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2012年2月14日 (火)

フード・アサシンの旅立ち。そして伝説へ。

ついにこの日がやってきました。
決戦の火曜日・バレンタインデー。
思えば、去年のバレンタインは
婚約者に自称トリュフの泥団子を喰わされて
病院送りになっていました。
そして今年は。
我が愛弟子・A子ちゃんの恋の行方が
気になります。

A子ちゃんはレベル3のフード・アサシン。
作る食べ物で他人を不幸にするというスキルの持ち主でした。
でもA子ちゃんだって、お年頃。(13歳)
好きな人に手作りチョコをプレゼントして
告白したい。
そう願って、わたしのところへ弟子入りし、
チョコレート作りを勉強しました。
ていうか、要するに、「レシピ通りに作れ」っつーことを
徹底的に叩き込んだだけです。
材料は計量しろ。
チョコレートは直火で煮るな。
余計なもの(隠し味)は入れるな。
以上、三点を徹底すれば、まともなチョコができるはず。

ですが、さすがに十三歳ですし、
なんつっても天性のフード・アサシンですから、
わたしは、難しいレシピは無理と判断しました。
温度管理が必要なトリュフとか、不可能。
そこで、
焼きっぱなしのチョコレートケーキか、
冷やすだけのチョコムースがよいのではないかと提案。
彼女なりに完成図を作って、
一生懸命考えて、
今年はチョコムースを作ることになりました。
で、先週末、特訓し。
昨夜 写真が届きました。
A子ちゃんの渾身の作品です。

120214_2041002

おお! ちょっと見てくれは悪いが、
チョコレートムースに見える!
かつては歯が折れる硬度のカラい
チョコらしき物体を作っていたというのに。
頑張った、A子ちゃんは頑張ったよ!!
わたしは弟子の成長ぶりに感激し、
叱咤激励するメールを返信しました。

今日、さっき、電話がありました。
以下、A子ちゃん=A、わたし=Wです。
A:「いままでありがとうございました」
W:「いや、気にしなくていいよ、それより、
本当に頑張ったね、A子ちゃん」
A:「……」
W:「(あれ……?)」
彼女は今日、チョコムースを持っていって告白したはず。
この妙な間はなんだろう。
まさか。
散ってしまったのだろうか……。
そりゃまぁ、ダメなときはどんなにいい物を持っていても、
ダメなのが告白である。
A:(電話口で泣き始める)
W:「ど、どうしたの、A子ちゃん」
A:「ごめんなさい」
W:「なにが?」
A:「せっかく教えてもらったのに、根本的に無理だからって、
言われちゃいました……」
W:(なにーっつっ?!)
「根本的に無理」って。
あんだけ特訓して、それなりのブツができたというのに、
彼女はフード・アサシンを卒業したと思ったのに、
「無理」て。
送られてきた写真の見た目はまともなチョコムースだったけど、
やっぱり味が、その、あの、まずかったのだろうか?
A:「ありえない、ごめんなさいって、言われちゃいました……」
W:「A、A子ちゃん、それはチョコムースが」
わたしは冷や汗をかきながら尋ね、
A子ちゃんの次の言葉に絶句しました。

「女の子同士は無理だから、って言われちゃいました」

えええええええっつっつ?!
ちょ、ちょっと待って、
A子ちゃん、君は好きな男子の為に
チョコを作っていたんじゃないの?
W:「じゃ、じゃあチョコムースは」
A:「食べてもらえませんでした。おうちで、お母さんと食べました。
お母さんは「おいしい」って言ってくれました」
切ない。切な過ぎるよ、A子ちゃん。
フード・アサシンを卒業したと思ったのに、
同性愛者に入学だなんて。
いや、わたしは同性愛に対して偏見はありません。
恋愛の形なんて自由だと思うし、あってもいいと思います。
ただ、やっぱり、片思いが多いんだろうなぁとは思います。
なかなか成就しないよね。
A子ちゃんは13歳で、デビューして、そして散りました。

W:「俺は君の事は絶対に忘れないよ、A子ちゃん」
わたしは愛弟子に語りかけました。
W:「君はベストを尽くした。今回は実らない恋だったけど……。
でも、絶対にあの努力はムダじゃない。
その証拠に、お母さんだって、おいしいって言ってくれたんでしょ」
A:「はい」
W:「君はフード・アサシンを卒業した。もう真人間になったんだ。
これからはきっとたくさん、おいしいものを作れるようになる。
いつか、大好きな誰かに料理を食べてもらって、
「ありがとう、君が好きだよ」って、
必ず言ってもらえる日が来る。
これは本当だよ。本当に、そうなるんだよ。
いまはとてもそんな風に思えないかもしれないけど、
でも、本当なんだ。
だから、また修行においで。
今度はふたりで、スポンジケーキを焼こう」
A:「今日のチョコムース、本当においしかったです。涙の味でしたけど」

それから、A子ちゃんはわたしに丁寧にお礼を言って、
電話を切りました。
いい子だね。A子ちゃんはいい子だよ。
同性愛だろうが、異性愛だろうが、
フッた人間は後悔するといい。
きっと、彼女は彼女の価値にふさわしい人に愛されるでしょう。
わたしが電話で約束した日が必ず来るでしょう。
恋する女の子の物語は、「めでたしめでたし」で終わるべきだからね。
どんな伝説でもね。



といっても、わたしはホラ吹きなんで、
いくら「本当だよ」って言っても、ホラなんですけどね。
台無しですね。
でもまあ、ひとりの乙女の涙を少しでも軽くできたのなら、
嘘だってホラだってついていいじゃない。
てなわけで、以上、ホラ八割くらいで。
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魔法使いのおばあさん直伝のシャランラ♪(DIY日記)」カテゴリの記事

コメント

ムースの写真見て、
「これはうまく行った!」
と思ったのに、
見事に期待を裏切られました。

でも、アサシンからは卒業できたようで
よかったですね(^^)
近いうちに、幸せが来るはず!
がんばれ~Aちゃん。

バレンタインデー。
豆腐小僧が豆腐持ってきました。
玉子豆腐だったから、
本命豆腐なのかもしれません。

えぇええっ!
junさん、それ、豆腐小僧のプロポーズですよ!
玉子豆腐=「魂(たま)の豆腐」なんです。
一反木綿がハサミ持ってくる覚悟と一緒です。
どうか真摯に対応してあげてください。
junさんがお断りになっても悔いがないくらい、
小僧は本気だと思います。
junさんはやっぱりとっても魅力的なんだろうな…。
コメントありがとうございました!

えぇええっ!!
それは、分からなかった!!!
「玉子豆腐は好きだけど、豆腐はねえ・・・」
と言ったら、悲しそうにどこかへ行きました。
悪い事をしてしまいました。
でも、しょうがないかな。
黒羊様。バレンタインデー届きましたか??
ホワイトデーは、スペシャルでお願いします☆

junさん、こんにちは!
バレンタインはありがとうございました。
無事にチョコレートが届き、責任をもっていただきました。
が。
すみません、チョコの甘みに混ざって、
なんか黒くて硬いものが
じゃりじゃりとした舌触りで口の中に残ったんですけど、
あれ、陶器の欠片ですか?
可食物ではないようでしたが。どこで混入したんでしょうか。
あの、junさん、チョコの味見は……。
でも! お気持ちは!! 痛いほど、沁みましたので、
ホワイトデーにはご期待ください。
コメントありがとうございました(^ ^)/

あら!直火焙煎で作ったので、
こげたのは取ったはずだったんですが・・・
味見はしない主義なので・・・・
隠し味のタバスコは効いていましたか?
痛いほど伝わってよかったです。

ホワイトチョコレート希望です。
あ!トリフで!!

junさん、こんにちは。
ああああああ、やっぱり、あの舌に残る辛味は
タバスコ……。
そんな予感はしてました。
だって、A子ちゃんのチョコと同じ匂いがしましたもの(涙)。
ホワイトデーにはホワイトチョコですね、
了解です!
頑張って用意しますね。
コメント、ありがとうございました!

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