作る会」が始まったのだった……!

嘘でしょ。
いっそ嘘だと思いたい、というのが、私の率直な感想です。
「じゃあ、「楽しく帽子を作る会」始めようー!」
画家の宣言でようやく始まった「楽しく帽子を作る会」ですが、
大問題が発生。

「針と糸に触ったことがない……?!」

教本を片手に唖然とするオレに、
画家は悪びれなく言います。
「わたし、絵筆以外の物はぜんぜんダメなんだよね」
「……それは知ってるけど。でもそれにしたって」
「だから男爵に頼んだわけ。
男爵、とっても器用だから」
オレはうなだれます。ああもう、こういうやつだって知ってたけどさ。
「おいおいおいおい、
直球でいきなり全力の他力本願だな……。
ここまでくると、いっそすがすがしいな。
で、奈落さん(仮名)は?」
「わたしは女神予備軍だから、裁縫なんてしなくていいのよ」
「おいおいおいおい、
こっちも自力救済を全否定か。
ちょっと待ってくれ」
オレは考えてから、質問を出して二人の実力を探ります。
「じゃあ、最後に針と糸を持ったのはいつ?」
画家:「小学校の家庭科」
奈落:「小学校の家庭科」
オレ:「ちょっと待てよ、家庭科って高校まであっただろ。
    中学以降はどうやって家庭科を切り抜けてきたんだよ」
画家:「友達に頼んだ」
奈落:「どれ、じゃない、友達に頼んだ」
オレ:「裁縫に興味はあるわけ?」
画家:「ぜんぜんない」
奈落:「ぜんぜんない」
オレ:「おまえらのファイナルアンサーは、本当にファイナルだな!
    すべての物事が終息しちゃうよ!」
画家:「とにかく素敵な帽子が必要だから、
    男爵、作ってよ☆」

どうしたもんでしょうか……。
これ、もう「楽しく帽子を作る会」じゃないよね?
だって作るの、俺一人なら、
会を開く意味がないよね?

奈落さん(仮名)は誇らしげに言います。
「王子様がわたしにどうしてもと望むのなら、
家事を覚えてあげてもいいわ。
ちゃんと花嫁学校へ行った上で」
「その肝心の王子様が最後に来たのはいつですか」
「……――ううう、う、う」
泣き崩れる奈落さん(仮名)。
画家はオレを責めます。
「そういう言い方ないじゃない!
奈落さん(仮名)の夢を壊しちゃいけないよ!」
「いや、そろそろ醒めたほうがいい夢だと思ってな」
「大事なのは、夢とロマンと心のゆとりって男爵、いつも言ってるじゃん」
「いや、確かに言ってるけれども!
オレの言ってる夢は、奈落さん(仮名)の夢とはかなり違う気が」
「おんなじだよ!
女の子の夢を壊しちゃ駄目だよ」
「奈落さん(仮名)はオレよりはるかに年上だけど、
女の子なの?」
「女の子は生まれてから死ぬまで、女の子だよ!
女の子の特権だよ。
だから帽子作って☆」
「そんな特権、ドブに捨ててこい!」
「仕方ないじゃん」
画家は胸を張りました。

「だってわたしたち、不器用な女の子なんだから。
女の子として、生き方も不器用だし、
手先も不器用なんだから。
手先だけは器用な男爵がフォローすべきだよ、
友達として!」

えーと……。
本当にオレがフォローすべきなの、ここは?
スルーしちゃいけないの?
人生いろいろつらくね?
自信満々に全力他力本願なふたりを前にして、
滝汗かいているオレは、かわいそうじゃないの?
そんな感じで、ちっとも帽子を作らないまま、
「楽しく帽子を作る会」は来週に続く。


以上、ホラ八割五分程度で。
だったらさ、もうさ、
「楽しく帽子を作る会」じゃなくて、いつもどおり、
オレにシャランラ♪ をやらせるだけでよくね?
奈落さん(仮名)が参加してるばかりに、
余計に時間と手間がかかってる気がするよ。
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オレが逆に訊きたいです。
帽子はいつ誰が作るんですか?

2014年12月14日 (日)

『楽しく帽子を作る』のはなぜか。

前回までのあらすじ:
 知人・画家とともに『楽しく帽子を作る会』の構成員になった男爵。
 さっそく第一回目の『楽しく帽子を作る会』が開催されたのだが、
 三人目の会員・奈落鬱子さん(仮名)と男爵の相性は最悪で……?!

はっきり言っちゃいますけど、
俺的に奈落さん(仮名)は人としてあり得ないと思ったんですよ。
だっていきなり年収を訊いてきた挙句、
「わたしは女神予備軍だから磨かなくていいの」
「リッチな男性だけを狙っていて、
リッチな男性はわたしが女神になるのを喜ぶの」と
ぶちかましてきたんですよ?
まず他人へのファーストクエスチョンが年収って。
いや、お見合いとかだったら、ありだと思いますよ?
でも『楽しく帽子を作る会』ですよ?
オレはアンジェリーナ・ジョリーでもない奈落さん(仮名)には
人間としても、女性としても、まったく興味をそそられないし、
ましてや女神予備軍だから、自分磨きを全くしない彼女
(他家を訪問するのにメイクすらしない)
には、もうご立腹なわけですよ。

で、先週のくだりのあと、
奈落さん(仮名)とオレはにらみ合い、
互いに一歩も譲りません。いや、オレが譲る意味がないし。
画家はそんなオレたちを眺めてニコニコしてます。
「さっそく仲良しになって、よかった!」
「……ちょっと待て」
オレは画家のほうへ向きなおります。
「オレと奈落さん(仮名)がいつ仲良くなったって?」
「そうよ、こんな低収入な人間と仲良くなる必要はないわ」
「オレだって、女神予備軍どころか人間失格予備軍の
あなたと仲良くする必要はありません」
「人間失格は女性を大事にしないあんたのほうじゃないの」
「オレは人間失格ですが、それは認めますけど、
オレは女性には優しいですよ、
女性だと思った相手には優しいですよ」
「あんたの優しさってずいぶんぞんざいなのね」
「いやこれは優しさじゃないからね、
こんなんがオレの優しさだと思われたら嫌だから、
言っておくけど、
これは優しさじゃなくて、カラさだからね」
「あれ? 男爵、男爵、どうしたの」
画家がオレと奈落さん(仮名)の間に入ってきました。
「なんか語調がきつくない?
奈落さん(仮名)は男爵が大好きな女性だよ?
アンジェリーナ・ジョリーと同じ、女性だよ?」
「アンジェリーナ・ジョリーと奈落さん(仮名)は同じくくりの生物ではない」
「なに言ってんの、そっくりじゃん。
同じ哺乳類だし、眼が二つあるところなんて、
もうまるっきり同じだよ」
耳だって、鼻だって、眉毛だって、
アンジェリーナ・ジョリーと同じだよ? と画家は続けます。
オレは全力で首を振りました。
「数が同じならいいってもんじゃない!」
「そうよ、決め手は質よ! 人間の質の問題よ!」
「はあ?! 質が年収訊くのと何の関係が?」
「年収によって、質が決まるんじゃない、決まってるでしょ」
「それ言い出したら、あなたの年収はいくらなんですか。
ご自分の決めた高いボーダーに届いてないんじゃないですか」
「わたしは女神だからいいのよ。
女神以外は、年収がクオリティの基準ってことよ」
「あんたが女神なら、オレは便器でいいですよ」
「あら、自分のレベルがよくわかってるじゃない」
「こんなん皮肉に決まってるでしょうが、
どんだけ自分に都合のいい思考回路してんだ、あなたは」
オレは怒鳴り、奈落さん(仮名)は怒鳴り返し、
もう『楽しく帽子を作る会』はしっちゃかめっちゃかです。

「もうさー、男爵さー」
途中でオレたちの戦いにあきたらしい画家が
オレの洋服をちょいちょいとひっぱりました。
「奈落さん(仮名)と仲がいいのはわかったから、
早く帽子を作ろうよー」
「帽子を作る?! 何のために?」
「だって、これは『楽しく帽子を作る会』でしょ」
「そうだけど、そうじゃねえよ、もうこれは生存競争だよ、
あっちが折れるか、オレが折れるかって問題だよ」
「なんかよくわかんないけど、
とにかく帽子がないと話が進まないからさー」
「話? 話ってなんの話だよ?」
「だから、奈落さん(仮名)ための帽子が必要ってことでしょ。
彼女の頭のために」
「頭? このおかしい頭に帽子をかぶせても何にも隠れないけど?」
「そうじゃないよ」
画家はため息をついて、奈落さん(仮名)を指さしました。
「彼女、ストレスから円形脱●症になっちゃったからさ、
それをオシャレにフォローするために
帽子が必要なんじゃない」
と言いました。

「……病気……?」
オレは唖然として対面の女性を眺めます。
なぜかとたんに奈落さん(仮名)の背中から邪悪なオーラが抜けました。
へたへたと座り込み、
「ううう、なぜなの、なぜ王子様はまだ来ないの……?」
などとつぶやき始めます。
「わたしのなにがいけないって言うの?
どうして三十年以上待っているのに、
王子様はまだ来ないの?」
「……ああ、そういうこと」
オレは納得しました。
つまり、奈落さん(仮名)の高い高い理想はもろ刃の刃で。
理想が高くなればなるほど、
「なぜ理想の王子様が来ないのか」という壁にぶち当たってしまうわけです。
「病人なら、仕方ないけど……」
オレはしぶしぶ譲りました。
オレ自身、病人だから、強く出づらい。
「じゃあなんなの、おまえが『楽しく帽子を作る会』を始めたのって、
奈落さん(仮名)のためだったの?」
「うん。だって、夢をずっと追い続けるのって、
大変じゃない?
私自身、画家になってるけど、画家でいつづけるの、大変だし。
だから、ずっと夢を追っている彼女を応援したいなって、思って」
「……おまえ、オレ以外の人間にはなんか優しくない?」
「だって彼女、かわいいじゃない」
「はあ?!」
オレは耳を疑います。
「かわいい? いまかわいいって言ったか、この自称女神予備軍を?」
「かわいいじゃない、いまだにシンデレラを信じてるなんて。
サンタを信じてる小学生と同じでしょ」
「……おまえの性格は辛口なのか、甘口なのかわからないな」
「とにかく、帽子を作ってあげてよ。
そんで、奈落さん(仮名)を笑顔にしてあげてよ」
「……はあ」
オレは頭をがりがりとかきます。
たしかに、病気なら、いろいろつらい。
虚勢を張ってしまったり、わがままになってしまったり、
ということもあるかもしれない。
いや、まあ、それでも許される範囲ってあるけど、
オレがそこまで奈落さん(仮名)に踏み込むべきかって話にもなる。
なにより、奈落さん(仮名)と友人なのは、
オレじゃなくて画家だし。
で、その画家が奈落さん(仮名)を応援しているらしいのは、
まあ、いい話といえばいい話なのかもしれない。

「じゃあ、わかったよ……」
オレはしぶしぶ教本を取り出しました。
「王子様が寄ってくるような素敵な帽子を作ればいいんだろ」
「そう、それ」
画家は力強くうなずき、奈落さん(仮名)の背中をなでました。
「大丈夫、きっといいことあるよ!」
「……その自信がどこからくるのか、
ホントわかんないな」
オレはため息を漏らし、教本を開きました。

こうして、いろいろありましたが、
『楽しく帽子を作る会』がやっと始まりました。
そんで男爵はどうすんのか、
奈落さん(仮名)や画家はどんな帽子を作るのか、
また来週へ続く。


以上、ホラ八割程度で。
病気ってホントにつらいときはつらいよね。
奈落さん(仮名)もやっぱ、つらいときがあるのかもしれない。
それはオレも認めます。
ずっとずっと王子様を待ち続ける生活ってのも、
つらいかもね。
そりゃもう、シンデレラっていうより、
ラプンツェルって感じだよね。
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幸せになりたいというのは、
まあ、誰しも夢見ることだよね。
それは責めることはできないな。
難しいね。

2014年12月 7日 (日)

楽しくない『楽しく帽子を作る会』。

前回までのあらすじ:
 知人(もはや友人とは呼べない・呼びたくない)画家の依頼で、
 無理やり『楽しく帽子を作る会』という会の幹事になった黒羊男爵。
 もちろん、別に帽子に興味があるわけではなく、
 断り切れなくてイヤイヤやらされてるだけ。
 そんな『楽しく帽子を作る会』の一回目の会合が男爵邸で行われたのだが……!

そりゃもう、すごかったですよ。
ホントにもう、すごかったですよ。
こんなに盛り上がらない会ってあるんだなって、思いました。
むしろ盛り下がりまくりですごかったです。
でもそれは、オレのせいじゃないです。
確かにオレはいま風邪をひいていて、
テンション低いってのはありますが、
それ以上に。
それ以上に、『楽しく帽子を作る会』のメンバーに問題がありました……!

帽子を作る、ただその目的だけを知らされ、
材料と教本を送付されたオレ。
一応、教本を見てみて、
「うぬう」とうなりました。
画家のヤツ、自分じゃ(絵画以外)何も作れないくせに、
いい本を選んできたな。
下記が画家が送ってきた帽子の本なんですが、
発想がおもしろかったですね。
他の帽子の本だと型紙ありきなのですが、
それをできるだけとっぱらってる。
作り始めやすい、良書だなと思いました。
(注:わたしは別に出版社から何ももらってません)

ちなみに、送られてきた材料については、もう語りたくありません。
画家のヤツ、またやりやがった。
金がないからって無茶が過ぎるだろ。
いずれ、画家が送ってきた材料については
アップします。
とりま、材料と本はまた別の機会に語ります。
本日は、もっと差し迫った課題を語りたいと思います。

で。ですね。
その肝心の『楽しく帽子を作る会』の第一回目の会合が
先日行われたわけですが。
俺は材料と教本を用意して待っていたのですが。
「……失礼ですが、どちらさまですか?」
やってきた画家は独りではありませんでした。
連れがいました。
見たこともない女性でした。
「あー、男爵、紹介するね、
この『楽しく帽子を作る会』の会員番号3番、
奈落鬱子さん(仮名)だよ!」
画家は元気よく、そのひとを紹介しました。
「ど、どうも、はじめまして、
黒羊男爵です」
オレは相手にたじろぎながら挨拶しました。
ど、どうなの、
あきらかにオレよりかなり年上だけど、
すっぴんノーメイクで、なんだか貧相な雰囲気で
髪もぼさぼさだし、身なりに気を配ってない感が満載なんだけど。
「あなたが男爵さんですが」
その女性は陰気そうに笑いらしきものを口元に浮かべると、
「年収はいくらなんですか。
一千万円以下だったら、お会いする価値がないんですけど。
残念ですけど、わたしとつりあわないので」
と言いました。

な?! 初対面でいきなり年収の話?!
オレは股間を触られたかのような衝撃を受けました。
そして、いきなりのダメ出し?!
「えー……っと」
オレはたじろぎを通り越して挙動不審になりそうになりました。
とりあえず通訳役の画家に言います。
「ええと、この奈落さん(仮名)はどういう意味で
オレの年収を訊いてきてるわけ?」
「ああ、あのね、彼女が異性として意識するのって、
年収一千万円以上、
高学歴、高身長、自宅持ち、車持ち、墓もちなんだって。
男爵はその条件に合わないから、
異性としては見られないってこと」
「はあ?!」
ちょっと待て、ちょっと待てよ、
オレは今日、『楽しく帽子を作る会』に参加してるんだよね?
合コンとか縁談とかに参加してるわけじゃないよね?
ていうか、オレにも選ぶ権利があるっていうか、
それ以上に、それ以前に、
「そこまで言われちゃったら、こっちももうぶっちゃけちゃうけど、
奈落さん(仮名)自身が、
その高い、高い理想の異性像に釣り合うと思えないんだけど?
だって、高いスペックの人間には、
同じくらい高いスペックの人間を選ぶ自由があるでしょ。
悪いけど、他家を訪問するのにメイクすらしない女性が、
高スペックの男性に釣り合うとは到底思えない」
とぶちかましてしまいました。
ええと、失礼は承知ですけど、
先に股間を触ったのは、向こうですから、
オレは受けて立ったのです。

そしたら、奈落さん(仮名)は平然と言いました。
「シンデレラ・ストーリーを知らないの?
年収低いうえに無知なのね」
「……残念ながら、過去にいろいろあったせいで、
オレはシンデレラの話が大嫌いなんですよ」
「あんたは知らないでしょうけど、
リッチな男性はね、女性を好みの女神に育てるのが好きなの。
わたしは女神予備軍なんだから、
素材の状態でいいのよ。
素材がいいから大丈夫なのよ」
「おいおいおいおい、腐っても鯛とは言うけれど、
いくら鯛でも腐ってたら調理方法はないからね。
破棄されるだけだからね。
素材が駄目なら、何を作っても、料理もダメになるだけだからね。
それは料理じゃなくて可燃ごみだからね」
「ギャップ萌えって言葉も知らないの?
わたしが華麗に女神になるのを、
リッチな男性は喜ぶのよ」
「いやいやいや、それギャップじゃなくて
ナッシングだから。使用前使用後が連続してないから。
悪いけど、あなたから女神が誕生するくらいなら、
オレが女神を出産するほうがありそうだから」
早くもにらみ合うオレと奈落さん(仮名)。
こうして『楽しく帽子を作る会』は
楽しいどころか、心をえぐるような会話からスタートしたのでした。
次回に続く。



以上、ホラ八割程度で。
画家はいったい何を考えて、奈落さん(仮名)とオレで
『楽しく帽子を作る会』を始めたんでしょうか。
そこを聞く前に奈落さん(仮名)にオレは股間を触られてしまい、
憤ってるわけですよ。
みんなどう思う? 股間触られたと思うオレが間違ってるの?
どうなの?
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「うん、股間触られてるね」って思った方、
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オレ自身に光源氏願望がないから、わかんないけど、
ええと、奈落さん(仮名)みたいな、
かなり年いってる・貧相・身なりに無頓着な人でも
女神になれるわけ?
ていうか、女神にしようとする男性がいるわけ?
育成願望って、いまいちピンとこないんだよなあ……。

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