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2011年8月 7日 (日)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――オリエント急行の殺人事件

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = オリエント急行の殺人事件 で。
そしてだれもいなくなった もありだけど、
わたし的な衝撃度は オリエント急行 のほうがあったので。
小学生の手が震えましたよ。名作。傑作です。
アガサ・クリスティ様は偉大な作家です。

上記はわたしが持ってるやつとは違うけど、ご参考まで。

季節外れもはなはだしいストーリー紹介。
舞台は真冬のヨーロッパ。すげえ寒い。
ヨーロッパを横断するオリエント急行が
豪雪の中で立ち往生する。
そのオリエント急行の中で、とあるアメリカ人が死亡した。
めった刺しの他殺だ。
雪の中の列車の一両という、密室の中で、
限られた登場人物の中から、犯人を探し出せ。
難解な状況だが、もちろん、犯人逮捕は不可能ではない。
なぜなら、灰色の脳細胞を持つ男 エルキュール・ポアロが
乗り合わせていたのだから――って話。

クるね、すっげえ、クるね。
オリエント急行という、ちょっと旅情をそそる言葉の響き、
雪の中の列車(ある種 密室)という舞台、
特徴があり、性格描写がおもしろい登場人物たち、
魅力的な、かつ引力的な、話の展開。
どこをとっても、おもしろい!
クリスティ様の人物描写は的確で、
最小限の描写で最大限の読者の想像力を動かす。
もちろん、読者が犯人を指摘することも不可能ではない。
不可能ではないのだよ、
じょじょに明らかになっていく真実を的確に捉えていたら。

つうか、最後のポアロの説明のところで、
ポアロの説明が七割済んだくらいのところで、
「え、ええっ、えええっ」って身震いが来て、
八割で、
「えええええええっ」ってなって、
九割で、
「そんなことって、あるの?!」と真実に気づいて手が震える。
この話のオチは言われるまでまったく気づかないんじゃないんです。
(容疑者Xの献身 は言われるまで気づかない)
ポアロの台詞から予想できる事態に、
話に参加して考えている読者は愕然とするんです。
自分もポアロの立場で、ポアロの目線で
すべてを見直して、気づくんです。
この話、読者は本を買った単なるお客さんじゃありません。
ポアロの分身、ポアロよりちょっと先に真実に気づく、
もうひとりの探偵になりきって話に参加できるんです。
すっごいよ、この話は、本当に傑作です。
クリスティ様の話の展開のうまさが
もう異常。
ただでさえ、すさまじいオチなのに、
そこへもっていくまでのクリスティ様の
ストーリーテリングが強力すぎて、
読者は自ら真実に気づいて、唖然とします。
世界で一番おもしろい推理小説はなに? と言われたら、
わたしは、この話を挙げるかもしれない。
容疑者X も捨てがたいが、
クリスティ様のオリジナリティの強さ、
レベルの、クオリティの高さ には脱帽。

ちなみに、シャーロック・ホームズ は別枠です。
あっちは世界一の探偵です。
その意味じゃ、ポアロは残念ながら、
世界一の探偵じゃありません。(わたしにとっては)
その代わり、
オリエント急行は 世界一の推理小説かも。(わたしにとっては)
初めて読んだのは小学生のときでしたが、
最後、マジで手が震えたもんね。
ページが、ページがめくれない!
ポアロの台詞を追う視線が、脳が考える結末の予想に追いつかない!
ポアロの推理に先んじて、想像が突っ走ります。
クリスティ様は、読者の想像力をいかに動かすかということを
よくご存知だった。
あと、作品のネーミングセンスが素晴らしいよね。
動く指 とか、 鏡は横にひび割れて とか、
意味深で思わせぶりなネーミングが素敵。
(もちろん、「ああああ、だから、このタイトルだったのか……」と
読後にわかる)

今回、 オリエント急行 を紹介してしまったので、
今後 クリスティ様の著書はたぶん紹介しないのだが、
ポアロのクリスマス もよかったな。
クリスマスシーズンに紹介したかったですね。
あと、ミス・マープル物も好きなんで、
そっちも紹介したかったかも。
ポアロ物なら、 カーテン なんかもしみじみとするのだが、
ミス・マープルだったら、なにかなあ。
全部好きだからなあ。スリーピング・マーダー とかかな。
探偵としては、 シャーロック・ホームズ という
突出したキャラクターが歴史上すでにいて、
新しく、斬新な探偵キャラを作るのは難しいと思ってましたが、
クリスティ様はミス・マープルでわたしの度肝を抜きました。
誰が想像したよ、こんな普通のおばあちゃんが
稀代の名探偵なんて。
ミス・マープルはおばあちゃんなのに、
すごい推理力を持っているのだが、
それはおばあちゃん(オールド・ミス)ゆえに持っている能力で、
説得力がある。
大好き。ミス・マープル大好き。
ポアロも、もちろん好きですけどね。

だってわたしは、ポアロとは気が合うからね。
ポアロもわたしと同じで、「快適」が好きで、不快が嫌い。
オールセントラルヒーティングが好きで、
甘いもの・おいしいものが好きで、
ちょっと皮肉屋で、でも友人思いで、
ていうか、ポアロの性格について語りだすと、
このブログ、終わらねえよ。
ポアロの性格とヒゲと頭の形について語りだすと、
あと三時間くらい、話してると思います。
それだけ魅力的なキャラクターなんだね。
やっぱり、クリスティ様はスゴイ作家だった。
推理物として、話がスゴイ作家様はいる。(話萌え)
推理物として、キャラがスゴイ作家様もいる。(キャラ萌え)
だが、話とキャラの両方が高レベルな作家様は
やっぱり稀だと思います。
さらに、物語として、
ストーリーテリングの腕まで問い始めたら、
わたしの中では、クリスティ様が
ミステリーの女王陛下ですね。
アガサ・クリスティ様の物語は、
小学生のころから読んでるんで、もう刷り込み状態です。
わたしはクリスティ王国の臣民です。
女王陛下、万歳。万々歳。

本当に、オリエント急行 読んでない推理好きは
損してると思うなー。
まあ、いまの日本の出版状況だと(新本格以降)
オリエント急行 が発表された当時ほど、
オリエント急行 の凄さはないかもしれないけど、
(先がわかる~、意外性がない~ など)
小学生の脳みそには刺激が強すぎました。
完璧に、洗脳されました。
騙されたと思って、オリエント急行 読んでみて下さい。
読み終わったら、
「なんだよ、畜生、騙された」って、言うかもしれないけど。
わたしは自分の言動に責任はとらないけどね。
はい、いっさい、責任はとりません。
誇りをもって、誓えます。

そんな感じで、今回は終わり~。
ホラは三割くらいですね。
洗脳されてる人間が、一心に宣伝しても
説得力がないかもねー。
それでもいいのさ、別に説得力がなくてもいいのさ。
わたしは オリエント急行 持って幸せだから、
それでいいのさ。
あなたが幸せになるかどうかは、あなた次第。
でも、オリエント急行 はお勧めだよ!
騙されてもいいひとは、騙されてください。

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