« なんのために学校に行くんですか? | トップページ | 企業が起業を機業してキギョウでギョギョウでギョギョ。 »

2013年8月 3日 (土)

だから学校へ行くんですよ。

前回のあらすじ:
 友人の息子Z君(仮称)。
 小学校五年生にして九九がいえない子ども。
 早くも登校拒否に陥り、
 毎日ゲームしていたい、学校なんて行きたくないと言い張る。
 根負けした親に頼まれて、
 「学校へ行く理由とは」から説明して説得することになったわたし。
 男爵は相変わらず絶望的な戦いに挑むことになったよ!

「しっかし、小学校五年にもなって、
なんで学校へ行かなきゃならないのか知らないなんてね。
いや、知らなくてもいいよ、
自分で考えたことがないなんてね」
わたしはZ君をあおります。
Z君はつまらなさそうに、
「面倒くさい。あーもう、ホントに面倒くさい」
と言いました。
どんだけ面倒やねん。
わたしは言います。
「あ、そうか。
君、九九がいえないって話だったけど、
本当はできないのは算数だけじゃないでしょ。
毎日ゲーム三昧で、勉強なんてしなくて、
学校も適当に行って座ってるだけなら、
国語も社会も、他の科目もみんな駄目でしょ。
つまり、君はゲームで言うなら、旅●の服状態。
スライ●が出ても負ける状態だよ」
「だって勉強なんてつまんないし。やる意味ないし」
「意味はあるんだよ」
わたしは言いました。

「さっきも言っただろ。
なぜ学校へいかなきゃならないのか。
それは生きるため。
人間は生まれたままの状態じゃ、なにもできない。
それこそ今の君みたいに、
算数も国語も、なにもかもできない。
たとえば」
わたしは手帳をちぎって「人参」と書きます。
「君、この漢字が読めないでしょ」
「……」
「こっちも無理だよね」
手帳に「壱万」「弐万」と書きます。
Z君は視線を合わせようとしません。
「ちなみに、これは「にんじん」と読みます。
つまり君は、このまま引きこもりを続けるなら、
ひとりで八百屋にすら行けない。
人参すら買えない。
シマウマを倒せないライオンはいない。
なぜなら倒せないライオンは飢えて死ぬから。
なぜならライオンですら、シマウマを倒す練習をするから。
いまはご両親の収入があるから
生きていけるかもしれない。
面倒をみてもらえるかもしれない。
でも、ご両親は君より早く死にます。
そしたら、君はどうするんだろうね。
●人の服状態で、レベル1でス●イムにも負ける君は」
「……」
「死ぬしかないだろうね。
しかも、飢えて死ぬのだから、すっごくつらくて苦しいだろうね。
まあ、君の人生だから、
わたしは、好きなようにすればいいと思うけど」

「うるさいなあ、いいんだよ、めんどくさいんだよ!」
Z君はコントローラを床に叩きつけました。
わたしは手帳をしまいます。
「いやだから、わたしは別に君が学校へ行かなくてもいいよ。
ただ、行かないと死ぬって事を言ってるだけ。
今の日本は識字率が高く、
大体の人がある程度 文字が読めて、
ある程度 計算ができる。
なにも知らない君がそんな社会で生きていくことは難しい。
つまり君の不幸は日本に生まれたということ。
ま、ゆとりがある日本だから登校拒否できるんだけどね」 
「明日のことなんて明日考えるよ。
今日が楽しければいいんだよっ」
「楽しいかい、ゲーム」
わたしはゆっくりコントローラを拾います。
「でもこのゲームはお父さんとお母さんが買ってくれたんだろ。
君の力で獲得したんじゃない。
君は自分ではなにも得ることができない。
一歩 家から出れば、君はただの無知な子ども、
世界はあっという間に君を殺すだろう。
仮に家に閉じこもったとしても……ご両親が死ねば、
君はどのみちこの家から出ざるをえない。
わかるかな。
つまり、人間はいつかは自分の力で生きなきゃならない。
そのためには知識や技術を身につけなきゃならない。
だから、みんな学校へ行く。
学歴社会ってのもあるけど、
知識や技術がなかったら、日本では生きていけない。
君は今日のために将来を殺して、
昨日のために今日を殺して生きている。
破綻することは目に見えている。
このままなら、君の人生は無理ゲーってやつさ」
「そ、そんなこと、そんなこと」
Z君はもう一度コントローラを握り、小さく言います。
「そんなこと、あるはずない……」
「あるのさ」
わたしは断言しました。
「ご両親はそこまで突っ込んで言わなかったみたいだが、
悲劇なんてものは、悲惨なことは
この世界ではそこらじゅうにある。
君みたいに自分の足元を掘り崩して生きれば、
あっという間に穴に落ちる。
今日、わたしは君に、穴に落ちることを言いに来た。
学校になぜ行かなきゃならないのか説明に来た。
ご両親に頼まれて、だ。
つまりわたしが世界から君への最後の使者だ。
これでも学校へ行かないのなら、
世界について、生きる方法について学ぼうとしないのなら、
君は将来、必ず死ぬ。
悲惨に、むごたらしく、苦しんで死ぬだろう」
「……」
Z君は完全に沈黙しました。
あれ、やりすぎたかな。

「学校なんて、そりゃめんどくさいさ」
わたしはZ君の肩を叩きました。
「けど、必要なんだ。君が生きるために。
逆に言えば、学校へ行けば選択肢が広がる。
生きる方法が見えてくる。
無理ゲーじゃなくなる。
そう思えばいい。
君の人生を誰かが、ご両親が肩代わりすることはできない。
君自身でクリアするしかない。
高学歴なら、いいってもんじゃないけど、
幸せになるために、選択肢は多いほうがいいだろうね」
わたしは腰をあげました。
「じゃあ、わたしは帰るよ。
君は君の思うとおりにすればいい。
生きたければ、生きればいい。
死にたいのなら、死ねばいい。
個人的には、小学校五年で人生やめなくてもいいと思うけどね。
大人ってのはけっこう楽しいよ。
なるのは大変だったけど、その価値はあったかな。
君みたいな子どもに偉そうなことが言えるようにはなるからね。
人生、生きたもん勝ち、幸せになったもん勝ちだよ」
「……」
わたしはZ君の返答を聞くことなく、辞去しました。(ここまでが先週)

後日、友人より連絡があり、
Z君が学校へ戻るために塾に通い始めたということを聞きました。
友人は言いました。
「男爵、Zになんて言ったの?
やけに素直に勉強するようになっちゃったよ。
すげえな」
「別に、たいしたことは言ってないよ」
わたしは答えました。
「ライオンがどうやってシマウマをとるのか、
やって見せただけだよ」




以上、ホラ九割程度で。王様の耳はロバの耳的な感じで。
Z君にとっては、ちょっと怖い話になっちゃいましたね。
まあ、夏ですからね。
涼しいくらいでちょうどいいでしょう。
正直、学校なんて、行かないですむなら誰も行かないよ。
でも行かないと死ぬから、行くしかないでしょ。
幸せになるためにね。
あくまでも今回の話はわたしの持論であって、
学校の偉い先生の理屈とは違うと思うよ。
ただ、わたしはそう思ってるってだけ。
ブログランキング参加中にて、
「ライオン、シマウマを獲った」と思われた方は
下記をクリック。

にほんブログ村 その他日記ブログ たわごとへ
にほんブログ村

« なんのために学校に行くんですか? | トップページ | 企業が起業を機業してキギョウでギョギョウでギョギョ。 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/57920544

この記事へのトラックバック一覧です: だから学校へ行くんですよ。:

« なんのために学校に行くんですか? | トップページ | 企業が起業を機業してキギョウでギョギョウでギョギョ。 »