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2014年6月

2014年6月29日 (日)

よろしく、お星様。

前回までのあらすじ:
 八月の中小企業診断士受験に向けて
 病院を退院し、
 今日、昨日と摸試を受けた男爵。
 果たして、その結果は……?!

昨日の朝、病院のロビーで
名残を惜しむ病人仲間の斎藤君に別れを告げたオレ。
斎藤:「本当に本当に行ってしまうのか、男爵……?」
オレ:「すまない、戦友よ、オレにも任務があるのだ。
    そう、中小企業診断士に合格して、
    蔵書を危機から救い、お小遣いをゲットするという
    崇高な使命が……!」
斎藤:「うわー、ちっさい夢ー」
オレ:「夢に大小はない! ロマンがあるのみさ」
斎藤:「カッコイイこと言ってるけど、
    つまりはお小遣い稼ぎですね」
オレ:「ええ、そうですね、それは否定しません」
斎藤:「まあ、適当に体には気を付けて。
    また近々、会えることを願ってるよ!」
オレ:「つまりは『早くまた病気が悪化して入院しろよ!』ってことですね。
    イヤじゃ!!!」
斎藤:「はっはっはっ、じゃあまたね~」(とてもいい笑顔)
オレ:「うん、じゃあまたね~」(とてもいい笑顔)

てなわけで、
オレは病院からそのまま会場へ直行し、
10時から摸試を受験。
17時まで戦い、昨日は終了。
本日も10時から決戦。
そして。

オレはまたヤっちまいました。
オレは、オレはお星様になりました。
木端微塵です。
摸試の自己採点結果、
なんと、オレは、
「二次試験にも出てくる超! 重要科目」(財務・会計)で、
「23点」を叩きだしてしまいました!
(※注 テストは100点満点です。
     ちなみに最低の足切りラインは40点です)

いやー、とても簿記三級を持っている人間の
点数とは思えないですね。
だってマークシート式の選択問題なんだから、
運を天に任せて鉛筆コロコロしても、
20点くらいはとれるわけですよ。おそらく。
それが、あなた、事前に問題解いて
テキスト読んでて、
それでこの点数ですからね。
二か月前に一回講義を聞いて以来、
一度も問題を解かず、
今日の昼休み時間にテキストを読んだだけの
科目ですら、「37点」だというのに、
いったい、オレの財務・会計脳に
なにが起きたんでしょうか?
運を天に任せた科目よりも
低い点数て、どうなの?

つまり、結論で言えば、オレは木端微塵になり、
空高く舞い上がり、お星様になりました。
よろしく、他のお星様たち。
今日から仲間になりました黒羊男爵です。
新米ですけど、いずれは輝けるように頑張りますので、
よろしくお願いいたします。
オレは、星のジャンルとしては死●星の仲間です。
厄病星という、新しい星です。
見たものは厄と病に見舞われるという、
ステキ運勢の星です。
黒と灰色のツートンカラーの光に輝く星なので、
見たら、絶対に忘れないと思うよ!

すみません、絶望のあまり、
電波が大量にブログに混入してしまいました。
いやいや、絶望している場合ではない、オレ!
一か月後の本番では、
23点は許されない。
少なくとも40点、
可能ならば、60点越えをしなければならない。
あと一か月で!

もう週刊少年ジャ●プを読むことはできません。
禁・マンガ、禁・読書です。
これから一か月間、
オレが目にしていい活字はテキストだけです。
はてさて、男爵は「メイク・ミラクル!」することができるんでしょうか。
それとも厄病星として、輝き続けるんでしょうか。
それは一か月後の本番の後、
模範解答の発表時にわかることです。
てか、本番が終わったら、もうわかると思うけどね。
自分の手ごたえでね。
23点だった科目は、もうやってる最中から、
「ああー、これは、伝説を作ってるなー」と思ってました。
採点者の度肝を抜いてるなーと思ってました。
むしろ採点者に申し訳ない。
ね、全国で何人も今日・昨日と摸試を受けた人いたと思うけど、
その中でも「23点」と並ぶひとはあんまりいないのでは?
だって本番の一か月前でしょ?
一年間勉強してきて、「23点」て、
普通に考えて、常識的なセンスでありえないよね。
まあ、オレのセンスは普通じゃないけどね!


以上、ホラ二割程度で。
いやマジで、どうしたもんだろうか。
23点の教科、今から得意科目にできるかな?
好きになれるだろうか?
それは今後のお楽しみ。
一か月後の男爵がまたお星様になってるかどうかは、
本番の後日、お話しすることになるでしょう。
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我ながら、あまり勝算はないですね。
簿記三級持ってるのになー。
数字系はホント駄目だなー。ははは(乾いた笑い)。
でもま、勝算がない戦いなんてよくありますよ。
人生そのものが、そんなもんですよ。
それでも戦うから、
「ドブの中でも前のめり」になるわけですよ。
戦うことをやめることだけは駄目ですね。
そんなの、オレのスタイルじゃないからね。
いつでもホラと夢とユーモアはなくさないでいたいです。

2014年6月22日 (日)

教えて、お星様。

前回までのあらすじ:
 持病が悪化して入院した黒羊男爵。
 それでも病人仲間の斎藤君とともに、
 採血や点滴などの合間に
 伝説を作りながら、楽しい毎日を送っていた。
 が、男爵は忘れていたのだった。
 自分が八月に中小企業診断士を受験するということを……!

なんて言うんですかね、
こういうの、不幸中の幸いって言うんですか?
いや、今月末 摸試があるんですけど、
体調がよくなってきまして、
近々 退院できそうなんですよ。
斎藤君と作る伝説も、
次が最後くらいかな~。
ていうか、次なんてあるのかな~。
オレ、今月末 摸試だからな~。
ハハハハハ(乾いた笑い)。
勉強、しないとね~。
してないけどね~。

今年、中小企業診断士で、
オレは六教科 受験せねばなりません。
(『情報システム』のみは去年 合格できた)
つまり、月末の摸試は六教科あります。
が、
「教科はたくさんあるけど、時間はぜんぜんないよ……!」。
え、だって今日が22日でしょ。
摸試は28日・29日だよ。
一週間ないよ。
そんでどうやって六教科、合格水準にもっていくの?
教えて、お星様。
いやもう、この際、お星様でも邪神でも、
救世主でも世紀末救●主伝説(北斗の拳)でもいいわ、
もうなんでもいいから、
どーしたらいいんだよーっ!!

「もう遅い、すでに確実に致命傷だと思いますが、
地道に努力されるしかないですね」
だだをこねて転げまわるオレに、執事は冷たく言いました。
オレはわめきます。
「努力って言ったって、六教科一週間て
もう罰ゲームでしょ?!
一日は二十四時間しかないんだぞ?!
第一、オレは 努力・根性・汗 が大嫌いなんだよ、
極力 努力はしない人生を歩んできたんだよ!
努力しないことに精いっぱい努力してきたんだよ!
それがなんで努力しなきゃならないんだよ?!」
「さあ、わたくしにそう言われましても。
中小企業診断士を受けると言い出したのは
たしかご主人様だったのでは?」
「ああ、たしかにそう言いました、
最初に言ったのはオレですよ!
けどねえ、それはおばあさまが
中小企業診断士受かったら、
大目にお小遣いくれるって言ったから
金に目がくらんでちょっとだけ
『受けてもいいかな~』って思っただけで、
そもそもそのとき、
中小企業診断士がどんな資格かも知らなかったんだよ!
こんな難しい資格だなんて、ぜんぜん知らなかったんだよ!」
「それでよく、『わかりました、大丈夫です、受けます』と
お返事されましたね。
ご主人様の無謀さには常日頃から、つくづく感心しております」
「うるせえ!
次の一歩をいちいち深く考えてたら、
人生なんて怖くて一歩も歩けねえよ!
人生ってのは、常に決断と取捨選択の繰り返しなんだよ」
「もっともらしいことを言われていらっしゃいますが、
この時間を活かして勉強されなくてよろしいのですか」
「すいませんね! わかりましたよ、
やりゃいいんでしょ、やれば!」
わたしはテキストを開き、
WEBの講義を聞き始めました。

戦略として、まず、六教科のうち、
『企業経営理論』は捨てました。
ガキの頃に帝王学をやらされているから、
もうこれは本番前に詰め込めばなんとかなるでしょ。
それでも駄目なら、「また来年!(笑顔)」だよ。
そっから、
『運営管理』はテキストをざっと読み、
「これでいい」ことにしました。
じゃないと先に進まねえ。
で、現在、三教科目の『財務・会計』に取り組んでいるわけですが、
「こ、これは……」。
駄目だ、ざっと読んだ程度じゃ理解できない。
講義を聞かないとどうしようもねえわ。
「仕方ねえ」
時間がないから、避けたかったけど、
地道に講義を聞くか。
そう思ってWEBにつなげたら、財務・会計だけで、
「50分の講義が24本もありやがる……!」。
いけません、これは完璧にいけません。
負け戦の匂いがします。
消耗戦の気配がします。
だって、仮にこの24本をクリアしたとしても、
まだまだ、
『経営法務』
『中小企業経営・政策』
『経済学・経済政策』があるよ……!
どうしたらいいの、
どうしたら60点取れるようになるの?
教えて、お星様!
え? あれは死兆●だって?(北斗の拳)
星は星でも希望の星じゃないの?
あー、もう、なんでもいいわ、
この際、
ベツレヘムの星でも、
死●星でも、
ペガ●ス流星拳(映画化おめでとうございます)でも、
もういいわ、
とにかく60点とらせてください。
教えて、お星様、
そして、お願い、お星様!!



以上、ホラ二割程度で。
畜生、真実八割っつったら、
ウチのブログの基準なら、「ほぼ事実」じゃねえか!
こんなの、ホラブログじゃないよ!
てな感じで、「!」を乱発しながら、
足元を掘り崩す感じで、今週は終わり。
来週のいまごろは摸試会場です。
マジか、マジで摸試なのか……!
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いや、世界で苦しんでいるのはオレだけじゃない。
みんな苦しいんだ。
みんな、お願いお星様って思ってるに違いない。
お星様も大変だな。
でもお願いだから、どうしたら受かるか、教えて、お星様……!

2014年6月15日 (日)

盛り上がってまいりました。

前回までのあらすじ:
 病人ゆえに入院した黒羊男爵。
 それでも病人仲間の斎藤君とともに、
 毎日楽しい病人生活を送っていた。
 ところが、男爵はあるとてつもなく重要なことを
 すっかり忘れていたのだった……!

ヤバイです。マジ、ヤバイです。
病気にかまけて、すっかり忘れてました。
え、なにを忘れていたのかって?
アレですよ、アレ。
え、わからない?
わかんないで済んだら病院いらないです。
いえ、すみません、今のは暴言でした。
ちょっと動揺して取り乱してしまいました。
すみません。

つまりですね、
「オレ、今年の八月に中小企業診断士受験するよ!」
ってことを、
すっかり忘れていたんですよ。
で、そしたら昨日執事がやってきて、
「ご主人様、病状がだいぶ良くなってまいりましたね。
これなら出席できそうですね」
と言いました。
「は? なにに出席すんの?」
マジでぜんぜんわかんなかったオレに、
執事は眉を寄せて、しかめっ面で言いました。
「今月末、中小企業診断士の摸試でございますよ
八月には本番がございますよ?
準備のほうはよろしいですか」

しぃまったたたああああああっつっつっつ!
すっかり忘れていた!!
どうしよ、そうだ、そうだったよ、
今年 合格のめどがたたないと、
S先生にオレの秘蔵の本が売却されてしまうのだった!!
あわわ!
(そのいきさつは下記日記参照
 http://blacksheep.txt-nifty.com/blog/2014/01/s35-9b5c.html

「そ、そんなこと言われても、
準備なんかできてるわけねえだろ!
オレはここんところ順調に病人やってたんだから」
「ベッドで週刊少年ジャ●プを熟読していらっしゃいましたね。
余裕がおありだなあ、と思っておりました」
「馬鹿野郎! そこでなんで言わねえんだよ、
なんで、『中小企業診断士』ってキーワードを
言わねえで、なまぬるい目で見守ってるんだよ?!
ツッコむところでしょ、そこは。
そこは、第三者として、指摘してあげるべきところでしょ?!」
「いえ、わたくしごときが差し出がましい……と思いまして。
ご主人様のことですから、
こっそり人知れず努力されて、
サプライズ合格を狙っていらっしゃるのかと」
「サプライズなんかねーわ!
ていうか、いまがサプライズだわ!
オレがサプライズされてるわ、現在進行形で!」

どうしよ、本当に、どうしよう。
オレ、去年の経済学、25点くらいしか取れなかったのに。
(合格の最低ラインは40点。
 それ以下は足きり。
 ちなみに一次のテストは五肢択一のマークシートなので、
 鉛筆コロコロでも、運が良ければ20点くらいはとれる)
いや、ヤバイのは経済学だけじゃない。
財務・会計も「はあ?」って感じだった。
オレ、簿記三級持ってるけど、
簿記二級以上の問題がゴロゴロ出てきてた。

「ちょ、マジでちょっと待って。
今日が6月15日でしょ。
テストはいつだっけ?」
「八月の第一土日でございます」
「それってあと何日あんの?」
「今日を含めて48日ほどでございますね」
「なー! 一教科10日かけられないじゃん!
すでにチキンレースじゃん!
六教科もあるんだぜ、
いまからどうゆう時間配分で勉強すれば合格できるんだ?!」
「さあ、わたくしにはわかりかねますが」
執事は平静にあっさりそう答えると、
花瓶の水を替えに行きました。

どうしたもんだろうか。
八月テストで六月中旬ともなれば、
だいぶ宴もたけなわになってまいりましたって感じだよね。
盛り上がってまいりましたってところだよね。
披露宴で言えば、
新郎新婦がお色直しして、
「さあ、拍手でお迎えください!」って
登場するころくらいだよね。
あとは両親への感謝の手紙を読み上げるところが
山場だよね。
って、ちげえわ、話が脱線したわ。

とにかく、オレはあと50日もない中で、
病気を抱えつつ、受験勉強をせねばならんのですよ。
これで六教科全部合格できたら、
合格手記を書くわ。
勉強法とか公開するわ。
って、まだぜんぜん勉強してないんだけど!!


以上、ホラ二割程度で。
さあて、どういう戦略を立てれば合格できるかな?
いやまあ、もう戦略を立てる時期は超えちゃってるけどね。
ひたすら勉強する・追い込みの時期だけどね。
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大人になっても勉強ってあるんだよ。
いろんな意味で、生きてる限り、生涯 勉強は終わらない。

2014年6月 8日 (日)

こんな日もある。

2014/06/09 改行が化けててビビりました。
修正したので、もう大丈夫かと。
ご迷惑をおかけしました!


前回までのあらすじ:
 日ごろの行いか、誰かの呪いか、
 (どっちにしても日ごろの行いの結果じゃねーか!)
 持病をこじらせて入院した黒羊男爵。
 だが、入院した先はホームグラウンドとも呼ぶべき
 いつもの病院。
 ここで男爵は病人仲間の斎藤君とともに、
 病院の伝説の二人として、
 婦長の眉間にしわを刻みながら、
 さまざまな非日常経験を演出していくのだった……!
 さて、今週の男爵は何をしていたのかな?

何もしてません。(二回目)
梅雨に入って気候が変わったせいで
体調を崩し、寝込んでます。
斎藤君が毎日お見舞いに来ては
一発ギャグをかましていきますが、
(斎藤君、てめえも病人じゃねえのかよ?!)
つっこむ余裕すらありません。
なので、ボケ倒しています。

事例1:残念なふたり
斎藤君:「隣の家が新築したよ。なんと塀がカッコイイ。へえー!」
黒羊男爵:「……その家の布団がふっとんだよ」

事例2:さらに残念なふたり
斎藤君:「血糖値が上がってついに申し込んだ。決闘だあ!」
黒羊男爵:「……その行為、まさに由緒正しい血統だね」

事例3:かなり残念なふたり
斎藤君:「カッコいいオレ、(いい)オレ!」
黒羊男爵:「……性格がいいじゃなくて、いい性格してる」

事例4:とても残念なふたり
斎藤君:「デリケートなバリケード!」
黒羊男爵:「……オブラートの中のオレランド」

いかがでしょうか。
もう「ツッコミは? ツッコミはどこ?!」と叫びたいような状況です。
阿鼻叫喚の地獄絵図ですね。
点滴棒をぶら下げながら、毎日ボケに来る斎藤君も斎藤君ですが、
仰臥したまま、無表情にボケ続けるオレもオレです。
いやもう、ツッコンだら負けだと思ってます。
どこまでこの状況に耐えられるか。
オレたちの状況は
精神的なル・マンとか
バイクの24耐とか、
そういう地点まで昇華されてます。
ひたすら雨が降り続く、
こんな日もあります。


以上、ホラ七割程度で。
ツッコミ不在という状況がいかに過酷なものか、
だんだんわかってきました。
ツッコミっていたらいたで、ちょっと鬱陶しいときもあるけど、
絶対に必要だよね。
この降り続く雨みたいなもんだね。
ないと困るし、ありすぎても困る、みたいな。
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ところで、斎藤君、君、本当にお見舞いに来てるの?
それとも、突き落としに来てるの?
オレたち、本当に友達だよね?

2014年6月 1日 (日)

忘れちまった悲しみに。

2014/06/09 改行が化けててビビりました。
修正したので、もう大丈夫かと。
ご迷惑をおかけしました!

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 ありがとうございます。
 いいね!返しができないチキンですが、
 お名前は覚えております!

前回までのあらすじ:
 持病が悪化して入院した黒羊男爵。
 だが、病人とは名ばかり、(いやホントに病人だけれども)
 病人仲間の斎藤君とやりたい放題、
 婦長さんの眉間に縦ジワを増やす毎日。
 さて、今週は何をしているのかな……?

「あー、それは、忘れちゃったなあ」
わたしは首の後ろをポリポリかきながら言いました。
「え、本当に?」
確認されて、わたしはうなずきます。
「うん、ちょっと出てこないかなー。
わたしの前世がアトランティス大陸の戦士だったって頃のことでしょ?
あれから何回か、転生してるからな―、
申し訳ないけど、覚えてないよ。
あ、でも、君の顔には見覚えがあるな。
うん、それはあるよ」
「じゃ、じゃあ、もしかしていつか思い出してくれることも」
「あるかもねー」
返答して、わたしは首をかしげます。
さて、どうしたもんだろうか。
この目の前の少年、
深夜の病院の男子トイレ前の椅子で出会った少年を
どうしたもんだろうか。
少年はキラキラした瞳でわたしを見上げます。
「オレのこと、きっと思い出すよ! レアティウス!」
どうやら、わたしの前世は「レアティウス」というらしいです。

いきなりトップギアで始まっちまってすみません。
前後の説明がぶっ飛んでました。
つまりですね、
ある夜、深夜にトイレに行こうとしたわたしは
トイレの前の椅子で泣いている少年を発見したのです。
小児病棟もある病院なので、
子供がいても不思議はありません。
また、夜のトイレが怖くて、
子供が泣いていても不思議はありません。
(この少年が幽霊とかそういうファンタスティックな
 ことは思いつきませんでした。
 だってグシャグシャな顔で泣いてるから、
 ぜんぜん怖くないもん)
大人として、わたしはトイレを済ましたのち、
少年に声をかけました。
「君、どうしたの。
わたしでよかったら、病室までついていったげようか?」
すると少年の顔が輝き、
「オレのこと、覚えていたんだね!」
と叫んだのです。
そして話は冒頭に戻ります。

少年の言うには、
「オレたち(=男爵と少年)はアトランティスの戦士で」
「少年の仲間で」
「目覚める刻を待っている」ということらしいです。
なんでも、少年は、
「アトランティス時代の仲間に再び会える」というお告げを受けて、
病院の夜中のトイレで人待ちしていた。
そこへわたしがやってきて、声をかけた、ということですね。
うーん、盛りすぎだなあ。
電波てんこ盛りだなあ。
しかも設定が陳腐でおもしろくないなあ。
アトランティスの戦士て。
ありきたりすぎる。
わたしは前世なんかいっさい信じていませんが、
ホラは信じてます。
だから、わたしは言いました。
「ところで、君のほうはどれくらい前世を覚えているの?
つまり、アトランティス時代の話。
君がリーダーだったんだよね?」
「うん、そうだよ。
オレがリーダーで、神殿で神官に仕えていたんだ。
オレたちはアトランティスの神様に選ばれた戦士だから」
「ほうほう、それで、その頃の君の名前は?」
「……リルクティス」
「リルクティス、リルクティスねえ。
うーん、なんか聞いたことはあるような、ないような。
話を続けて。
もっとアトランティス時代のことを教えてよ。
他の仲間のこととか」
「うん! 仲間はいっぱいいたよ」
「え、神に選ばれし戦士じゃないの?
少数の、貴重な戦士じゃないの?」
「もちろん、そうだよ、オレと君は選ばれた戦士だけど、
普通の一般の戦士もいたよってこと」
「ああなるほどね。
ところでさっき、神官って言っていたけど、
治癒の魔法や防御を生業とする仲間はいなかったの?
攻撃専門の戦士だけだとバランスが悪いパーティだよね」
「もちろん、治療の神官がいたよ!
サイージャとか、ビリアヌとか、
何度も怪我を治してくれたじゃないか。
覚えてないの」
「うーん、あとちょっとで思い出せそうなんだけどねー。
で、なんでわたしたちは怪我をしたの?
なにかと戦っていたの?」
「それは、大きな声では言えないよ」

少年はちょっと視線を床に落としました。
「すっごく強い敵だし、今もオレたちを狙ってるし」
「でもさ、
『大きな声では言えないけど、
小さな声だと聞こえない』って言うじゃない?
大事なことはちゃんと相手に伝えないと。
さあさあ、敵の名前を言ってみて。
思い出せるかも」
「……じゃ、じゃあ言うよ。
ジャリンガムヌって覚えてない?」
「え、ジャリとガム?」
わたしは聞き返して、少年の叱責を浴びます。
「違うよ! ジャリンガムヌだよ。
世界の敵だ。 
アトランティスの王家の滅亡を企む悪い奴だよ」
「え、でも、アトランティスの王家はもうないでしょ。
アトランティスがもうないのだからして」
「王女が転生してるんだよ!
オレたちは王女を守るために戦う戦士じゃないか」
「さっきは神官に仕えてたって言わなかった?」
「王女直属の神官に仕えていたんだよ」
「あれ、神様に仕えていたんじゃなかったっけ?」
「王女が神様の化身だったんだよ。
アトランティスの王家は代々、神様だったんだよ」
そんなことも忘れたの、と少年はわたしをなじりました。
わたしは頭を下げて謝ります。
面目ない、まったくぜんぜん覚えてないわ。

「ホントにぜんぜん覚えてないの?」
少年の度重なる確認に、ついにわたしは反撃に出ました。
「じゃあさ、わたしが覚えてることを言うよ。
オッケーだったら、そうだねって言ってね」
「うん」
「わたし、つまりレアルティクスは、
君曰く、アトランティスの王家に仕える戦士だったわけだけれども」
「うん、そう」
「その前の人生の記憶がいま蘇ってきたよ」
「え? その前?」
「つまり、アトランティス以前ってこと。
オレたちは、ムー大陸にその戦士ありと知られた、
剣豪と英雄だった。
ムー大陸沈没をもくろむ敵・ユエーマと激しく戦った。
戦いの最後の日、死ぬ前に君は言ったんだ。
『転生した先でまた必ず会おう。
今度こそは平和で幸せな人生を送ろう』って。
あの誓いを、覚えている?」
「え、えーと」
「君はあの日、わたしの妹で君の恋人の
ミノティアからもらった赤い布を肩に巻き、
腰には双刀をさげていた。
思い出すなあ、君のあのディアメルア流剣術。
二刀流の流派最強と言われた君は、
最後の戦いでもユエーマの部下と激しく切り結んだ。
わたしも隣で戦ったけど、
ユエーマの卑劣な魔力によって思考を支配され、
最後、君と戦うことになってしまった。
君はユエーマを見事に打ち取ったけど、
そのとき、わたしの槍が君の胸を貫き、
君は死んでしまった。
君の死によって、ムー大陸を維持していた世界力の均衡が崩れ、
ムー大陸は海に沈んでしまった……。
覚えていない?」
「……えーと、え?」
少年は硬直しました。
わたしは続けます。
「君が息をひきとるとき、言ったんだよ。
『転生した先でまた必ず会おう。
今度こそは平和で幸せな人生を送ろう』って。
だから、こうしてまた会えた。
日本で、この時代に出会えたんだ」
わたしは目を潤ませます。
「君が無事でよかったよ。
いや、入院してるってことはなにか病気を背負ってるんだろうけど、
でもユエーマのような卑劣な思考支配や
生命へのあきらめ、生命の尊厳への絶望なんかとは、君は無縁だ。
それがわかっただけで、わたしはもう、いいよ」
「え、ア、アトランティスは」
「何を言ってるんだ」
わたしは少年の手を取ります。固く握りました。
「あの日の誓い、果たさないわけにはいかない。
ミノティアだって、君の幸せを願ってるだろう。
君はこの人生で幸せになるんだ。
いま、この人生で、幸せになるんだ。
前世の君が、来世の君に託した願いはそれだけだったよ。
だから、君は幸せにならなければならない。
なにせ、アトランティス以前の、
わたしたちの一番古い記憶の人生の誓いだからね。
すべてに優先して果たされるべき誓いだよ」
「ご、ごめんなさい、
なんかちょっと間違ったみたい」
少年は調子っぱずれの声で叫びました。
「えと、ええと、人間違いっていうか、
勘違いしてたっていうか。
すみません、もういいです、
オレ、もう病室に戻ります」
焦りを隠せない少年に、わたしはどこまでも優しく微笑みます。
「君の未来にムー神の祝福があるように。
ミノティアの分も、願っているよ」
「ごめんなさい!!!」
少年はわめいて、
それから強引に手を離して、廊下を走り去っていきました。

ちょっと薬が効きすぎたかな。
まあもう、これで、当分の間、彼は
「前世の戦士の話」は誰にもしないでしょうね。
おそらくそのうちに、そんな話をする必要もなくなって、
自然に忘れていくでしょう。
つまりはそーゆーことですよ。
遠ざかる少年の後姿を眺めながら、
わたしはしばらく遠い目をしました。
ええそうです、もちろん、
わたしも自分がアトランティスの戦士だって
思ってた時期がありますよ……。


以上、ホラ九割程度で。
今となってはイタイ話ってのは誰にでもあるよね。
当時はすげえマジに語っていたことが、
今となっては笑い話にしかならないってことは、
まあ、誰しもあります。(だよね?)
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ムーとアトランティスはもう古典だよね。
そろそろ第三の大陸の話をしてもいい頃かもしれない。
第三の大陸、そう、黄金の国、ジパングの話を。
って、つまり、「今の人生の話」ってことだけどね。

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