« 男爵、デビューし、現在 入院中。 | トップページ | 少女の悲鳴と男爵の絶叫。(下) »

2012年4月27日 (金)

少女の悲鳴と男爵の絶叫。(上)

さて、現在 入院中のわたしですが。
ヒマでヒマで仕方がない。
こういうときは、
得意の妄想にひたって現実逃避するのが
お金もかからず、リーズナブルでいいのですが、
あんましそういう気分じゃないときもある。
今日はそんな感じでした。
雨も降ってて、気分がふさぎがち。
萌え萌えな雰囲気にならない。
今週のジャンプは合併号だったから、
来週の月曜日に発売はないしな。
あー、だるーい……。

ベッドにひっくり返って、
天井の模様を数えようとしたとき、
「……君、お名前は?」
逆転している視界に、
少女がひとり飛び込んできました。
正確には病室の入り口に、立っていました。
見たことない子ですが、
いま入院しているのは「斉藤君」(※わたしの入院仲間)が
いる、いつものホームグラウンドな病院ではないため、
知らない人のほうが多い。
別にその女の子に見覚えがなくても不思議はありません。

「人に名前を聞くときは、自分から名乗るんじゃないの?」
女の子は言いました。
「そりゃそうだね。君のご両親はしっかりした人たちらしい」
わたしは仰向けからうつぶせになって、
ベッドにだらっと垂れ下がって自己紹介しました。
「わたしは黒羊男爵。祖父の代から由緒正しい、
ホラ吹き男爵だよ。
たくさんの嘘と、たまに真実を言うよ。
タチが悪いから気をつけてね」
「嘘つきなの?」
「うん。とっても。
正確にはホラ吹きだけど、
まあ、君くらいの年齢の子から見たら、嘘つきだね。
たぶん、君が今まで会ったことないくらい
嘘つきだよ。で、君のお名前は?」
「各務硝子」
「かがみしょうこ? なんだか難しい名前だね。
君、この病院には長いの?」
「もうずっと入院しているわ」
「なんて病気なの? あ、ちなみにわたしは●●●病です」
わたしは気軽に自分の病名を告知し、
返事に少女の病名を聞いて納得しました。
そりゃ、入院するわ。
彼女の病名はそれなりに難病でした。
「実はわたし、お姉ちゃんがいたんだけど」
「うん」
「お姉ちゃんもおんなじ病気で、入院してた。
やっぱりここに」
「うん」
いったい何が言いたいのかな?
わたしはうつ伏せから横向きになって、
適当に相槌をうちながら話半分に彼女の言葉を聞きます。

「お姉ちゃん、まえ言っていたの。
鏡を見ると、赤い唇の女の子が、自分の後ろに見えるって。
その子がだんだん近づいてくるって。
わたし、信じてなかった。
でも、お姉ちゃんはすごく怖がってて」
「ほほう、で?」
わたしはとても興味をそそられて、
ベッドの上に座りなおして、初めて少女を正面から見ました。
彼女は痩せた、目の大きな少女でした。
「ある日、お姉ちゃんの肩に、女の子が手を置いたって。
「捕まえた」って口を動かしたって、泣きながら話してて。
そしたら、その日に、病気が急変して、
お姉ちゃんは死んじゃったの」
「……ふぅん?」
少女は涙をこぼし始めました。
「それからしばらくして、わたし、気づいちゃったの。
鏡を見ると、遠くに人影が映ってるって。
だんだん近づいてくるの。
そうなの、その女の子なの。
次は、次はわたしの番なの……!
お願い、男爵さん、助けて……!」
少女は小さく叫びます。

その叫びに、わたしはこらえきれない衝動に駆られて
思わず口を開きました。




以上、ホラ九割程度で。
(下)に続きます。
ブログランキング参加中にて、
お気に召したら、下記をクリック。

にほんブログ村 その他日記ブログ たわごとへ
にほんブログ村

« 男爵、デビューし、現在 入院中。 | トップページ | 少女の悲鳴と男爵の絶叫。(下) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

ホラと分かっていながら、
怖いんですけど―(@@)
最近、暑いからですか?
真夏のホラ―企画ですか?
おちがあることを願います・・・

junさん、こんにちは!
え、怖いですか。わたし的にはまだまだ「甘い」ですけど。
邪神神話よりだいぶユルイですけど。
この話のラストは、えと、オチは今日載せる予定です。
うまくいけばですが。
最後まで読んでやってください。
コメント、ありがとうございました!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/54574136

この記事へのトラックバック一覧です: 少女の悲鳴と男爵の絶叫。(上):

« 男爵、デビューし、現在 入院中。 | トップページ | 少女の悲鳴と男爵の絶叫。(下) »