« 喧嘩しました。 | トップページ | 再始動なんですか、そうですか。 »

2014年10月 5日 (日)

決戦! 煮えたぎる鍋!

前回までのあらすじ:
 インスタントラーメン大好きな男爵。
 しかし、厨房を支配しているシェフと執事は
 アンチインスタントラーメン派閥。
 このままでは永遠に食卓にインスタントラーメンが出てこない。
 「日本が世界に誇るインスタントラーメンを認めない、だと!」
 ここにインスタントラーメン連合軍=男爵+メイドと
 反インスタントラーメン連合軍=執事+シェフ が結成され、
 両軍は千日戦争に突入。
 (つっても、まだ一週間しか経ってないけど)
 男爵邸を二つに分けた最終戦争の帰趨はいかに?!


「じゃあ、対決しよーじゃねーか、
料理人として、料理対決で決着をつけようじゃねーか」
どこまでもインスタントラーメンを馬鹿にして認めない、
シェフと執事にわたしは決闘を申し込みました。
わたしの提案を、フン、と鼻で笑う当家のシェフ。
なにせ若くしてヨーロッパで修業を積み、
いくつか賞ももらっている男である。
「対決はいいですけど、負ける気がしませんが?」
それに対して、オレは「器用貧乏」という称号を持つのみ。
料理の修業は自立したときにしていた程度だ。
「ふ、それはどうかな?」
オレは不敵に笑います。
「料理のお題はずばり『インスタントラーメン』、
王道中の王道、「サッポロ●番の塩味」で対決だ!
否定派もこれなら文句あるまい。
インスタントラーメンを否定するなら、
オレの作るインスタントラーメンを超えるものを出してみろ!」
「いいでしょう、その対決、受けて立ちましょう」
シェフは宣言し、
決戦の火ぶたは切って落とされました。

ラーメン対決のルール:
1:使用するインスタントラーメンは「サッポ●一番の塩味」
2:具材に使用できる食材は二種類まで。具材はその場で自分で作る
3:調理時間は十分以内
4:両軍がそれぞれ自分と相手の作ったラーメンを食べて、
 「おいしい」って言っちゃうと負け
5:インスタントなんだから、事前の下ごしらえ禁止

さあ、ルールもまとまって、盛り上がってまいりました!
さっそくスーパーに買い出しに出かけるオレ。
メイドさんもつきそってますが、不安げな表情です。
「あのう、ご主人様、料理でシェフと対決して大丈夫なんですか」
「大丈夫!」
オレは断言します。
「あいつら、いままでインスタント食べたことないから。
つまり、作ったことないから。
他の料理なら負けるかもしれないが、
インスタントラーメンなら、オレが絶対に勝つ!」
「それなら、いいんですけど。
具材はどうされますか?
チャーシューと煮卵とかにされます?」
「いや、煮卵は「下ごしらえ禁止」のルールに抵触する。
それに十分以内で作るのは難しい。
第一、無難すぎて、いかにもやつらが考えそうな具材だよ。
オレはね、経験上、サ●ポロ一番塩味に合う具材にする」
「なんですか?」
「くっくっくっ、それはね」
オレは材料をスーパーの棚から取り上げます。
「え、それとそれですか」
メイドさんはちょっとびっくりし、
「そのまま入れるのですか?」と訊いてきました。
「うんにゃ。加工する」
オレは答えます。
「これの材料なら、十分以内で極上のラーメンができあがるよ!」

はてさて、こんな感じで、
対決当日を迎えたオレたち。
「どうやら逃げずに来たようですね」
執事があざ笑います。
オレは「フフン」と笑い返します。
「同じ家に住んでるのに、どうやって逃げるのか、
逆に教えてほしいわ。
そしたらおまえたちも逃げられるのにな!」
「なぜ勝者が逃げる必要が?」
「勝つのはオレだ!
お前たちは今日、本物のインスタントラーメンにひざまずくのだ」
「そんな日は永遠に来ませんが?」
「ごたくはいい、さっさとはっきりさせようじゃねえか」
ストップウォッチで制限時間を計り始め、
いよいよ対決だ!

シェフとわたしの調理が始まりました。
シェフはラーメンのパッケージの裏の調理方法通り、
鍋をひとつ使用してお湯を沸かし始めます。
対して、わたしは鍋とヤカンで大量のお湯を沸かし始めました。
同時にフライパンをセット。
ごま油を熱し、すばやく刻んだ具材を炒め始めました。

シェフは調理方法に忠実に麺を投入します。
その手元にはすでに具材がそろってます。
茹で上げたラーメンを丼にそそぎ、
その上に、買ってきたチャーシューとシナチクを美しくトッピング。
だいたいラーメンのパッケージ通りの出来あがり。
ここまでシェフは約五分です。

わたしは麺が茹で上がると同時にお湯を捨て、
麺にある処理をし、
空いた鍋にヤカンのお湯を入れてスープを作成。
スープに処理済みの麺を投入。
一煮たちしたら、丼に麺+スープを入れて、
フライパンで用意した具材を盛り付けて終了。
わたしの作成時間は八分程度でした。

ふたつの丼が並びます。

「こちらのほうがおいしそうですよ」
執事は胸を張って、シェフが作ったラーメンを
オレたちのほうへ押しやりました。
「じゃあ、メイドさん、食べてみてよ」
オレの勧めでメイドさんが一口すすります。
チャーシューを食べ、スープを飲んで、
「うん、この味」と納得しました。
「ご主人様もどうぞ」
わたしもシェフ制作のラーメンを食べて、
「うん、まあ、初めてにしてはよくできてるよ」と感想を述べました。
シェフが不快げに眉を顰めます。
「これが正しい作り方ですよ? おいしいの間違いでは?」
「じゃあ、オレのラーメンも食べてみてよ」
とオレは言いました。

オレのラーメン。
具材は厚切りのネギ+厚切りのベーコンを手早く炒めたものです。
その下に眠っているのは、
「なんか、麺の感じが違いますね」
メイドさんが箸で引き揚げた麺を眺めて言いました。
「そう? まあ、食べてみてよ」
「……なんですか、この麺は」
いち早く、シェフが違和感に気付きました。
「歯ごたえが違う」
「そりゃそうだろうね」
わたしは答えます。
「オレのほうが麺のちぢれがしっかりしていて、
コシがあるだろ。
一度ゆでたものを冷たい流水でしめてるからね。
コシが出るのさ」
「この麺、ベーコンとネギにすっごくよく合いますね!」
メイドさんが感嘆します。
「スープを飲んでみてよ」
オレの指示でメイドさんはスープを口に含みます。
「あ、なんかさっきの丼とは味が違う。
もっとあっさりしていて、塩味が濃い感じ」
「麺をゆでたお湯でスープを作るとどうしても濁る。
塩味本来のあっさりとした・でもブレない塩味を出すために、
スープは麺とは別に作る。これオススメ。
最後にしめた麺をさっと熱いスープに入れれば、味はしみる。
どう、ネギとベーコンの風味に、塩味が合うでしょ」
「すっごい、おいしいー」
メイドさんが率直な感想を述べます。
シェフはさもいやそうにオレのラーメンを食べ、
「……中華の白湯スープに似ていますね。
あっさりしているけど、コクがある。
スープと麺、炒めたネギとベーコンとの相性もいい。
おいしい、です」
と悔しげに、本当に顔をゆがめて、超くやしげに認めました。
「で、執事はどうなわけ?」
「……皮肉にも、シェフが作ったほうが
わたしが考えてたインスタントラーメンの味ですね。
ご主人様の作られたラーメンは、予想外です」
「予想以上、の間違いだろ」
「……予想以上、です」
「はい、感想は?」
「……お、おいしい、です」
執事も屈辱に顔をゆがませて言いました。
オレとメイドさんは手を取り合ってジャンプしました。

「やった、勝った!」
「インスタントラーメン万歳!」
くるくるとオレとメイドさんは踊ります。
「インスタントラーメン、深い……」
シェフが床にへたりこんでつぶやきます。
「あなどりがたし……」
「もちろん、パッケージの裏通りの作り方をしても、
おいしいよ!」
オレは言います。
「ただ、オレは膵臓が弱いから、油もの弱くて、
自分なりに油揚げ麺の食べ方を工夫したら、
こういう作り方にいきついたわけ。
ノンフライ麺だったら、こうは作らないよ」
「インスタントラーメンは麺に種類があるんですか」
「あるよ、もちろん。日進月歩の業界だからね。
もっと生麺っぽいのもあるよ。
焼きそばなんかは流行もあるしね」
「なるほど」
シェフは胸元からメモ帳を取り出して、
なにやら猛烈な勢いで書き始めます。
その横で、執事が立ち尽くしてしました。
オレは言いました。
「完全勝利だな」
「……――今回は、譲りましょう」
執事が不承不承、言いました。
「次回は絶対に負けません」
「てことは、またインスタントラーメンが出てくるんだな。
よりおいしい形で。
やったあ!」
オレは喜んで言います。
「おいしいインスタントラーメン、食べられるんなら、
オレは負けても全然気にしないからな!
負けても勝ったようなもんだ」
「……ご主人様」
「なに?」
「勝っても負けても、ご自分の勝ち。
インスタントラーメンを食べられるから、損はしない。
そういう対決になっていた、ということですか」
「そうだよ」
オレはあっさり肯定しました。
「おまえらが対決を受けた時に、もう、オレの勝ちが内定してたんだよ!」


以上、ホラ七割程度で。
インスタントラーメンはパッケージ通りの作り方でも、
もちろん、おいしいです。
そこは強調させてください。
オレは、サッポロ一●の公式の作り方を否定してるわけじゃありません。
普通の作り方しても、
アレンジしても、おいしいです。
どっちの味もオレは好きです。
今回は対決になったから、シェフとおんなじに作ったら負けるだろうと、
アレンジバージョン出したけど、
パッケージ通りの作り方で食べることも、あります。
あのスープが飲みたくなってね。
インスタントラーメン、おいしいよね!
鍋でゆでるインスタントラーメンも、
お湯を注ぐだけのインスタントラーメンも、大好きです!
食った後に、腹痛でのたうち回ることもあるけど、
まあ、そんなことは、小さな問題だよね!
ブログランキング参加中にて、
「ああなんか、インスタントラーメン食べたくなってきた」って方、
「おいしそう」と思われた方、
「たまにはいいよね」と思われた方は下記をクリック。
にほんブログ村 その他日記ブログ たわごとへ
にほんブログ村
これでウチの食卓にもインスタントラーメンが並びます。
だったら、次回以降、シェフとの対決に負けても、
オレの勝ちみたいなもんだよね。
試合で負けても、勝負は勝ち、みたいな。

« 喧嘩しました。 | トップページ | 再始動なんですか、そうですか。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/60424047

この記事へのトラックバック一覧です: 決戦! 煮えたぎる鍋!:

« 喧嘩しました。 | トップページ | 再始動なんですか、そうですか。 »