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2014年8月

2014年8月31日 (日)

喜怒哀楽。

どうもこんにちは、黒羊男爵です。
とりあえず入院していません。
自宅におります。
検査結果待ちで、持病がもう一個増えそうですけど、
まあ、そんな日もある。

ところで、今日は最近の男爵の
喜怒哀楽について語りたいと思います。
みんなは共感してくれるかな?
それとも「ありえねえよ、おまえ」って思っちゃうかな?
最後にジャッジしてみてね!

――

その一:喜:嬉しかったこと

ガシャポン(正式名称不明)にて、大金1000円を投入し、
ダイスキな「鬼●」「白●」をゲット!
犬猿の仲、出会えば殴り合ってる二人を
デスク上にあえて5ミリ間隔で並べました。
うん、この距離感、いいね!
●灯様の「あぁあ?」という言葉が聞こえてきそうです。
ちなみに、●澤さんは「吉兆のしるし」なんですが、
あんまりいいことが本人には起きてない気がする。
ウチじゃあ、鬼●と並べられちゃったしね!

――

その二:怒:腹が立ったこと

可燃ゴミの日にゴミ捨て場に
近所のスーパーのカゴ+カートが一式
捨てられてました。
まず、スーパーのカゴ+カートを盗むような行為が嫌いだし、
(ウチでやったら、おばあさまに半殺しにされる)
(そもそも窃盗だろ)
第一、カゴ+カートは可燃ゴミじゃない。
何重にもアウトです。
オレは一日、気分悪くて機嫌悪くなりました。

――

その三:哀:悲しかったこと

広島と福島。
いまだ癒えない惨状に涙が出ました。

――

その四:楽:楽しかったこと

先日、妖怪友達の一反木綿と新宿の高層ホテルの
最上階のバーへ飲みに行きました。
季節がら、アンニュイになる一反木綿を慰めつつ、
楽しく時間が過ぎました。

え、どうして一反木綿が秋になるとアンニュイになるのかって?
それは肌寒くなってくると、
みんな毛織物を着るようになるからです。
「オレは一反麻じゃないから、木綿だから、
まだ着てもらえるけど、
下着が多くなるんだよね。
なんだか存在意義が軽くなる気がしてさ」とのことでした。
じゃあ、毛織物になりたいの? と訊くと、
「いや、それはそれで夏になれば、しまわれちゃうし。
どうしても衣類系の妖怪は、
衣替えの季節って、アンニュイになっちゃうよな」と言われました。
以前、塗り壁と話したときは、やっぱ、
「梅雨時、憂鬱だなー」と言ってました。
カビる危険があるから、だそうです。

妖怪にもいろいろ悩みはあるらしいです。
人間から見たら、
お気楽そうに思えるけど、本人には真剣な悩みだよね。
かといって、真冬に木綿一枚じゃ過ごせないので、
「ごめん、オレももうすぐ衣替えしちゃうわ」と告げました。
一反木綿は悟ったように片手を振って、
「うん、わかってるから。大丈夫だから」と言って、
ドライマティーニを飲んでました。
やつは男前ですね。カッコイイ妖怪です。
女子受けがいいのもわかる気がするわ。

――

以上がここ最近の男爵の喜怒哀楽でした。
一反木綿と飲みに行ったのは
本当に楽しかったなあ。
気が合う友達っていいよね。

あ、あと最近 ラッキーだなって思ったことは、
「出がけに携帯電話を忘れそうになって思い出した」
「出先で携帯電話を忘れそうになって思い出した」です。
思い出せてラッキーだった。
これを「二回も忘れそうになるなんて、アンラッキー」と思っちゃう思考回路だと、
人生が5割増しで重くなります。
こういうのは、ラッキーって思わないとね。
てか、オレの場合、意地でも「ラッキー」にもっていくけどね。
アンラッキーなんて考え始めたら、
そもそも生まれたことがもう「アンラッキー」になっちゃうよ、究極的には。
へこむこともあるし、
腹を立てることもあるけど、
でも「ラッキー」は忘れないでいたいです。そういう心意気。


では本日は、ホラ三割程度で。つまさきが浮く程度のホラで。
ちなみに、オレが今まで話したことがある妖怪は、
 ・ぬらりひょん(茶飲み友達)
 ・塗り壁(代理で除湿剤を買ってあげた)
 ・一反木綿(飲み友達)
 ・露流し(けっこう友達)
 ・雨ふらし(なぜか気に入られている)
 ・座敷童(幼馴染)
 ・麒麟(よっぱらってるところを保護した)
くらいですかね。
麒麟は、かなり泥酔してました。
「オレ、こんな顔じゃない」って言いながら、
手酌でビールを飲んでました。
いや、そっくりだったけど。
あのまんまでしたけど。
座敷童はちょっとした騒動に巻き込まれて、
我が家から出ていきそうになりましたが、
オレの機転で無事落着し、いまもウチに住んでます。
たまに夜中の台所で会います。
最近はプリン作りにハマってるって言ってました。

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いろいろあるけど、人生、楽しいほうがいいよね。(力技でも)

2014年8月24日 (日)

動け。

どうもこんにちは、黒羊男爵です。

昨夜、寝付けずにベッドの天井を見上げていたオレは、
天井から水色の煙が漂いだし、
象みたいな形になるのを目撃しました。

ああ、あいつか。

妖怪です。妖怪友達の露流しがやってきたのでした。
露流しは見た目、空色の象みたいな妖怪です。
好きなものは和菓子。
そして、苦い涙。
獏(バク)が悪夢を食べるように、
露流しは人間の涙を食べる妖怪なんです。
正確に言うと、涙の重さを食べ、
一晩 その人が眠ることができるようにしてくれる妖怪です。
(前回 露流しがやってきた時の日記は下記)
http://blacksheep.txt-nifty.com/blog/2013/02/post-a866.html

そんな妖怪が、
「……なんでよりにもよって今日来たんだよ」
オレはぶっきらぼうに言いました。
「いま和菓子ねえぞ」
露流しは穏やかに言います。
「違うよ、涙にひかれてきたんだよ」
「うっさいわ」
オレはごしごしと目元をこすりました。
露流しは静かに言いました。
「幸せな涙は辛くて苦くてまずい。
不幸な涙は甘い。
君、どうして甘い涙を流していたの」
「……うっさいわ」
「うるさくないよ、友達だよ」
「……うっさいわ」
そうもう一度言ってから、オレはむくりと起き上がり、
「ごめん」
と露流しに頭を下げました。
いまのは、オレが悪かった。
露流しは友人のオレを心配しているだけなんだから。

「どうしたんだい、こんなに甘い涙は久しぶりだよ」
また持病が増えたの?
露流しが訊いてきたので、
「いまさら持病くらいでは泣かない」
とオレは答えました。
「持病は死ぬまでオレが抱えるものだ。
死ねばなくなる。百年後にはない。
それくらいで、泣かない」
「じゃあ、どうしたの」
「……無力と非力の差について考えてた」
「無力と非力の差?」
「似てるけど、ぜんぜん違う」
オレは露流しに洗いざらい話すことに決め、
話し始めました。

「昨日の夜、子猫の声がしたんだよ」
うちの屋敷がある住宅街のすぐそばから。
「気になって見に行ったんだ。
飼うことはできないけど、
保護することや病院に連れていくことはできる。
オレは非力だけど、無力じゃない。
そう思ってた」
「うん」
「そしたら、ある家から主婦が一人出てきて。
やっぱ鳴き声気になるからって一緒に探し始めて」
「うん」
「子猫の居場所を突き止めたんだけど、
その子猫が隠れてる物置がある庭に入るには、
住民の許可が必要だからって、
主婦がその家をピンポンして」
「うん」
「そしたら、またひとり主婦が出てきて。
で、主婦の輪が広がって、どんどん、
知り合いの近所の主婦が出てきて、五、六人は出てきて」
「うん」
「最後には、主婦に連れられて、子供まで何人も出てきた。
『子猫―?! どこー?!』とか子供が喚きだして」
「うん」
「子猫がおびえてパニックになって」
「うん」
「オレは落ち着かせて、捕獲しようとしたんだけど、
子猫、もうわけがわからなくなってて。
追いつめられて、夜の住宅街を走り去ってしまったんだ。
捕まえることはできなかった」
「うん」
「最近、暑いだろ。
今日だって三十度以上あっただろ。
こんな暑い中、あんな小さな子猫が
隠れる場所もなくして、生きられるわけがない。
そう思ったら、なにもできなかった自分に
腹が立って、腹が立って。
オレは非力だと思ってたけど、
それは思い上がりで。
結局、無力で」
オレは自分の両手を眺めました。
「あのとき、子猫が走り去るとき、
手を伸ばせばよかった。
もっと積極的に捕まえようとすればよかった。
落ち着かせてとか考えずに。
オレは肝心な時に動かなかった。
……動かないのは、駄目だ」
オレは目頭を拳でこすりました。
「結局、非力と無力の差って、
動くか動かないかなんだ。
その程度の差なんだ。
だったら! オレ動けよ! って話だよ!
てか、なにを茫然と見送ってんだよ、
動けよ!」
オレは最後はもう、涙混じりに怒鳴りました。
「それでずっとひとりで泣いていたの」
露流しはじっとオレを見つめました。

露流しは言葉をつづけました。
「それは確かにそうかもしれない。
非力と無力の差は、
動くか動かないかの違いなのかもしれない」
露流しは言いました。
「けど、そうやって自分だけ責めるのもよくないよ。
だって男爵はまさか主婦がそんなに何人も出てくるなんて、
思わなかったんでしょ」
「……うん」
「まさか子供まで出てくるなんて、思わなかったんでしょ」
「うん、子供が出てきて、子猫が隠れてる物置を
バンバン叩くとは思わなかった」
「僕は言うけど、友達だからじゃなくて、
客観的に言うけど、
そんな状況でちゃんと子猫を捕まえられるほうが
無理があるよ。
たぶん、誰にも無理だよ、その状況で捕まえるのは」
「けど、オレが動かなかったから、
可能性がゼロになったんだ!
動けば、まだ可能性はゼロじゃなかった!」
「主婦たちはその間、何してたの」
「普通に、子供放置して輪になって世間話してた」
「僕、思うけど、その子猫のこと、
こんなに気にしていたの、男爵だけじゃないの。
主婦たちは珍しいから出てきただけで、
助けようとしてたの、男爵だけじゃないの」
「……そうかも、しれない」
「男爵、悪くないよ」
「でも、オレは無力だった、悔しいし、腹が立つ!」
「仕方ないひとだなあ」
露流しはなぜか少し笑いました。
「男爵は、欲張りなんだねえ」
「欲張りでもいい、子猫を助けられるんなら」
畜生、とわめいて、
オレは枕に顔をうずめました。
駄目だ、やっぱり涙が出てくる。

「執事さんはこの件について、なんて言ってたの」
露流しが尋ねてきたので、
オレは答えました。
「きっとあれから逃げ込んだ先で、保護されてるって。
いいひとがいて、ちゃんと子猫を助けてくれるって」
「僕もそう思うよ」
「そんなん理想論だろ! 気やすめだろ。
世の中 そんなに甘くねえよ!」
「君の涙は甘いけどねえ」
露流しは長い鼻をのばして、
ふんふんと空気の匂いを嗅ぎました。
「君さあ、前回来た時に
今度はとびっきり苦い、幸せな涙を用意するよって、
言ってくれたでしょ。
駄目じゃない、こんなに甘くちゃ。
約束破りだよ」
「うっさいわ」
オレは枕を離して怒鳴ります。
「好きでこんなに無力感に打ちのめされてるんじゃねえ!
オレの馬鹿、ホント、オレの馬鹿!
動けっての、どうしようとか考えるより動けっての!
動かねえなら、どんなごたく並べても、
無駄無駄、無力なんだよ、畜生」
「じゃあさ、こういうのはどう?」
露流しは鼻を揺らして耳を広げます。
「もし君をぼくが喜ばせることができたら、
君はとびきり苦い、幸せな涙をくれるかい?」
「そんなんできたらな!
いくらでも出してやるよ! できんけどな!」
「ふふふっ」
露流しはちいさく笑って、話し始めました。

「今日は夕方 雨が降ったでしょう」
「降ったね」
「僕は気分がよくて、ここの近所の雨上りの道路を歩いていたんだよ」
「え、おまえ、道路歩いたの? 大丈夫か」
と言って、オレは、ああ、そっかと納得しました。
妖怪は見える人にしか見えない。
この派手な空色の象も、見えない人には見えない。
露流しは続けます。
「そしたらね、いたよ」
「なにが?」
ぽかんとするオレに露流しは目を細めて笑いかけました。
「ちっちゃなピンクの首輪をした子猫がね、
道路に沿って歩いて、角のあの家へ入っていったよ。
ねえ、こんな頻繁にこの場所で子猫が出現するわけないから、
あの子は、きっと男爵が捕まえ損ねた子猫だよ。
いまはもう、ちゃんと家があって、
家族がいるんだよ」
「……その話、マジか」
「マジマジ」
「そっか」
あの子猫、死ななかったのか。
助けてくれる人がいたんだな。
オレは何もしてないけど、
オレは今回 ホントに無力な役立たずだったけど、
でも、ハッピーエンドになったんだな。
胸の内側が温かくなりました。
よかった、本当によかった。
ぽろりと涙の粒が手元にこぼれました。
「約束」
と言って、露流しが鼻を伸ばしたので、
オレも笑いながら「ほらよ」と、
最後に流した涙をのせた拳を差し出します。
露流しは拳から鼻で何かを吸い込んで、
その鼻を口元に持っていってモグモグと口を動かし、
「苦いなあ、まずいなあ」
と言って、笑いました。
「うん、やっぱり涙はまずいほうが
僕は好きだな」
「物好きだな、おまえ」
「男爵もだよ。見ず知らずの子猫一匹のために
すっごくたくさん泣いたじゃない」
「知らないな。オレはそんな泣いたりしてねーよ。
なにせ、冷たい人間だからな」
「ふふふっ」
露流しはオレと目を見合わせて笑うと、
天井のほうへ浮かび上がりました。

「じゃあ、またね。
また、まずい、とびっきりまっずい涙を飲ませてね」
「おう」
オレはけろっとした顔で手を振りました。
バイバイ、と露流しが消えていきました。
直後に、
「失礼いたします」
ノックとともに、執事がやってきました。
「ご主人様、昨夜の子猫でございますが、近所の話によりますと」
「ああ、角の家で飼ってもらえることになったんだろ」
「ご存知でしたか」
執事は驚いて、
「ですが、ご主人様は今日一日、
寝室に閉じこもっておられたのに、どうしてご存知なのですか」
と訊きました。
オレは布団を引き上げて、横になりながら、
「さあね」
と答えました。
妖怪たちは時折我が家にやってきて、
世間話をしたり、おやつを食べたりします。
オレは妖怪が大好きです。
なんつーか、やつらのゆるさが好きです。
でもなによりも好きなのは、
「こっそり、友達が教えてくれたんだよ」
やつらがオレの友達だからです。


以上、ホラ三割程度で。
真実が混じってることが驚きの場合もありますね。
ですが、非力と無力の差って、
行動するかどうかだと思います。
もちろん、行動する以上は、ちゃんと責任取ろうね!
責任取らないのに行動するのは、
ただ状況を悪化させるだけだからね!
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あなたがひとりで泣いていたら、
きっと露流しがやってきて、
涙の重さを吸い取ってくれるでしょう。
やつはそういう妖怪です。

2014年8月17日 (日)

花火のような人生。

前回までのあらすじ:
 今年の夏、中小企業診断士(経営コンサルの資格)を
 無謀にも(お小遣いに目がくらんで)受験した男爵。
 ちなみに、合格のめどがたたないと、
 罰ゲームとして、男爵の秘蔵の蔵書が売られてしまいます。
 さていよいよ、受験した六教科の正解と配点が発表されたが、
 果たして、男爵の合否は……?!

「首の皮一枚、というところだな」
S先生がいいました。
わたしは床に正座して自分の答案の採点結果を
死刑の判決を待つ罪人のような気分で待ちます。
「皮一枚、ということは、
わたしはかろうじて一次試験は合格できたってことですか?」
はかない希望に顔を上げると、
S先生のピンヒールが正座の膝に突き刺さりました。
S先生はそのまま私の膝を踏みにじります。
「ずうずうしい。この点数で、よくも、そんなことが言えたな!」
S先生の手から採点結果がひらひらと落ちます。
わたしは四つんばいで紙をかきあつめ、
採点結果を確認しました。

 経済学・経済政策:32点
 財務・会計:24点
 運営管理:49点
 経営法務:42点
 中小企業経営・中小企業政策:59点

そして。

 企業経営理論:63点。

「やった! 1科目合格してるうううう!」
科目合格は基本60点以上です。
あくまでも上記は自己採点なので、
正確な合否は通知を待つしかないのですが、
それでも、
「よかったあああ! やっぱ、オレってついてるうう!」
「この愚か者!」
S先生が勢いよく私の顔をビンタしました。
片道のビンタでは足りず、往復ビンタされます。
「こんな悲惨な状況でよく合格などというセリフが出てくるな。
一次試験合格にはまったく、ぜんぜん足りていない!
おまえは何年がかりで中小企業診断士をとるつもりだ?!」
「え、でも、ゼロじゃなかったんですよ、
こんだけアウェイな環境で、
体調最悪で、熱があるフラフラな状態で受けたんですよ、
台風だって来てたんですよ。
1科目合格できるだけでもラッキーじゃないですか」
「楽観主義にもほどがある」
S先生はスーツのポケットから1枚の紙を取り出します。
わたしによく見えるように突きつけてきました。

「なんですか、この紙……って、これ、オレの蔵書の買取見積書?!」
古書店の名前入りの見積書でした。
全568冊、オレの全蔵書の買取金額が明示されています。
「えええええ! やっぱ、売られちゃうんですかああ?!」
オレは絶望のあまり、頭を抱えてゴロゴロ転がります。
「一生懸命、頑張ったのに! 寿命だって縮んだと思うのに」
「頑張っても成果がなければ、意味がない」
S先生は今日もS絶好調です。
石の下のダンゴムシを見るような目で
苦しむわたしを眺めます。
「というわけで、売却決定だ」
「いやあああああああ!!」
わたしはもうマジ泣きです。
プライドも捨ててS先生にすがりつきます。
「どうかお情けを、お情けを」
「鬱陶しい。すでに買取主も決まっている。
言いたいことがあれば、買取主に言うんだな」
「なんで、どうして!
いったい誰ですか、オレをこんなに苦しめるのは!」
S先生がふふふと笑いました。
不吉な感じで、唇を三日月の形に吊り上げて笑いました。

「え、ホントに、誰なんですか……買取主は……」
オレはもう、嫌な予感しかしない、
嫌な予感しかしない!
「まさか、オレの知ってる人ですか?」

「そうだ、おまえもよく知っている人物だ」
「え……まさか」
わたしは背後で一部始終を目の当たりにしながら、
いっこうに助けてくれない執事を振り返ります。
「まさか、おまえ、とか?」
「さようでございますね」
「ウソォオオオ?!」
絶叫するわたし。再度頭を抱えて転げまわるわたし。
そのさまを眺めて、執事はふっと笑い、
「はい、嘘でございます、わたくしではありません」
と言いました。
「なーっ?!」
オレは安堵と恐怖をいったりきたりして、
ボロ布のように疲れ切って、床に転がります。
その様子を見てS心が満足したのか、
S先生が衝撃の正解を発表しました。

「お前の蔵書は本日付でおまえの祖母、
つまりわたしのクライアントに売却された」
「はいいいいぃ?!」
オレは茫然とS先生を見つめます。
「お、おばあさまが?!
なんでそんなことを?!」
「おもしろいから、だそうだ」
「……なんという鬼畜……」
オレの全蔵書、オレの生命線がいま、
おばあさまの手にがっちりと握られてしまいました。
S先生はなおも言います。
「伝言をことづかっているが、聞くか?」
「いいです、けっこうです!
どうせろくでもないことなんでしょ!」
「では発表する。
来年こそ、合格のめどがたたないと、
おまえの蔵書、もとい、クライアントの蔵書になった本は
燃えるゴミの日に全部出されるそうだ」
「ええええ! ぜんぜん状況がよくなってないじゃないですか!」
「あ、いや、間違った、廃品回収の日だったかな」
「どっちも同じでしょ!」
つっこんで、わたしは床にぺったりと座り込みます。
ああああ、なんということだ。
つまり、もう1年、勉強しないといけないということだ。
まだ頑張らないといけないらしい。

「花火みてえな人生だな……」
思わず、ため息が漏れました。
ドンと打ち上げられて、パッと咲いて、そして、
「散ってるし……」
今年は散りました。見事に散り終わってしまいました。
S先生とのご縁もまだ切れないようです。
また1年、初心に帰って、勉強勉強ということですね。


以上、ホラ9割程度で。山盛りで。
え、9割ってことは、男爵、本当は合格したの?
それは秘密です。
とりあえず蔵書はゴミに出されていないとだけ
お伝えいたしましょう。
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真実は、オレの胸の中にだけあります。
って、格好つけて言っても、
散ってしまった花火は、煙となって流れるだけだわ。
え、てことはやっぱり、落ちたの?
それは聞かぬが花というやつです――花火だけに。

2014年8月10日 (日)

ヤッちまった。ようです。

前回までのあらすじ: 
 今週の土日、中小企業診断士を受験した男爵。
 合計6教科、長い2日間を過ごした男爵だったが、
 はたして、試験のできばえは……?!

オレはまた、ヤッちまった。ようです。
一番苦手の経済学と財務会計という
数字系の2教科。
自己採点してみたけど、
最低の足きりライン=40点に届いていないっぽい……。
てか、30点とれているかどうか……。
うわああああ、大惨事!
いくら苦手とはいえ、これは、これはいけないよ!
1年勉強してきて、これはいけない!
大人として、いかがなものかと思うよ!

他の教科も、「大丈夫、問題なし」というのはない。
てか、得意のシステム系は去年合格しちゃったから、
もう苦手の、アウェイの科目しかない。
アウェイ感ハンパない。
正解と配点が発表される日のことを考えると、
悪寒と吐き気がする。
試験の2週間前から体調が悪くて、
ろくに勉強できなかったとしても、
ううーん、うえーん、
言い訳になるのだろうか。
果たして、合格のめどが立たなかった場合、
オレとオレの蔵書はどうなってしまうのだろうか?
S先生は「売却する」って言ったけど、
マジでか?
ああもう、なにをどうしたらいいのか、わかんないよー!
てか、もう、なにもどうにもできないよー!
(試験は終わってしまったので)
すべては正解発表の日にかかっている。




以上、ホラ1割程度で。
つかさ、もうさ、
「試験前に体調を崩す」
「試験日を1週間勘違いする」
「自己採点した教科は全部ダメ」
ときたら、コントだよね。
むしろもう、
わざと狙って、この点数を取りに行ったの? って感じだよね。
そうじゃなきゃ、ありえないでしょ、
この超低空飛行の点数は!
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「男爵、やっぱヤッちまったか……」
「こんなことになるだろうと思っていた」
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人間、わかってても避けられない危険ってあるんだよ。
人生には、逃げられない冒険があるの。
たとえば、
好みの子がひとりもいない(けどツーショットを強制される)合コンとか、
コネが逆方向に作用して断れない入社試験の圧迫面接とか、
腹が下ってるのにトイレが遠いとか
(乗ってるのが急行列車でトイレがある駅が車窓を過ぎ去っていく)、
飲み終わった瞬間に賞味期限切れだったとわかる牛乳とか、
久しぶりの雪に興奮してダイブしたら雪が浅くて顔面を痛打したとか、
いろいろ、いろいろあるの!
え、どれがオレの実体験かって?
そんなの、こんな公共の場で言えるわけないでしょ。
武士の情けでお察しください。
お察しくださいませ!(男爵、泣きながら叫ぶの巻)

2014年8月 3日 (日)

お約束を超えたお約束。

前回までのあらすじ:

 八月の第一週に中小企業診断士を受験する男爵。
 勉強嫌い、努力大嫌いな性格ゆえに
 受験勉強に七転八倒。
 しかも数字に興味がない人生なのに、
 がっつり数字と数式に挑む科目が二科目もある!
 それ以外にもハンパない記憶や理解が要求されるよ……!
 それなのに残り時間はもうない。
 どうする、男爵……?!


八月の第一土日、もうすぐ終わりますね。
オレの運命も終わりますね。
では、木曜日から順に状況を報告いたします。

七月三十一日、木曜日。
オレの人生にいよいよエンドフラグ。そんなことを考えながら、
勉強の追い込みをしていた木曜日。
でも追い込みしてても、ソワソワしてて
ぜんぜん頭にテキストの内容が入らない。
だって、あと二日でオレの人生と
蔵書の行方が決まってしまう。
(合格のめどが立たないと蔵書は売却される)
うわああ、どうなっちゃうの、オレ?!
もう嫌な予感しかしない、いやな予感しかしないよー!

八月一日、金曜日。
試験はもう明日だよ、
追い込み最終日だけど、
これからオレと蔵書はどうなっちゃうのか、もう気がかりで、
勉強どころじゃないよ。
ええーん、大人になってから、あんまり泣いてないけど、
(たまに泣く)
今回はマジで泣きたい気分だよー!!
明日、明日には運命が決まってしまう。
ああもう、本当に、どうしたらいいんだよー!
教えて、偉い人!

金曜日の夜。
中小企業診断士の試験は土日をフルに使って行われる。
従って、前日に夜更かしするのは、
体力的・精神的な意味から自殺行為と思われる。
オレは泣きながら、筆箱、時計、受験票の用意を始めました。
受験票には写真を貼らねばならぬ。
「おい、執事、オレは荷造りで忙しいから、
写真票にこの写真、貼っておいて」
乗換案内を検索しながら、オレは執事に命じました。
「かしこまりました。
明日は何時に会場に着かれる予定ですか」
「試験が十時からだから、九時には着いていたい。
電車遅延とかあったら困るし」
「さようでございますね。
写真はこちらの証明写真でよろしいでしょうか」
「そう、それ。貼っておいて」
執事は受験票を手に取り、めくって、
写真票を探しました。
そして。

「ご主人様」
「なんだよ、オレ、いま忙しいんだよ。
大した用じゃなかったら、明後日以降にしてくれよ」
「いえ、重要な用件だと存じますが」
「なんだよ、写真がおかしかったとか?
仕方ねえだろ、こういう顔なんだから。
どういうふうに誰が撮影しても、
キアヌ・リーブスにはならねえんだよ」
「いえ、そういうことではありませんが」
執事は妙な風に顔をゆがめました。
なんだ? 泣いてるの? 笑ってんの?
「そんなに変顔か、オレの顔は。
もういっそ、変なら変だって言ってくれたほうが
気が楽なんだけど。
あいまいに気遣われてオブラートに包まれると
そのほうが傷つくんだけど」
「変、ではありますね。おかしいです」
「おいおい、直球だな。
それはそれで傷つくぞ」
「申し訳ありません、前々から感じておりました」
「前々から? くっそ、けっこう傷つくな、やっぱ」
「お顔のことではありません」
執事は言いました。
「は?」
オレは聞き返します。
「顔じゃなかったら、なにがおかしいんだよ?
等身か? オレが八等身じゃないのがおかしいのか?
足が短くてすんませんね、
どうせモデル体型じゃねえーよ。自覚してるよ、これでも」
「いえ、身体のことではありません」
「なんだよ、もったいぶって。
身体じゃなかったら、いったいなんなんだよ」
オレは乗換案内の検索を途中でやめて、
執事のほうに向き直りました。
執事の手が受験票をかざします。

「こちらの受験票には、試験日は、
八月の 九日、十日 となっておりますが?」

「ふーん、それがどうしたって……はいいいっ?!」
オレは目をいっぱいに見開きます。確認しました。
「明日は八月の何日だ?!」
「八月二日、明後日の日曜日は三日でございますね」
「え、どういうこと」
執事は咳払いして、またあの泣き笑いのような表情を浮かべました。
「結論から申し上げます。
ご主人様は、受験日を一週間勘違いされていました」
「はああああああ?!!」
仰天するわたし。愕然とするわたし。
茫然とするたし。

「やっぱり、ご主人様はご主人様でいらっしゃいますねえ」
執事は冷静に言いました。
「受験日を一週間勘違いされていて、
それに前日まで気づかないなど、
常人の神経ではありえません。
乗換案内まで検索されていて、
気づかないなど。
本当に、ありえないですよ、受験生としても」
「え、だって、去年は第一土日だったし!」
「普通、受験票が来た時に確認しませんか、
試験日くらい」
「いやオレは、もうずっと八月の第一土日が
試験日で固定されてるんだとばっかり」
「まあ、前日にわたくしが気付いてよかったですねえ。
さもなければ、ご主人様は明日、
乗換案内で一時間前に無人の試験会場に到着し、
誰も来ない会場で試験の時間を過ごすことになっていたでしょう」
「ありえんのか、こんなことが?!」
「それはわたくしの台詞でございます」
執事は慇懃無礼に低頭しました。
「試験日を間違えるなんて、
本当に、ご主人様はお約束を超えたお約束をなさいますねえ」


以上、ホラ一割程度で。
つーわけで、
オレの死刑執行日は一週間のびました。
つかさ、このブログ、
誰も読んでないわけじゃない(と思う)から、
ひとりくらい、
「男爵さん、試験日、間違ってますよ」って
コメントしてくれてもいいじゃんね!
オレは人間不信に陥りそうですよ! って執事に言ったら、
「他人より先に、ご自分を信じないほうがよいのでは?」とか
全開の嫌味を言われました。
あの妙な泣き笑いの表情は、
泣き笑いではなく、爆笑をこらえていただけだったのでした。
うるせえ、人間、勘違いのひとつやふたつ、あるよ!
それが年に一回しかない試験でも!
オレを見る執事の眼がすげえ冷たかったよ。
なんつーか、ム●カ(ラピ●タ)が虫けらをみるよーな目だった。
君もいまそんな目をしてるのかな?
だとしたら、男爵はとっても悲しいよ!
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ホント、もう何を信じたらいいのか、わからんわ(受験票を確認しろ!)

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