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2014年11月 9日 (日)

一線の超え方。

どうもこんにちは、黒羊男爵です。

えー、世の中には、
「超えちゃならない一線」ってのがありまして、
こいつがけっこう、日常的に落ちてます。
不倫してるとか、離婚を考えてるとか、
妊娠するかもとか、まあ、こういうのも
「超えちゃならない一線」が足元にあると思いますが、
「別に同性・異性問わず、恋人がおらず」
「特にわいろをもらったりするような地位もなく」
「借金をねだりにくる親戚もいない」ような、
まあ、はっきり言えば、オレのような、
根なし草的な生き方をしている人間にも、
「超えちゃならない一線」はあります。
日常的に目にします。
それは。

「ご主人様、これはゴミでございますね」
ある日、執事がオレの机の上のあるものに目を留めて言いました。
「いや、それはこれから有効活用しようかと」
オレが応えると、執事は露骨に嫌そうな顔をしました。
「どう活用されるのですか」
「だから、連絡を取ってみようかと」
「なぜですか」
「持病もそろそろ十個になるし、
金もないし、
アンジェリーナ・ジョリーも
キアヌ・リーブスも来ないし、
老後も不安だし、
老後以前に、明日がもう不安だし、
それを言い始めたら、今日だってもう不安なんだけど、
人生が迷走してるような気がするから、
たしかな いしずえが欲しいなあと思って、
電話」
「しないでください」
執事は机上のそのもの――チラシ――を取り上げて、
びりびりに破いて、ゴミ箱に捨てました。

「超えちゃならない一線」は、ウチのポストに投函されてました。
「超えちゃならない一線」って、意外とフレンドリーだよね。
けっこう身近にあるよね。
で、人生に行き詰ったオレは、
チラシの番号にお電話でテルルして、
「超えちゃならない一線」を超えようとしたのですが、
執事に発見されて、踏みとどまりました。強制的に。

「そもそも、行き詰っているのは、
今に始まったことではないじゃないですか」
執事は冷静に言います。
「将来がないとか、未来がないとか、希望がないとか、
そんなの、ご主人様の人生では
通常仕様ではないですか」
「そりゃそうだけど」
「それを……他人に頼ろうとするなど、
黒羊男爵家の矜持に関わります。
ご自分で何とかしてください」
「できるもんならしてるけどさ」
「ご主人様ご本人にもどうしようもないことを
どうしてチラシで解決できるのですか」
「さっきの素敵なチラシによれば、
この世界には不思議な力があって、その力でなんとか」
「なるわけないじゃないですか。
ご主人様の人生がダメダメなのは、
ご主人様がそうなるように生きてきたからですよ。
つまり、ご自分の努力のたまものなのです。
マイナスの努力の成果ですが」
「病気は違うだろ。
だって十個だぜ? ありえないでしょ?」
「十個の持病があっても、生きている。
それで十分ではありませんか」
「うーん……」

オレはソファにつっぷして考え込みます。
十個の持病があっても、生きている。
それは幸運なのか、
それとも拷問が長引いているだけなのか。

「そもそも、ご主人様の常の、
無駄なまでのポジティブシンキングと
ユーモアはどこへ消えたのですか」
執事がため息をつきます。
オレは答えました。
「いやだって、たまには人生、スリルというか、
スパイスがあってもいいかな、と。
オレは恋愛系の事故はないし、
金銭面も金を持ってないから事故になりようがないし、
そこで、こっちの方向で
「一線を超える」的な冒険を」
「つまり、おもしろいネタにしようとされたのですね」
執事にズバリ言われて、
オレは起き上がりました。
そして、
「うん、まあ、そう」
と認めました。

「このろくでなし!」
執事が罵倒し、私の足をけりました。
「真面目に真摯にそっち方面に励んでいる方もいるというのに、
ネタにしようとはどういうことですか!
恥を知りなさい、謝りなさい」
「……すんませんでした。
いやほんとに、申し訳ありませんでした」
オレは執事の剣幕にビビって、床に土下座して謝罪します。
「だいたい、自分しか信じていないご主人様が
チラシにすがろうとすること自体が、冒涜なんです」
「……そういうおまえにはすがるような存在がいるのかよ」
「わたしですか? もちろんです」
執事は肌身離さず持っている写真を取り出しました。
「わたしの生命はま●ゆです。
願いがかなって、セ●ターになれました。
次の総選●でも給料と貯金を全部投入する予定です」
「おま、おまえもたいがいダメじゃねえか!」
「何を言っているのですか、
この地上に降りた天使の笑顔があれば、
どんなことでも乗り越えられます。
世界平和も可能です」
「なんだよ、なんだよ」
オレは土下座をやめて、開き直ります。
「おまえこそ、とっくに一線超えてるじゃねえか!」


以上、ホラ九割九分九厘で。
「一線」なんて、日常に落ちてる。
そこんところは真実だと思いますが、
チラシのやりとりのくだりは完全な混じり気ないフィクションです。
こんな不真面目な理由で電話しようとしたことはありません。
黒羊男爵邸ではチラシを批判・揶揄しているわけでありませんので、
ご了承ください。
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わたしも反省してます。
今後は、もっと真剣にホラを吹いて、
ユーモアいっぱいに生きなければなりませんね。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

え、これ、どういうことですか……。
昨日のアクセス数が90人超えてるんですけど……。
この辺境の辺鄙な偏屈なブログに、
なにが起きてるんですか……。
なんか、すげえ怖いんですけど。
あの、もし、ものすごい期待してウチのブログ見て、
しょぼさに愕然とした方がいらしたら、
誠に申し訳ありません。
ですが、大丈夫です、ウチがしょぼいのは通常仕様です。
ウチは比較的、しょぼくて、その分ホラが多くて、
いい加減なブログです。
あんまり真剣にとらないでください。
怒らないでね。
男爵からの心からのお願いです。

男爵さんのブログは、
いつもそれくらいの人数が
読んでるんだと思ってました(^0^)

それはさておき、
一線。いろいろあるけれど。
一度越えてしまうと、
怖いものがなくなってしまうことも。

越えてしまったら、
何かが変わってしまう。

何かを守るために
一線ってあるのかも。

jun様、こんばんは。
「何かを守るために」一線がある、深いお言葉ですね。
確かに一線の外と内では世界が違うのかもしれません。
一線を超えることがいいのか、悪いのか、
その時々によりますし、ケース・バイ・ケースですね。
ちなみに、わたしは何度か一線を超えたことがあります。
だいたい、結果、後悔しました。
「超えちゃなんね」と言われている一線は、言われるだけのことがありますね。
コメント、ありがとうございました(^o^)/

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