« このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――ヘタリア | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――るろうに剣心 »

2011年2月 9日 (水)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――レッド・ドラゴン

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = レッド・ドラゴン で。


トマス・ハリス様の傑作。
好きすぎて、引用されてるウィリアム・ブレイクの詩集まで
買ってしまいました。
そんくらいファンです。

いまさらながら、ひょびったストーリー紹介。
全米で起きた連続殺人事件。
その捜査に乗り出した元FBI捜査官のグレアムは
事件解決のヒントを得るために、
かつて自分が逮捕したハンニバル・レクターに面会する。
そして事件は――って話。

レクター博士シリーズは、
羊たちの沈黙、レッド・ドラゴン、ハンニバル、ハンニバル・ライジング
ってな具合にありますが、
(順不同。漏れてるのがあったら、ぜひ教えて!!)
全部 好きですね。
なぜなら、レクター博士の考え方って、
とっても自分になじみがいいので。
頭の中に宮殿を造ったりするの、
昔わたしもやってました。
勝手に宮殿を作って、ここはなんの部屋、そっちはなんの部屋って、
記憶を割り振っていくのだ。
これやると忘れにくくなる。

レクター博士について語ると長い。
わたしが思うに、
レクター博士の一番怖いところは、「共感できる」ところです。
これはわたしだけかもしれませんが、
正直、わたしの中にもレクター博士は住んでます。
善悪を超越した子どものような、
興味があるから実行してしまうような、
そんなレクター博士。いる。
残虐な行為を残虐だと知っていてためらわずにやる。
別に他意はない。ただやりたいからやる。
そういう部分です。
だから、作中のレクター博士は化け物のようには見えない。
むしろ見知った、既知の親友のように感じる。
幸か不幸か、わたしの中のレクター博士は
まだなにかを実行したことはありません。
ただ彼は、わたしがやることを内側ですべて見ている。
鼻歌を歌いながら、見ている。
いつか自分の出番が来るのを待っている。
そんな感じがする。
その出番は、永遠にないかもしれないし、
もしかしたら明日かもしれない。
それを律しているのは、わたしの理性です。
ものすごい不幸が起きて、わたしの理性が飛んだら、
レクター博士は起き上がるかもしれない。
起き上がって、「さあ、ディナーの時間だ」と言うかもしれない。
そういうところが、怖いですね。
外の世界も恐ろしいものですが、
自分の内側も怖いものですよ。

実際問題、レクター博士に会いたいかと言われたら、
会いたくない。絶対に会いたくない。
結局、わたしの内側のレクター博士は
勝手なシンパシーを抱いているだけなので、
本物は出会ったら、造作なく、わたしを殺すでしょう。
それがわかるので、好きですけど、会いたくないですね。
それに、わたしの内側のレクター博士は、
本物のレクター博士に比べたら、まだチェリーなので、
かないっこいない。比較にならん。
だから、レクター博士は親近感を持つけど、
むしろ、心境的にはグレアム元FBI捜査官の
気持ちのほうがわかるかも。
グレアムがレクターを逮捕できた理由。
それはグレアムがレクターに近かったからだとレクターは言います。
だったら、グレアムのほうが気持ちはわかるかなあ。

ハンニバル・ライジング で、レクター博士がどうして
レクター博士になったのかが明かされます。
読んだとき、わたしは泣いてしまいました。
これほど大きな欠落を抱えて、
人は生きていけるのだろうかと思いました。
不思議ですね、ハンニバル・ライジングのレクター博士は
とても人間っぽく感じられました。
怪物ではなく、人間でした。
怪物はもともと人間だったんだ。
人間だったんだよ。
そういうひとは、たぶん、レクター博士以外にもいますね。
化け物、ひとでなし、怪物と呼ばれる犯罪者たち。
彼らはみな、昔は人だった。
ビリー・ミリガンシリーズを思い出します。
ビリーも昔は普通の子どもだった。
でも悲惨な、魂を引きちぎられるような経験をして、
いくつもの頭を持つ怪物になった。
人が怪物を作るのです。
怪物が勝手に生まれてくるわけじゃない。

もちろん、中には、まったく同情の余地のない怪物もいます。
ひとりよがりで、自分勝手で、偏った自己顕示欲と
誤った自尊心を持ちすぎた挙句、
社会を憎み、たくさんの人を殺すような怪物もいます。
きちんと裁かれねばならない怪物です。
たぶん、そういうひとは、一生幸せにはなれない。
烙印のように、背中に罪を背負っていると思います。
償えない罪もあるということが重いです。

人殺しというのは、人類最初の罪です。
カインとアベルの時代からの罪です。
人は、人を殺してはならない。
人類は、このたった一言を守ることができない。
守ることが難しい。
「レクター博士」は誰もが内側に持っているのかもしれません。
人は、きちんと自分を律して、幸せになれるように、
プラスの方向への努力をする必要があります。
レクター博士の声に耳を傾けてはいけない。
頑張ろう。大切なものを見失わないように、壊さないように、
ちゃんと頑張ろう。

こんな感じで、ホラ八割くらいで。
なんだかんだ言っても、わたしは非力な一般ピープルなので、
自分の内側のレクター博士にかなりオーバーに脚色が入ってます。
それから、わたしはレクター博士のファンですが、
殺人はイカンと思ってます。当たり前。
人は人を殺してはいけません。
ならぬものはなりません。
内側のレクター博士がどれだけ大声出そうと、
聞いちゃいけません。約束です。
以上、お気に召したら、下記をクリック。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

« このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――ヘタリア | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――るろうに剣心 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/50824868

この記事へのトラックバック一覧です: この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――レッド・ドラゴン:

« このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――ヘタリア | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――るろうに剣心 »