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2012年10月 8日 (月)

結婚式って思いがけない人物に遭遇するよね。(下)

前回のあらすじ:
 結婚したいけどできない、
 肉食系地味女子佐藤さん(仮名)。
 友人の結婚式がトラウマになりつつある彼女に向かって、
 披露宴の場でなにげなくわたしが口にした、
 「もうちょっと目立てばいいんじゃないの」という一言が、
 彼女の逆鱗をささくれのように剥いてしまった。
 さあ、どうする、どうなる、黒羊男爵!

「だいたい男爵君はさあ」
佐藤さん(仮名)はワインをビール用のジョッキに
注ぎながら言いました。
「いっつも楽しそうでさあ、
苦労してなさそうでさあ、
そんなひとにあたしの辛さがわかるわけないよね。
簡単に目立てるんなら、とっくに目立ってるわ」
「いやでも、ホラ、わたしにはわたしなりの
苦労があってですね」
彼女の迫力に圧されて、なぜか敬語になるわたし。
「目立てばいいとか、アピールが足りないとか、
具体的にどうすればいいのかってところが、
すっぽ抜けてるじゃない。
どうしたら、あたしは結婚できるのよ?!」
「もっと異性の注意をひけばいいんじゃないですか」
「どうやって」
「たとえば、そうだな、うーん、えっと」
苦悩するわたし。だって男性へのアピールなんて
考えたことないし。
ジャ●プのマンガじゃどうなってたかな。
たとえばTo●ove●とか。

「あ、そうだ、ノーブラで歩いてみたら?
これは男性が二度見すると思う。
すごいアピールになると思うよ。
基本的に脱げば脱ぐほど、アピールは強いと思うけど」
「二度見するかもしれないけど、近寄ってこないでしょ!
ていうか、警察が来ちゃうでしょ」
「警官と知り合いになるのもいいんじゃないでしょうか。
警官て言えば、公務員だよ」
「どこの世界に逮捕する女と結婚する警官がいるのよ?!」
「いや、可能性はゼロではないよ。
それを言い出したら、すべての出会いに意味がなくなるよ。
なにがきっかけで結婚するかは人それぞれだし。
責任感からの結婚ってのもあるみたいだし」
「あたしは恋愛結婚したいのよっ」
「えっ」
わたしはぎょっとして佐藤さん(仮名)を見直しました。
「結婚できれば、なんでもいいんじゃないの」
「そんなわけないでしょ。
だって友達だって式には呼ぶのよ、
熱い恋愛結婚で、自慢できる相手で、
同性が嫉妬するような結婚じゃなきゃ意味がないでしょ」
「え、だって恋愛結婚で、
自慢できる相手と結婚って、相当、ハードルが高い……。
第一、自慢できる相手を結婚するためには、
そのひとに選んでもらえるように、
自分自身のスペックも相応に高くないと」
「あたしのどこが不満だってのよ?」
だん、とワイン入りビールジョッキがテーブルに
叩きつけられました。

「えっと」
わたしはつばを飲み込んでから、
喪服と見まごう地味な黒ワンピース姿で
化粧っ気の薄い
(いや、化粧してるのかもしれないけどあんまり感じない)
存在感のない彼女に言いました。
「”不満”ていうところはないと思うよ、
強いて言えば、全部、”失格”だと思うけど」
「失格ってどういうこと?!」
「だってさあ、
他人の幸福を素直に祝福できないほど、心狭くて、
相手にばっかり高いスペック求めるくせに
自分は努力しないで、
そんな自分だけに都合のいい恋愛なんて、
恋愛じゃないよ。結婚でもないよ。
ただ相手を一生、利用しようとしてるだけでしょ」
わたしは言いました。
ずばり言っちまいました。

佐藤さん(仮名)の顔色が
赤くなり、青くなり、また赤くなり、
白くなりました。
口を開いて何かを言いかけて、
それから、
バタン、と倒れてしまいました。

ヤベえ!
わたしの親友・兄貴の結婚式が台無しになる。
わたしはあわてて佐藤さん(仮名)を
肩に担ぎ、
「ちょっと気分が悪いみたいなんで、
休ませてきますね」と言って、
彼女を引きずって披露宴会場を後にしました。
ホテルの人が駆け寄ってきたので、
「すみません、救急車呼んでもらえますか。
あと拘束衣も用意したほうがいいかも。
いまはアルコールが効いて寝てますが、
大変危険な状態です。
目覚めると暴れると思います」
と説明しました。
ホテルの人は驚いたようすで
「わかりました、救急車を呼びましょう。
念のため、お客様のお名前とご連絡先を
うかがってもよろしいですか」
と言ったので、わたしは
「すみません、たまたまテーブルが近かっただけの
赤の他人なんです。
この女性の名前も知りません。
後はよろしくお願いします」
と言って、佐藤さん(仮名)をホテルマンに押しつけると、
その足で披露宴会場のあるホテルから出ました。
ごめんね、兄貴、最後まで披露宴に
列席できなくて、本当にごめんね。
でも、バナナワニ級の超危険人物を披露宴から
排除したから、それで許して。

てなわけで、わたしは足早に帰宅し、
ブログに一部始終をUPしてるというわけです。
あれから佐藤さん(仮名)がどうなったかは
わかりません。
ですが、もうわたしは同窓会には行きません。
万一出会ってしまったら、
血の雨が降ると思うからです。主にわたしの。




以上、ホラ八割程度で。
「結婚したい」って願望が先立ってあせるのは
仕方ないと思う。それはわかる。
けど、相手にばっかり高スペック求めたり、
熱い恋愛結婚じゃなきゃ自慢できないと思ったりするのって、
なんか違くない?
わたしだったら、そういう女性には惹かれないですね。
なんて言うのかな、わたしのたわごとに笑ってくれるような、
笑顔がかわいい女性のほうがいいです。
もしくは、女性じゃなくてもいいです。
気があって一生一緒に居て楽しければ、
同性でも異性でも、いいんじゃないかな。
最低限の経済力は必要だけど、
派手な結婚式なんかいらないよ。
……って思ったんだけど、みんなはどうかな?
わたしは少数派なのかなあ。
でもまあ、独身主義なんで、少数派でもかまいませんけどね。
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