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2013年12月15日 (日)

執事日記。

このような場に出るのは、
緊張いたしますね。
わたくし、黒羊男爵家の執事でございます。
男爵様が現在 身動きができませんので、
代わりまして記録を上げさせていただきます。
ぶろぐ というものに触れるのは初めてでございます。
至らぬ点がございましたら、
どうかご容赦くださいませ。

そもそもなぜ男爵様が現在 身動きできないのかということは、
おってご説明いたします。

その前に簡単に、
わたくしとご主人様の関係を述べさせていただきます。
わたくしは先代様より黒羊家に仕えております。
ご主人様が幼いころより見守ってまいりました。

ご幼少のみぎり、ご主人様は天才だと言われておりました。
IQが高いということもありましたが、
小学生にしてシェイクスピアや聖書、ロシア文学を読まれており、
誰の目にもご主人様の異能は明らかでございました。
少々、過剰な想像が暴走するきらいがございましたが、
一を聞けば十を知るような賢いお子様でございました。
同時に、まったく底の見えないお子様でもありました。
勉強しろと言われれば勉強されるのですが、
本気でなにかに取り組まれたことはなかったように思います。
ただひたすら、毎日本ばかり読まれておりました。

十五歳になったとき、ご主人様は突然、
先代様を追放し、三代目黒羊男爵を名乗られました。
なぜ、なにがそこまでご主人様を駆り立てたのか
まったくわかりません。
お父上とは断絶し、二度と会われることもありませんでした。
わたくしの知る限り、
ご主人様の内心を理解しているものはいないように存じます。
ご主人様はいつも、突然、周囲を驚かせるような行動を取り、
一切 説明はされません。
このぶろぐも、ある日、「始めるから」という一言で作られました。

大学受験のとき、
わたくしはご主人様が通っていらした予備校の担当者の方から
ご連絡をいただきました。
唐突に突拍子もない行動をされるご主人様でございます。
わたくしはまたなにか周囲を驚かせるようなことを
されたのではないかと危惧いたしましたが、
担当者の方がおっしゃられたことは、まったく予想外の事柄でございました。
「なぜ、早稲田を受験しないんですか」
「どうしてもっと上を目指さないんですか」
わたくしは初め、なんのことを言われているのかわかりませんでしたが、
お話をうかがううちに、どうやらご主人様の進路について
担当者の方がとても戸惑っているらしいということがわかりました。
「偏差値が72以上、あるんですよ。
現国や漢文は模試では満点なんです。
英語と世界史だってずば抜けて成績はいい。
模試の全国上位者として冊子に名前が載ったこともあります。
私立だったら、一番上を狙えるところにいるんです。
国立志望に転換してもいいところを狙える。
なのになぜ、慶応、早稲田、立教などを目指さないんですか」
「存じません」
わたくしはそう申し上げることしかできませんでした。
実際、進路についてなど、うかがったことはございませんでした。

その日、帰宅されたご主人様に
担当者の方のご連絡の話を申し上げました。
「もっと上を目指されたらどうか、とおっしゃられておりました」
ご主人様は簡単に言われました。
「興味がない」
わたくしは意味がわかりませんでした。
興味がないなら、なぜ勉強されるのでしょう。
わたくしの疑問に、ご主人様は珍しく補足説明をされました。
「自分が真剣に勉強したら、どこまでいけるか知りたかっただけだ」
「学歴社会に疑問があるので、学歴がすべてと思わない」
「だけど、それで偏差値が低かったら、
ただのコンプレックスだろ。説得力がない」
「予備校でもすごく勧められたけど、受けられるけど、受けない。
学歴には興味がないから。そういうことだ」
ご主人様はそうおっしゃられて、
また勉強部屋にこもられました。
その日も夜遅くまで勉強されていました。
上の学校を目指すためではなく、
ただ自分がどこまで行けるのかを確かめるために。

ご主人様のお考えも、行動も、
常人では理解できないときがございます。
ですから、わたくしはわたくしの意見は申し上げません。
一方で、ご主人様は、世間では当たり前にできることができない方です。
自転車に乗れませんし、レジで小銭を使うこともできません。
常識を知らないので、思わず苦笑が漏れることもございます。
けれど、なにかができる方です。
お子様のころから、ご主人様は「なにかをしている」方でした。
常になにかに挑戦されておりました。
挑戦の結果、なにが得られるのか のみに集中されており、
社会的な評価は二の次なのでございます。
浮世離れしていると言えるかもしれません。
変人、なのかもしれませんね。

さて、そろそろ、ご主人様が今 身動きが取れない理由を
ご説明申し上げます。
ご主人様のところへ先週からお願いしております家庭教師の先生が
いらしているからでございます。
さきほどから書斎から悲鳴や罵声、
鈍器でなにかを打つ音などが響いております。
どのような状況になっているのか、わかりかねますが、
「中小企業診断士を取るために勉強している」とのことでございます。
ご主人様はやはり、なにかに挑戦されているのです。

お子様のころは天才と目されておりました。
今は誰もご主人様のことを天才とは言いません。
けれど、ご主人様はご主人様、
今も昔も、黒羊男爵家の三代目にふさわしい方でございます。
わたくしがこのように申し上げたことは、ご主人様には秘密でお願いいたします。
ご主人様はすぐに調子に乗られてしまいますので。
それではこのあたりで失礼いたします。




あ、申し訳ありません、
最後にホラをどの程度含んでいるのか、申し上げるのを失念しておりました。
ホラは四割程度でございます。
半分より少なく、三分の一より大目、というところでございましょうか。
わたくしは執事ですので、あまりホラを吹くことがございません。
つたないホラでございますが、
お気に召しましたら、幸いでございます。
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家庭教師の先生がお帰りになられたら、
きっとご主人様は「来週のぶろぐは自分でやる」と言われるでしょう。
わたくしの出番は、もう当分、ないようでございます。

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コメント

黒執事さん、またの登場待ってます。
黒羊さんの復活も待ってます。

jun 様、黒羊家執事でございます。
過分なお言葉を頂戴いたしまして、恐縮しております。
ぶろぐというのは、楽しいものでございますね。
ご主人様は今朝復活されましたので、
今週末にはまたぶろぐを更新されるかと存じます。
またご高覧いただければ幸いでございます。
メッセージをありがとうございます。

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