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2011年2月 7日 (月)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――タランと角の王

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = タランと角の王 で。


ロイド・アリグザンダー様のプリデイン物語シリーズですね。
名作です。
個人的には、指輪物語 と並ぶレベルのファンタジーだと思ってる。

思い込みによるストーリー紹介。
主人公・タランはくさっていた。
タランは冒険したい年頃の男の子。
なのに、養い親のところでやらせてもらえるのは
農作業ばかり。
こんなんじゃやってられないよ、というタランに、
農作業の師匠が「じゃあ、おまえにも立派な役職をやろう」と
つけた役職名が「豚飼育補佐」。
(豚飼育補佐て! ある意味、大人ってひどいな)
ところが、情勢が変わり、
豚飼育補佐・タランは本物の戦争に巻きこまれてしまう。
邪悪な闇の軍勢との戦争だ。
冒険はしたい年頃だが、
普通の少年でしかない豚飼育補佐は
どこまで頑張れるのか。
どこまで昇ることができるのか。
がんばれ、豚飼育補佐――って話。

一冊を通じて、タランの成長ぶりがわかる物語。
最終的には、タランは自分が忌々しいと思っていた
平和な農場の価値がわかるようになる。
血を血で洗うような、残虐な本物の戦闘を経験して、
農場の美しさと尊さがわかるようになる。
同時に、帰ってきたとき、冒険前よりも故郷の農場が
小さく感じられてとまどう。
自分が成長したから、
小さく見えるようになっちゃったんですね。
このあたりの描写も、細かくて丁寧です。
ああ、タランが成長したんだなあって実感できます。

この本は、小学校高学年から中学生くらいの男の子に
読ませたい本だな。冒険したい年頃に読ませたい。
冒険したい心はわかる。
わたしもそうだった。
冒険が悪いとは言わぬ。
実際、冒険しないとわからないものもある。
たとえば、一般的な日常にも、とても価値があるのだ。
現実問題、世界で日本みたいな平和な日常を送ってる国は少ない。
その価値がわからないのは、悲しいよな。
その価値を知るために、冒険をしてみてもいいと思う。
多少のムチャはありでしょ。

ただ、現代日本では冒険の機会があまりないね。
邪悪な魔王とかいないんでね。
でも、タランとは違う意味の冒険なら、日本でできると思います。
つまり成長するような経験ってこと。
これならなにか事件があれば、日常的にできるよね。
友達の転校でも、親の夫婦喧嘩でも、捨て犬の飼い主探しでも、
経験値があがれば、冒険です。
で、冒険するときにはひとりじゃないほうがいい。
素敵な仲間と一緒がいいよな。
指輪物語 だって、最初の副題は「旅の仲間」でしょ。
あれだって、フロド一人旅だったら、話が成立しないよ。
たぶん早々とフロドが死んじゃって、それで終わり。
冒険するとき、仲間って大事。
いい仲間と友達でいられるといいですね。

プリデイン物語には魅力的な仲間・脇役が
何人も出てきますが、
わたしが大好きなのは、フルダー・フラム。
彼は小さな王国の王様なんですが、吟遊詩人にあこがれて、
王国を飛び出して放浪中。
ちゃんと歌も歌ったりしますが、
問題なのは、彼の虚言癖。
そう、フルダーには物事を拡大して表現してしまうという癖があり、
虚言を発するたびに、抱えてる竪琴の糸が切れる。
彼の竪琴は真実(まこと)の竪琴といい、
持ち主の虚言に反応して糸が切れてしまうのだ。
つまり虚言だったということが、周囲にバレバレ。
恐ろしい竪琴ですね。リトマス試験紙みたいな楽器ですね。
たぶん、わたしが持っていても、糸が切れまくりですね。
フルダーの苦労が他人事とは思えない。
真実というのは、難しいもんです。
つらい真実には、表現を和らげた虚言を
混ぜたほうがいい場合もあると思いますが、
竪琴はそんなこと、気にしません。
フルダーが表現に苦悩するデリケートな問題でも、
ブッツンブッツン、糸が切れます。
いや、物としては、とてもいい竪琴なんですよ。
この竪琴で奏でられる調べはいいし。
ただ、持ち主との相性にちょっと問題があるんですな。
シリーズの最終巻で、最終的に、
この竪琴はすごくいい味を出して終わるのですが、
フルダーはちょっとさびしそうだった。
そうだよね、いわばフルダーがボケで
竪琴がツッコミのような感じだからね。
フルダーと竪琴は、いいボケとツッコミです。

このプリデイン物語シリーズを読み進んでいくと、
フルダーの相棒になる巨大猫が出てきます。
このニャンコがかわいいのだ。
フルダーの曲が大好きで、
フルダーのあとについて回る。
ナルニア のリーピチープと並ぶくらい、
わたしはこの巨大猫が好きですね。
ホント、ナルニア の次はプリデイン物語を
映画化してくれないかなあ。
いいと思うんだけどなあ。

あのねえ、いいファンタジーって本当にあるよ。
たくさんあるよ。
ナルニア や 指輪物語 だって抜きん出て
いいファンタジーだけど、
ほかにもたくさん、たくさん、「これは読んどけ」って
ファンタジーがあります。
今回とりあげた プリデイン物語 もそうだし、
砂の妖精 とか、ふしぎな虫たちの国 とか、
喜びの箱 とか、ニルスのふしぎな旅 とか、
もちろん、モモ と はてしない物語 もそうだ。
本棚を調べなくてもこれくらいは名前が出てくる。
本棚を調べたら、もっと出てくるよ。
経験値があがる=冒険なら、
究極的には 運命的な一冊にめぐりあう ってのも冒険だと思う。
その読書体験で、今後の人生が変わるなら、
それはもう冒険ですね。
ただやっぱり冒険はひとりじゃねぇ~。仲間がいないとな~。
読書はそういう意味では、ちょっとさびしいかも。
あ、それだったら、その本読んだあとに、
友達に本を貸すといいよ。読書体験を共有するといいよ。
で、みんなでその本についてああだこうだ話し合う。
これは楽しいです。お勧めです。
やってみれば。

今日はホラ三割くらいですかね。半分くらいは真実かな。
いつもよりホラが少ない感じだ。
でもフルダーの竪琴は1%でも虚言が入ると、
糸が切れます。
だから、今日のブログでもやっぱり、糸は切れると思います。
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コメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。

履歴書の書き方様、こんばんは。
プリデイン物語シリーズは思い入れもあるので、
コメントいただけて本当に嬉しいです。
このシリーズは楽しくて、でも考えさせられる
ファンタジーです。
もし読まれたら、ぜひ感想を教えてください。
わたしはここでピーヒャラ ホラを吹いておりますので。
コメントはいつでも大歓迎です。
また遊びにきてくださいませ。
コメントありがとうございます!

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