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2014年1月

2014年1月26日 (日)

新年会のお知らせ。

前回までのあらすじ:
 黒羊男爵は「貧乏・友の会」という団体を主宰している。
 これは男爵が学生時代に貧乏仲間と作った会で、
 文字通り、「貧しいながらも生活を楽しもう」という趣旨で、
 四季折々の季節感を重視している会である。
 メンバーには、このブログに何度か出てきてる画家、
 大工、運転手、三児の母、サラリーマンなどいろいろいる。

昨日、貧乏・友の会のメンバーの一人、
パンの配達車の運転手から入電がありました。
「ちょっと遅れたけど、あけおめ、ことよろ」
と、運転手の軽い挨拶で始まった電話で、
「あげおめ、ごどよろ」
と1月7日から風邪が治ってない(年末の風邪とは別の風邪)
オレは鼻声で応えました。
用件はなんだろ?
「今年はー、午年じゃん?」
運転手は言います。
「ウマ、と言えば、ウマくいく、じゃん?」
「……そのネタは、もう四回以上聞いている」
疲労感にどっと背中を押されたオレ。
体調悪いし、もう電話切ろうかな。
運転手はあわてて言い添えます。
「ちょっと待って、待てって。
いやだから、貧乏・友の会のみんなで集まって、
『ウマくいく』ように新年会をやりたいと思ったんだよ。
明日なんだけど、男爵、準備できる?」
「あー……」
わたしは体調を考えてしばらく言葉を切り、
「でぎるんじゃね?」
と無謀にも了解の返答をしました。
風邪はいつものことだろ。
体調不良なんて、もはや日常だろ。
多少フラフラしてても、なんとかなるんじゃね?
運転手は喜びます。
「よっしゃ! じゃあ場所は男爵んちでいいか?」
「いいよー、そじだら移動じなくてずむから、
オレも楽だじ」
「で、さ、相談なんだけど、肝心の予算なんだけど」
運転手は声を潜めます。
予算。貧乏・友の会にとって、二番目に重視される要素。
(一番目は「楽しいかどうか」)
わたしも真剣な表情で、
「いぐらまでなら、出ぜる?」
と麻薬の取引のような言葉を発しました。
運転手は熟考の末、
「男爵含めて四人で3000円。どうだろ」
と提案してきました。
わたしは驚愕して確認します。
「3000円? マジで?」
「マジで」
「新年からいきなり?」
「もういきなり」
「すげえな、超・余裕!」
わたしは断言し、次のように答えました。
「3000円で、おまえらに本格的なアフタヌーン・ティーを出じでやるよ!」

こうして始まった、貧乏・友の会の新年会。
題して、
「男爵んちでアフタヌーン・ティーを楽しむ会」が始まりました。
さっそくわたしは買出しへ出かけました。
ええと、3000円だろ。
紅茶とバター、ジャム、ベーキング・パウダーとドライイーストは家にあるから、
新たに買うのは、
「強力粉、薄力粉、生クリーム、牛乳、卵、ハム、スモークサーモン、
ドライフルーツ、クロテッドクリーム(絶対外せない)……」
幸い、生クリームが1個97円という破格のセール中。
卵は八個入りで230円とちょっと高め。
ハム、スモークサーモンで700円。
でも予算3000円なら余裕。
見事 3000円以内でゲットして帰宅。

その日は本番に備えて二種類のケーキを焼きあげ、
就寝しました。

それで、今日はお昼のあと、すぐに準備に取り掛かりました。
まずドライイースト+牛乳+バター+強力粉で、
サンドウィッチ用の手作りパンを作成。
ホントはパンは既製品の食パンでもいいかなと思ったけど、
やっぱ作りたてがいいっしょ。
やわらかさとしっとり感が違うよね。
(パンが固いほうが本場風かもだけど)
で、パンを焼いている間に
次にスコーンの準備。
ケーキ用に購入したドライフルーツの中から、
レーズンをよりだしてとっておいたので、
レーズン入りとプレーンの二種類のスコーン生地を作る。
作り終わったら、
焼き立てを冷ましたパンとハムとスモークサーモン、卵を使って
サンドウィッチを用意。
本来、パンの耳はとるんだけど、
オレが焼いたパンは白パンで耳まで柔らかいので
そのままスライスして使用。
今度はティーテーブルの仕度。
お気に入りのアンティークの食器出して、
ディッシュウォーマーで温めて、そうこうしているうちに、
「今日はよろしくー」
「あけおめ、ことよろー」
とメンバーがやってきました。

「ちょうどケーキまで準備できてるから、
座って待ってろ。
スコーンは焼き立てを出すから」
メンバーがコートを脱いだり、
トイレへ言ったりしている間にスコーンを焼き、
「じゃあ、アフタヌーン・ティーしようぜ!」
となりました。
下記はテーブルに運ぶ前の紅茶とスコーン。
ティーセットはワイルマン窯のアンティークのセットです。

Img_20140126

メニューは、ミルク・ティーに
クロテッドクリームたっぷりのせた焼きたてスコーン(二種類)、
昨夜のうちに焼き上げたしっとりしたドライフルーツのパウンドケーキ、
スモークサーモンと卵、ハムのサンドウィッチ、
最後に、
「卵と粉が余ったから作ってみた」と
スペシャルデザートで、ヴィクトリアン・ケーキを出しました。
これはスポンジ生地にシンプルにジャムと生クリームをはさんだケーキです。
四人でスコーンやサンドウィッチ、ケーキを貪り食い、
「もう食えねえ」と腹いっぱいになりました。

「男爵、これマジで3000円なわけ?」
運転手が確認しました。オレはうなずきます。
「マジで。まあ、もともと家にあった材料が多かったからだけどね」
「クロテッドクリームのせのスコーン、超ウマかった。ウマ年だけに」
「……あ、そう」
いかん、どっと疲れが出てきたぞ。
「男爵は器用だよねー」
と別のメンバーが言えば、わたしは答えて、
「そりゃオレは器用かもしれんけど。
みんなだってそれぞれ特技があるじゃんか。
たとえばオレは運転手みたいに運転できないから、
遠出できないし、
今日みたいにみんなをピックアップして連れてきたりできない。
それぞれできることをやって、
楽しく貧乏でいいんじゃねえの?」
メンバーは納得して口々に言います。
「そうだな、みんな特技あるな」
「楽しくってのが重要だよね」
「今年も頑張っていこうぜ」
「今年はきっとウマくいくよ」
「ウマ年なだけに」
「今度そのネタ言ったやつは、殺す」
とわたしは最後に言いました。

こんな感じで、貧乏・友の会の新年会は終わりました。
今年も相変わらず、金に縁がないオレたち。
「予算3000円も?! マジで?!」などと驚いたりします。
でも楽しく、楽しく生きてます。
そりゃメンバーもいろいろ苦労してます。
みんながいるときは言わないけど、
それぞれ、家族やローンや仕事など、大変なこともあります。
きっと生きてるのがつらくて、泣きそうになる日や
将来が不安でたまらない日もあると思います。
けど、たまにこうやって集まって、
「3000円?! 豪遊だぜ!」なんてやってると、
疲れが吹っ飛びますね。
アホらしいけど、いい仲間がいれば、
アホも楽しいよ。




以上、ホラ七割程度で。
どうです、写真のスコーン、ちゃんとぱっくり割れてるでしょ。
やっぱスコーンはクロテッドクリームつけなきゃダメだね。
バターも試してみたけど、別物だった(涙)。
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「生きてりゃいろいろあるけど、こんな感じで、
今年も『ウマ』くやっていこうぜ!」って思った方は下記をクリック。

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このネタ、もういい加減にしましょうよ。
本当にもう、殺意を感じますよ。
でもつい、言っちゃうけどね。

ココログにて「いいね!」をしてくださっている方へ。本当にありがとうございます。
いいね!返しができないチキンですみません。
よろしければまた遊びに来てください!

2014年1月19日 (日)

未完未完。

注意:今回はさまざまな小説・マンガのネタバレがあります。
   ネタバレが嫌な方は、どうか、読まないでください。



どうも、黒羊男爵です。
いろいろ病気とか勉強とか家事とか仕事(?)とか、
やるべきことにあえいでいますが、
生きてます。とりあえず。これが大事。

今日は「未完」について語りたいと思います。
え、未完ってなに?
このブログ、未完なの?
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
いいえ、未完なのはこのブログではありません。
(まあ、オレが早死にしたら、ブログも未完になりますけど)
(てか、ブログに未完ってなんだろ?)
オレは本が好きで、本を読みます。
大好きな作家様の本は、そりゃもう、
恋人に恋焦がれるように、発刊を待ってます。
(恋人いないけど)
(今日はちょいちょい注釈が入りますね)

ですが、ヒッジョーに残念ですが、
限りなく、無念ですが、遺憾ですが、
「未完」で終わる小説・マンガもあります。
大好きで続きを知りたくてジリジリして待ってて、
そしてある日突然、
「作者の都合により未完です」と知ったときの
驚愕と絶望感はハンパないです。
心が折れます。
これはマンガでも小説でもあるけどね。
それでは、男爵の経験を振り返って、
「未完」になった、畜生! という事例の記憶を
共有していきましょう。
(共有しても別になんにもならんけどな)
(てか、単なるオレの憂さ晴らしだけどな)

「わたしが初めて出会った」未完は、
ホフマン様の『雄猫ムルの人生観』です。
中学のときでした。
この本、もうむっちゃくっちゃ難しいんですよ。
難解なんです。
なぜなら、主人公の猫の回顧録と猫の飼い主の伝記が
ごちゃまぜになってて、
「え、この部分は猫の体験? それとも飼い主?」と
歯を食いしばって、暗号を解くスパイのようになって、
読み進めていくしかないんです。
ただ、じわりじわりとおもしろくなってくる。
たぶん週刊少年ジャ●プで連載したら、
十週で確実に打ち切られちゃうと思うくらい、
スロースターターな小説なんですが、
最後のほうはもう、
「で、で! そんで、猫は、飼い主はどうなるの!」って感じになります。
というか、わたしはそうなりました。
ある意味、常習癖を伴う遅効性の麻薬みたいな小説です。
が。
盛り上がるだけ盛り上がって、興奮した手でめくった
最後のページに、
「作者死亡のため、未完。」
みたいな文が一行。
それで終わりかよ!!!!
こんなんで済むわけねーだろ、責任者出て来い!
ていうか、作者出て来い! 責任をとれ!
学生だったわたしは夜中に発狂しそうになりました。
続きが読めない、それがもう、すげえ口惜しくて
どうにもならないのが、口惜しくて
ゴロゴロ転がりました。

オレが初めて出会った、未完の衝撃の原点はここです。
もうね、口惜しいの。
口惜しくて口惜しくて仕方ないの。
大事にとっておいたショートケーキの最後のイチゴを
「あ、いらないんだ? じゃあもらうね」って
横から取られて食べられたような口惜しさなんです。
わかるかなー、この気持ち。
わかんないかなー。
たぶん、経験者は一発で「わかるわかる」って思ってくれると思います。
未経験の方は恵まれてますね。
こんな経験、ないほうがいいもんね。

こうして、中学のときに未完の洗礼を受けたわたしですが、
高校時代は幸運なことに未完には出会いませんでした。
逆に、「これスッゲエな! おもしろいな!」って
小説やマンガにたくさん出会えました。
(勉強はどうした、高校生)
しかし、高校時代の喜びは、伏線に過ぎなかったのです。
運命はじわりじわりとわたしを包囲していたのでした。

高校を卒業し、わたしは相変わらず読書三昧の日々を送ってました。
大好きな作家様、マンガ家様の作品を読み、
とても幸せでした。
中でも大好きだったのは、
田中●樹様や栗●薫様、高●ゆん様、CL●MP様などでした。
ああもう、本当に幸せだったなあ。
銀河英雄●説や、創●伝、グ●ン・サーガ、その他、その他……。
思い返せば、遠い目になります。
本当に大好きだった。
続きを読むのが楽しみで楽しみで、
待ち遠しくて、続刊が出るたびに踊りながら本屋へ通いました。
ここまで語れば、もうわかりますよね?
いやもう、伝わってきますよね?
不吉な予感が。

満を持してやってきたのは、あいつです、未完です。

いや、田中●樹様のはもしかしたら
「とてつもなく長い執筆期間をかけているだけで
いずれは必ず完結する」
のかもしれないけど、
もう、オレの中では未完です。
だって、だって、銀河英●伝説の外伝、
何年待ってると思ってるんだよ?!
オレ、特別刊行版の銀色の表紙にタイトル箔押しの、
箱入りの銀河英雄伝●を予約して買って、
外伝が「全部」そろうのをずっと待ってたんだぜ?!
でも、もう。
たぶん、オレが生きているうちには、きっと読めない……(orz)。
そんな気がします。

栗●薫様は、おそらくご自身も、とても無念であられたでしょう。
ご冥福をお祈りいたします。
●本様を尊敬してますし、ずっとファンだと思います。
●イン・サーガは本編未完ですが、
やっぱり宝物です。一生、持ってると思います。
ま、こちらは違う方が執筆を始められたようなので、
厳密には未完ではないかもしれませんね。

作家様の死というのは、幾千、幾万の言葉の死です。
死は万人が避けようのないことですが、
ホフマン様や栗●様のように、筆を途中で折るのは、
ご自身もとても無念であられたことだと思います。
作家様・マンガ家様が亡くなれば、大好きなキャラクターたちも死んでしまう。
もちろん、作家以外の職業の方も、
「なにかをやりかけていた」「これから、というときだった」と、
死は惜しまれます。
けど、やっぱ、作り手様の死はなあ……。
愕然とするんだよなあ。
「え、あの話、もう出ないの?」
「えええ?」って現実を受け入れがたくて、途方に暮れます。
それからしばらく泣きます。
泣きますねぇ。
ファンとして思い入れがあったりすると、余計につらいですね。
これはわたしだけではないと思います。
きっと、続刊を待ち望んでいた人はみんな、
作り手様の死を惜しみ、悲しみ、泣くと思います。
みんな、大好きだったんだよ……。
あのキャラクターが、あの話が、みんな大好きだったんだよ……。

未完というのは、本当につらいものです。
読者にっても、作家様にとっても。
できれば、すべての物語が、ちゃんと終わって欲しいけど、
(いや、読んでるときは楽しくて、「終わって欲しくねえ!」って
思っちゃうけど、それは未完になってほしいということではない)
未完で終わる物語も、厳然としてあります。
作者死亡はもう本当に仕方ないって思いますけど、
それ以外でも、作者様のご事情、出版社様のご事情、
未完の理由は、さまざまあると思いますが、
一読者からしたら、感想は一言です。
「口惜しい!」。
もうホント、これに尽きる。
涙とともに、「口惜しい!」と叫びたい。
未完というのは、そういうものです。
そういう、ものだと思います。
涙の味がするものです。
そういう、ものなんですよ……。

なんだか、最後のほう、遠吠えになってますけど、
無責任な一読者としての遠吠えです。
でも吠えたいほど、大好きなんです。
もし十年越し、二十年越しでも、
「絶対、絶対続きが出るよ!」って告知されたら、
本当に信じて、待ってると思います。
あと●年だ、楽しみだなあ。
予約しないとなあ。
最初に新刊読もうかなあ、
それともこの機会に全巻読み直そうかなあ。
そんなことを考えながら、何年でも待っていると思います。
オレが知らないだけで、
「今回のブログで言及した●●、
あと何年で完結しますよ!」って情報もってる方がいたら、
ぜひ教えてください。
そしたら未完という単語はひっこめて、
じっと待ちます。
待ちます、待っちゃうんです……愛読者は。
もう九年以上、余裕で待ってるけどな!




以上、ホラ八割程度で。二割の真実が涙の味。
栗●様は本当に、本当に残念でした。
心からご冥福をお祈りいたします。
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新刊、出るといいですね。
(未完と言いつつ、望みを捨てきれない一読者)
できれば、生きてるうちに、続きが読みたいです。

2014年1月12日 (日)

S先生とわたし。第35章を超えて、ついに最終章。

前回までのあらすじ:
 今年 中小企業診断士を受けるわたし。
 自力ではまったく勉強しないナマケモノであるため、
 強制的に黒スーツの家庭教師・S先生が来てしまった。
 ムチをふりふり、わたしを(いろんな意味で)攻め立てるドSのS先生。
 今まで長く(35章も)S先生との攻防をつづってきたが、
 ついに最終章がやってきてしまった……!
 (ちなみに試験は8月です)

昨夜のことです。
「そ、それは……!」
わたしは震える指で、授業中に
S先生がなにげなく書棚から取り出した本を指さします。
「ん? これがどうかしたか、糞野郎」
S先生の中で、わたしの呼称=糞野郎で定着しているようです。
「き、気をつけてくださいよ、
前にも先生はアンティークのティーソーサーを割ってるんですから!
その本は、それは貴重な絶版本で」
「知っている。この本は、
古本市場でも文庫本版が出回っていて、
このハードカバー版が市場に出ることはほとんどない」
「そうです、●万円もしたハードカバー版の
全巻セットなんです!
そりゃもう、少ないお小遣いをやりくりして
血の滲むような思いをして
古本屋さんから勝ち取った逸品で」
「こっちはどうだ?」
先生は別の本を取り出します。
わたしはまた声をふりしぼります。
「それも! 貴重な本なんです!
まだ全巻集めきってないですけど、
それでもシリーズ中20冊以上保持しているのは、
個人では稀だと思います。
図書館でも置いてないところがある、絶版本で」
「2つとも、おまえの宝物というわけだ」
「そうです、宝物です!!」

「これを売却する」
S先生はあっさり言いました。

……?
…………?!!!?

!!!!?!!!

「はいいい?! いま、なんと?」
わたしの目が限界まで開きました。
先生は冷静に続けます。
「これらの本を転売する。
古書店に見積を依頼する。
これらだけではない。
この書斎にある本をすべて、
売却予定で見積を取る」
「な、なんで?! なんでわたしの宝物が売り物に?!」

「おまえが試験に落ちたら、だ」
「?!! ええっ !?!」

「おまえが、中小企業診断士試験に落ちたら、
罰として、
おまえの宝物とはサヨウナラすることになる。
そう決めた。
これもおまえのモチベーションを保つためだ。
しかたあるまい」
「しかたなくないですよ!
なんでそんな鬼なことを思いつくんですか、
先生は!
わたしを精神崩壊させるつもりですか?!」
「受かればいいことだ」
S先生は断言し、書斎机に両手を着いて
鋭い眼でわたしをにらみました。
「おまえが、中小企業診断士をとりさえすれば、
ミッションはクリアされる。
つまり、おまえの宝物はここにとどまる。
ミッションが失敗したら、
わかっているな、失敗の代償は『死』あるのみ」
「おかしい、おかしいよ、このひと!
なんで資格試験の代償が生命なの?!
てか、本の売却って、マジでオレの生命問題なんだけど、
おかしいよ!」
「わかったな。
これから、おまえは生命を賭けて勉強に挑むのだ。
失敗=死。
プロなら、当然の覚悟だな」
「プロってなんのプロ?!
オレは暗殺者ですか?!
なんで中小企業診断士がゴ●ゴ13みたいな
ことになんの?!」
「わかればいい。
ほら、問題集を開け。
死にたくなければ」
「ぜんっぜんわかんないけど、
なにを言ってるのか、
意味がもうぜんっぜん通じねえけど、
問題集は開きますよ?!」
……だって、S先生はドS先生、
言ったことはきっとやりとげる。
売るといったら、売るに違いない。
そして自分の懐に売価を入れてしまうに違いない。

そんなことはさせないよ!
今日のブログは「!」が多いね!
パッションだね!

「絶対に、宝物を売らせませんから!」
わたしは財務会計の問題集を開きながら、
断言します。
「ぜってえ、本とはお別れしない」
「いい心がけだな」
フ、と先生は唇に笑みを浮かべます。
「やる気があって、けっこうなことだ」

こうしてわたしとS先生の
「千日戦争」(ワン・サウザン●・ウォー)が
始まりました。
これがすべての終わりの始まり、
いや、始まりの終わりなのです。

このあと、男爵が本当に中小企業診断士に
合格できるのかどうかは、
今年8月にご報告することになるでしょう。
とりあえず、オレはやる気になりました。

(もし資格試験落ちたら、
本売られる前に、本を持って逃亡しよう……!)

35章にも及んだ壮絶な戦いは
こうして幕を下ろしたのでした。




以上、ホラ五割程度で。
はははははっ、売るってよ。
オレの宝物、あの絶版本をマジ売るってよ。
ありえねえ!
あの本売るくらいなら、
資格とるか、逃げるしかねえわ。
オレは堅く決意いたしましたよ!
8月の結果を、息を呑んで待て!
でもたまに、息を吸って吐いてね、死んじゃうから。
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ちなみに、男爵邸ではS先生への激励のコメントなどは
いっさい受け付けておりません。
S先生はご自分のブログをお持ちなので、
S先生への賞賛や激励はそちらへお願いいたします。

2014年1月 5日 (日)

S先生とわたし。その2。

前回までのあらすじ:
 今年(もう今年になっちまった!)
 中小企業診断士を受験するわたし。
 だが、自力で勉強する気なんてナッシング。
 オレは生来のナマケモノ。タナボタ狙い。
 そこへ家庭教師のS先生がやってきたよ!
 S先生は、スタイルよし、顔よしだったが、
 趣味はムチで人を打つこと、
 仕事はムチで机を打つこと、
 天職はムチでなにかを打つこと というドS先生だったよ!
 男爵のお尻は今週も無事なのでしょうか?!

「――ダメだな」
S先生は、わたしが計算した解答用紙を
バラバラと床に撒き散らします。
黒のピンヒールで解答用紙を踏みにじりました。
「おまえ、小数点の割り算ができないのか?
小学生以下だな」
わたしは憤然と主張します。
「だって、大人になったら、
小数点の割り算なんてしないじゃないですか。
電卓があるじゃないですか。
使わない知識はどんどん忘れちまうのが
人間の悲しいサガで。
いや忘却という恩恵があるからこそ、
人は明日を生きていくことが」
「ごたくはいい。うるさい、黙れ。
だが、さすがわたしだ、
こうなることは読んでいた。
馬鹿で愚かなおまえのために、
計算問題に特化した問題集を用意した。
財務会計はこれを基礎にテキストを回していくぞ」
「ギャー! これ以上、問題集を増やさないでー!」
「この問題集は全部で300問ある。
これを本試験のある八月までに、
三周以上回すぞ。合計900問だな」
「ムリムリムリムリっ! そんなことしたら、
週刊少年●ャンプを読む時間が」
「マンガを読む時間なんて今年はないと思え。
おまえが読んでいい活字は、
問題集とテキストだけだ」
「イヤー! そんなん絶対、イヤー!
死ぬ、死んじゃいますよ、オレの心が!
せっかく アンダー・ザ・ローズ も新刊が出て
され竜 も新刊が出たのに、
じっくり読み込んでいこうと思ってたのに、
読めないなんて死ぬーっ」
わたしは床に大の字になってバタバタあばれますが、
「うるさい」
S先生はシビアに言い切り、
わたしの股●にヒールを載せました。
「このまま去●されたくなかったら、
さっさと机の前に座り、問題集を始めろ」
「いやあああ、セクハラアアア!」
オレが絶叫すると、先生の目はさらに冷たくなり、
「わたしは本気だ」
一言 言いました。もう冗談が通じるレベルじゃない。
「……お勉強させていただきます」
わたしはしおしおと椅子に座り、
当期純利益の計算を始めました。

先生は言います。
「おまえ、簿記三級は持っていたな」
「……はい。死ぬ思いをしてとりました」
当時の苦労を思い出して顔面蒼白になるオレ。
先生はさらに言います。
「なら財務会計を得意教科にしろ。
ファイナンスとアカウンティングのうち、
アカウンティングは簿記二級から一級レベルの知識があれば、
かなりやりやすいはずだ」
「おかしい、文脈がおかしいですよ!
オレが持ってるのは三級、
なのに、二級と一級があればやりやすいって、
意味が通じません」
「なんの知識もない更地の教科より、
とっつきやすいだろうが。
たとえ小数点の割り算ができないとしても」
「忘れてください、過去の過ちは!
先生は本当に、
自分に優しく、他人に厳しいッスね」
「わかればいい」
先生は書斎机に優雅に腰掛け、
執事がうやうやしく注いだ紅茶を、
オレの秘蔵のティーカップで飲みます。
「ちょ、ちょっと、気をつけてくださいよ、
そのティーカップセット、
一組で二万円はする
本物のイギリス・ヴィクトリア朝のアンティークで」
「おっと、手が滑った」
先生の手元からティーソーサーが落ちて、
床に当たって、
「カッシャン、パリンって、
オレの心の折れる音ですかー?!」
オレの絶叫が書斎に響きますが、
先生は「邪魔だな」とソーサーの破片をヒールで押しやります。
どこまで鬼ですか。
ていうか、完全に鬼ですね。

「ひとつ質問してよろしいでしょうか」
「なんだ」
「……どうしたら、先生とお別れできますか」
とうとう、わたしは自力解決をあきらめ、
戦犯である先生自身に退席の方法を訊ねました。
先生は豊かな胸の前で腕組みし、
フン、と鼻で笑いました。
「おまえが中小企業診断士に合格すること。
そうしたら、わたしも糞野郎のおまえとはお別れできる」
と言いました。
なんですと。
「てことは八月までは絶対に先生は毎週来るってことで」
「決まっているだろう」
「いやああああ!!」
ヤバイ、今年は午年、
「ウマくいく」ってシャレを何回もTVで見たけど、
「ウマく」いかないよ!
半年以上、ドSの調教が待っているよ。
オレ、ウマじゃないのに、調教されちゃうよ!

「執事、おい、執事!」
わたしは先生の下僕となってかしずいている執事を
必死に呼びます。
「先生に依頼したおばあさまなら契約解消できるだろ。
おばあさまはいまどうしてる?」
「大奥様は元旦から世界一周旅行へ行かれました。
次に日本に戻られるのは、今年の十月です」
「イヤアアアアア!」
ヤバイ、どっちをむいてもツミだ。
終わってる。
「おい、おまえ、純利益の計算、また間違ってるぞ。
足し算と引き算もできないのか。
仕方ない、算数のドリルもやることにするか」
「ヤーメーテー!」
わたしの受難はまだまだ続くようです。




以上、いつものように、トイレからの中継でした。
当たり前でしょ、ブログの更新なんてしてるって
先生と執事にバレたら、
市中引き回しの上、打ち首・獄門ですよ。
携帯でポチポチ更新するしかないです。
ホラは四割程度ですかね。
小数点の割り算のところがホラかどうかは
そっとしておいてください。
今はただ、トイレで便座で泣いているだけです。
トイレにまで勉強計画が貼ってある!
ああもう、ホント、どうしよう。
まだ一月始まったばっかなのに、
もう今年が真っ暗だよ!
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こんな男爵のことを、
「かわいそうだなあ」と思ってくれた方、
「プッ、ワロスwww」と思ってくれた方、
「今年もあいかわらずッスね」と思ってくれた方、
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追伸:ココログでいいね! してくださってる方、ありがとうございます。
 いいね!返しボタンが怖くてポッチできなくてすみません。
 今年もよろしくお願いいたします。

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