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2011年9月 2日 (金)

このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――銀の匙

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は 銀の匙 で。


なぜに 鋼の錬金術師 ではないのかと思われるかもしれないが、
そもそもこの連載を知らない人もいるかもしれないので、
(サンデーだから、そんなひと滅多にいないと思うけど)
周知の意味で、 銀の匙 で。
いやー、荒川様なら、 鋼の錬金術師 かなあとも思ったんです。
取り上げるんなら。
錬金術には興味があって、いろいろ本も持ってるし、
やったこともあるし、
語りたいことはたくさんあった。
でも、知名度がある 鋼の錬金術師 よりも、
知名度が(じゃんかん低い) 銀の匙 をみなさまに勧めたいと思ったので。

自分の学生時代を振り返り、懐かしいと思いながら、
ストーリー紹介。
主人公はごく普通の一般ピープル。
だが、思うところがあり、農業高校に進学した。
ところが、その農業高校は一般ピープルの常識を
はるかに凌駕した場所だった。
逃げる子牛、早朝の実習、首ちょんぱされて殺される鶏、
肛門からひりだされる鶏卵、初めて触る牛・馬、子豚の去勢、
二十キロの校内マラソン、ゴミ拾い。
すべての内容が、主人公には未知の領域であり、
彼は学校と生徒たちに翻弄されながら、
がんばって寮生活を続けるのだ。――って話。
今のところは。

なんだか読んでて、 女二人のニューギニア を思い出した。
(※ 女二人のニューギニア の紹介は下記。)
http://blacksheep.txt-nifty.com/blog/2010/11/page3-6f8e.html
未知なるものに対する、一般人の拒絶反応と過剰反応は
似ているな。

あと、読んでて、スイスの母校がちょっと懐かしくなった。
主人公が入学した農業高校に似てるんですよ。
ええと、わたしが入学した学校は、
メインキャッチフレーズが「自然が豊か」でした。
一応、お貴族学校なのだが、
敷地は広大で果てが目視できず、自然林が広がり、
鹿・熊が出る。(警告看板がある)
職員の一部はライフルを所持。
敷地内には川が流れている。
鱒が釣れるよ。
噂では学校の敷地は、陸軍の敷地とゴルフ場の敷地に挟まれているらしい。
陸軍のほうから、砲弾の着弾音が聞こえることがある。
新入生校内オリエンテーリング と称して、
一年のときに、学校の敷地のとてつもねえ距離を
コンパス頼りに時間を競って歩く。
途中、陸軍がやってる訓練と同じ山越えがある
(角度が急すぎてオリエンテーリングなのに歩けず、
匍匐前進で山を越える)。
食堂で出てくる野菜・果物類はすべて学校内の自給自足、
果物泥棒が出る(飢えた寮の生徒が盗む)ので、
先生が畑を警邏して泥棒を摘発。

わたしの母校は農業高校ではなく、
普通の高校(むしろお貴族学校だから、ハイソなはず)なのに、
こんな感じで、入学した日から、わたしの顎は落ちっぱなし。
小学校からの持ち上がり組みはもう慣れた感じで、
ああうん、まあねって流してましたけど、
フロム・ジャパンの普通の学校から来たわたしは、
ナニコレ、お貴族ってどういうものなの? って思いました。
とにかく、とてつもない田舎だったんです。規模が違う。
いろんな意味で、現代日本人には異世界だった。
一応、貴族として、乗馬やダンスも習うのだが、
早朝の馬の世話や地道なダンスのレッスンなど、
華美な貴族生活からは想像できない努力が求められる。
ダンスも慣れれば楽しいが、慣れるまでが鬼。
ワルツだのフォックストロットだの、
足と背中がつりそうになりながらの猛特訓。しかも笑顔で!
厳格なテーブルマナー。ナイフとフォークだけでリンゴ剥くの、
めっちゃくちゃ大変やで!
キリスト教系だから、早朝からミサがある。
ミサで歌われる賛美歌は全部ラテン語。
司祭が唱える歌唱形式の文言もラテン語。
意味なんかわかるか。
賛美歌の数は半端なく、それだけで一冊の本になってる。
キリスト教の祝祭日に行われる特別ミサには、
でかいゼンマイ(山菜の)みたいな杖持った司教が
司教区からやってくる。
学校には修道院が併設されており、
シスターもいるんで、季節折々のミサ・儀式がある。
ご飯を食べる前にはお祈り、
朝礼の後にもお祈り、
終礼の後にもお祈り、
寝る前にもお祈り、
おまえら、どんだけ神頼みすれば気が済むんじゃ!
しかもお祈りの内容は全部違うよ!
もちろん、暗記要!
学校におかれている絵画は複製とはいえ、
ラファエロ、ティツィアーノ、ダ・ビンチ。
ピエタがそのまんま置いてある。
行動の目安になるのは、時計じゃなくて、
塔の鐘の音。(塔がある)
学校敷地内には教会・墓地(!)まであり、
修道院で亡くなったシスターが永眠している。

こんな感じの学校だったので、
日本に戻って普通の大学入って、
友達ができたとき、
「どんな高校だったの?」と訊かれたら、
もう答えようがない。
いや、一生懸命答えても、
「フィクション?」とか言われちゃう。
「マンガでありそうだね、アハハ」って返される。
マリア様が見てる を地で行ってました。
あまりにも突き抜けているので、
常人には理解してもらえない。
銀の匙 の主人公の気持ちが、方向性は違うけど、
ちょっとわかるよ。
オレもそうだったよ、初めて見たときはそうだった。
なにもかもがありえない、そう思ったよ……。

銀の匙 の主人公の同級生たちはみんな、
将来の夢・方向性が決まってる。
そりゃ農業高校をわざわざ選んでるんだから、
決まってるよね。
けど、主人公だけは「……」で決まってない。
この気持ちも、わかる。
お貴族学校では、将来なんて既定事項。
だって結婚相手まで決まってるんだから。
学校出た後、どうやって生きるか、
みんな当然のようにのたまう。
「爵位とマナーハウスを継いで、地主」
「婚約者と結婚して、モナコに住む」
「ジェット族」
(※ジェット族とは、世界中をジェット機で旅行しながら、
旅に生きる超金持ちのこと。所持金ハンパない)
オレだけ、異端児。
うん、たぶん、オレは日本に戻って、
大学出るかな。そのあとはわかんない。
(この時点で高校一年なので、大学以降のことは見通しが立たない)
へえ、卒業後、イギリスに来る機会があったら、
ウチの領地に遊びにおいでよ。
歓迎するよ!
ありがとう。イギリス旅行なんてできるかな……。
(我が家は貧乏貴族)
自分と周囲のこの温度差は、なかなかツラいもんがある。
銀の匙 の今後の主人公の動向に注目。

今から思えば、おもしろい高校生活でした。
滅多にできない経験をたくさんしたよ。
でもさ、そりゃ「今から思えば」なんであって、
当時はもう周囲についていくだけで、
イッパイイッパイなんだよね。
わたしのこの学校生活のことを
「小説に書いたら?」と薦められたこともあるが、
出版社の人に学校生活を説明したら、
「そんなありがちなフィクション、売れませんよ」って言われた。
笑う大天使 とか マリア様が見てる とかで
お貴族ハイソ学校なんて、とっくに世に出てる。
だから、新鮮味がないって言われた。
……実体験なんだけどね。
現実って難しいね。

そんな感じで、今後も 銀の匙 に注目していく感じで
今回は終わり。
ホラは四割くらいかな。
日本人の「ありえねえ」って、けっこう「ありえる」んですよ。
世界はいろいろおもしろいよ。
人生を広げる意味で、いろんな経験ができるといいかもね。

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