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2014年8月 3日 (日)

お約束を超えたお約束。

前回までのあらすじ:

 八月の第一週に中小企業診断士を受験する男爵。
 勉強嫌い、努力大嫌いな性格ゆえに
 受験勉強に七転八倒。
 しかも数字に興味がない人生なのに、
 がっつり数字と数式に挑む科目が二科目もある!
 それ以外にもハンパない記憶や理解が要求されるよ……!
 それなのに残り時間はもうない。
 どうする、男爵……?!


八月の第一土日、もうすぐ終わりますね。
オレの運命も終わりますね。
では、木曜日から順に状況を報告いたします。

七月三十一日、木曜日。
オレの人生にいよいよエンドフラグ。そんなことを考えながら、
勉強の追い込みをしていた木曜日。
でも追い込みしてても、ソワソワしてて
ぜんぜん頭にテキストの内容が入らない。
だって、あと二日でオレの人生と
蔵書の行方が決まってしまう。
(合格のめどが立たないと蔵書は売却される)
うわああ、どうなっちゃうの、オレ?!
もう嫌な予感しかしない、いやな予感しかしないよー!

八月一日、金曜日。
試験はもう明日だよ、
追い込み最終日だけど、
これからオレと蔵書はどうなっちゃうのか、もう気がかりで、
勉強どころじゃないよ。
ええーん、大人になってから、あんまり泣いてないけど、
(たまに泣く)
今回はマジで泣きたい気分だよー!!
明日、明日には運命が決まってしまう。
ああもう、本当に、どうしたらいいんだよー!
教えて、偉い人!

金曜日の夜。
中小企業診断士の試験は土日をフルに使って行われる。
従って、前日に夜更かしするのは、
体力的・精神的な意味から自殺行為と思われる。
オレは泣きながら、筆箱、時計、受験票の用意を始めました。
受験票には写真を貼らねばならぬ。
「おい、執事、オレは荷造りで忙しいから、
写真票にこの写真、貼っておいて」
乗換案内を検索しながら、オレは執事に命じました。
「かしこまりました。
明日は何時に会場に着かれる予定ですか」
「試験が十時からだから、九時には着いていたい。
電車遅延とかあったら困るし」
「さようでございますね。
写真はこちらの証明写真でよろしいでしょうか」
「そう、それ。貼っておいて」
執事は受験票を手に取り、めくって、
写真票を探しました。
そして。

「ご主人様」
「なんだよ、オレ、いま忙しいんだよ。
大した用じゃなかったら、明後日以降にしてくれよ」
「いえ、重要な用件だと存じますが」
「なんだよ、写真がおかしかったとか?
仕方ねえだろ、こういう顔なんだから。
どういうふうに誰が撮影しても、
キアヌ・リーブスにはならねえんだよ」
「いえ、そういうことではありませんが」
執事は妙な風に顔をゆがめました。
なんだ? 泣いてるの? 笑ってんの?
「そんなに変顔か、オレの顔は。
もういっそ、変なら変だって言ってくれたほうが
気が楽なんだけど。
あいまいに気遣われてオブラートに包まれると
そのほうが傷つくんだけど」
「変、ではありますね。おかしいです」
「おいおい、直球だな。
それはそれで傷つくぞ」
「申し訳ありません、前々から感じておりました」
「前々から? くっそ、けっこう傷つくな、やっぱ」
「お顔のことではありません」
執事は言いました。
「は?」
オレは聞き返します。
「顔じゃなかったら、なにがおかしいんだよ?
等身か? オレが八等身じゃないのがおかしいのか?
足が短くてすんませんね、
どうせモデル体型じゃねえーよ。自覚してるよ、これでも」
「いえ、身体のことではありません」
「なんだよ、もったいぶって。
身体じゃなかったら、いったいなんなんだよ」
オレは乗換案内の検索を途中でやめて、
執事のほうに向き直りました。
執事の手が受験票をかざします。

「こちらの受験票には、試験日は、
八月の 九日、十日 となっておりますが?」

「ふーん、それがどうしたって……はいいいっ?!」
オレは目をいっぱいに見開きます。確認しました。
「明日は八月の何日だ?!」
「八月二日、明後日の日曜日は三日でございますね」
「え、どういうこと」
執事は咳払いして、またあの泣き笑いのような表情を浮かべました。
「結論から申し上げます。
ご主人様は、受験日を一週間勘違いされていました」
「はああああああ?!!」
仰天するわたし。愕然とするわたし。
茫然とするたし。

「やっぱり、ご主人様はご主人様でいらっしゃいますねえ」
執事は冷静に言いました。
「受験日を一週間勘違いされていて、
それに前日まで気づかないなど、
常人の神経ではありえません。
乗換案内まで検索されていて、
気づかないなど。
本当に、ありえないですよ、受験生としても」
「え、だって、去年は第一土日だったし!」
「普通、受験票が来た時に確認しませんか、
試験日くらい」
「いやオレは、もうずっと八月の第一土日が
試験日で固定されてるんだとばっかり」
「まあ、前日にわたくしが気付いてよかったですねえ。
さもなければ、ご主人様は明日、
乗換案内で一時間前に無人の試験会場に到着し、
誰も来ない会場で試験の時間を過ごすことになっていたでしょう」
「ありえんのか、こんなことが?!」
「それはわたくしの台詞でございます」
執事は慇懃無礼に低頭しました。
「試験日を間違えるなんて、
本当に、ご主人様はお約束を超えたお約束をなさいますねえ」


以上、ホラ一割程度で。
つーわけで、
オレの死刑執行日は一週間のびました。
つかさ、このブログ、
誰も読んでないわけじゃない(と思う)から、
ひとりくらい、
「男爵さん、試験日、間違ってますよ」って
コメントしてくれてもいいじゃんね!
オレは人間不信に陥りそうですよ! って執事に言ったら、
「他人より先に、ご自分を信じないほうがよいのでは?」とか
全開の嫌味を言われました。
あの妙な泣き笑いの表情は、
泣き笑いではなく、爆笑をこらえていただけだったのでした。
うるせえ、人間、勘違いのひとつやふたつ、あるよ!
それが年に一回しかない試験でも!
オレを見る執事の眼がすげえ冷たかったよ。
なんつーか、ム●カ(ラピ●タ)が虫けらをみるよーな目だった。
君もいまそんな目をしてるのかな?
だとしたら、男爵はとっても悲しいよ!
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ホント、もう何を信じたらいいのか、わからんわ(受験票を確認しろ!)

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