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2011年1月10日 (月)

このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――OZ

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = OZ で。


ちょっと古いマンガですが、いま読んでもおもしろいSF!
なんと言っても、樹様の画力・ストーリーテリングに引き込まれっぱなし。
オチにもヒネリがきいていて、あっと驚くこと請け合いである。

いつものごとく、役に立たないストーリー紹介。
この話の元ネタは「オズの魔法使い」です。
まずそれを知っていたほうが楽しめる。
(もちろん、「オズの魔法使い」は読んでるよな?
※小学校での必読本。続巻がいくつもあることは意外と知られていない。)
この話はSFなので、未来のお話。
核戦争後の荒廃した世界で、
OZという理想郷の噂がささやかれるようになる。
その都市には、失われた高度な技術があるという。
主人公・フェリシアは行方不明だった兄がOZにいるという連絡を受ける。
彼女は傭兵・ムトー、サイバノイドの1019とともに、OZを目指す。
ここではオズの魔法使いの主人公・ドロシー=フェリシア、
ライオン=ムトー、
ブリキのきこり=1019 のみたてです。
※ちなみにカカシはいない。
たどりついたOZで兄と再会したフェリシアを待っていたのは、
兄の恐ろしい素顔だった。
ムトーとフェリシアは兄に敵対し、戦うことになる。
そして、その結果――って話。
一分のムダもない、素晴らしい構成の物語です。
最後のオチまで話を貫くゆるぎない柱がある。
SF好きなら、読んでないと損。絶対 損。

OZを目指す旅の途中で、フェリシア、ムトー、
1019はそれぞれ成長と変貌を余儀なくされる。
フェリシアとムトーの変化はある意味、プラスのものだが、
1019の変化はプラスとはいいがたいもの。
1019の人格が二重人格になり、
本来男性の1019の精神にフェリシアの母・パメラの人格が
宿ってしまう。
心を求めるブリキのきこり=1019は最終的になにを求めるのか。
ピノキオの例にもれず、過去、人間になりたいロボット物は
数多くありますが、OZの1019も同様かな。
これもOZのテーマのひとつだと思います。
人造生命に宿る魂ってのは、どういうものなんだろう。
(グラマラス・ゴシップ のトパーズもこの問題の例だね)
人間は不完全だから、欠けている部分がある。
だから無機物が単純に人間をトレースしても、
完全な存在にはならない。
かといって、人間を越えてしまったら、
それはもう、「人間」とは呼べなくなってしまう。
人間性とはなんなのか、
人間性とはそれをもって肯としてよいのか、
OZ はいろいろ問われるマンガです。
人間代表のフェリシアやムトーは話の中では、
悩んだり、道を間違えそうになったりする。
それを見ながら、1019は自我というものを探っていく。
1019が最後に出した答えも、素晴らしい答えだった。
彼には魂があった、わたしはそう受けとりました。
1019の身体に流れる血液は白色の人工血液だったけど、
たしかに、彼には魂が宿っていた。彼は魂を獲得した。
そこから考えても、OZ は奇跡のような物語です。

わたしは正直、「人間になりたがる人造生命」というのが、
イマイチぴんとこない。
そんなになりたいと思うほど、人間ってすぐれているのかな?
たとえば、多くの神話では神が人間を作るけど、
神になりたい人間っているのかな?
わたしはなりたいと思いません。
大好きな人と同じ、人間でいい。
だから ぴんとこないんだろうね。
たぶん、人間になりたい人造生命を突き動かすのは、
創造主に焦がれる気持ちや、
自分にはあるべきものがない、という欠落感なのかなあと思うけど。
人造生命は人間が大好きなのかもしれないね。
人間は創造主である神を呪ったり、忌避したりすることがあるけど、
人造生命たちは素直に、一心に、人間が好きで、
人間に近づきたいのかもしれないね。
いつか、人造生命と話す機会があったら、訊いてみたい。
「君は、誰に近づきたくて、人間になりたいの?」
でも、誰かに近づきたい、誰かを特別に思うってことは、
もうすでに、「魂」があるよね。
だから人造生命は、本当は、人間になりたいと思ったときに、
魂を獲得するのだと思う。
その願いが、もう魂なんだと思う。
逆に、不完全な人間になんてなりたくないよ、って人造生命のほうが
わたしにはしっくりきますね。
自分を完全だと信じたがる存在。
まさにそれは、人間のミニチュアじゃないですか。
ある意味、こっちの考え方も人間に近いかも。
ああ、こういう人造生命の魂の話は、
清水玲子様の ジャック&エレナシリーズ が
深く掘り下げているな。
今度、そっちも取り上げてみよう。 ジャック&エレナシリーズ も名作だよ。
心ってなにか、魂ってなにか、深く考えさせられるお話。

ちなみに、わたしには心はありますが、魂はありません。
ひとでなしかもしれないしな。
虚言癖というのは、ひとでなしの必要条件のひとつでもあるだろう。
心無いことを、心を込めているように話しますよ。
それで、まったく心は痛みません。
わたしは、1019と比べると、だいぶひとでなしだな。
ろくでなしでもある。
でも、だからって自殺しようとか、改心しようとか思わない。
世界に胸を張って、
「わたしはホラ吹きのひとでなしのろくでなしです」と言える。
なぜなら、わたしにはユーモアがあるからだ。
笑っていられるうちは、ひとでなしのろくでなしでも、ノー問題。
それが人間の生き様というものだ。(と勝手に決めつける)

こんな感じで、今回は終わり。ホラは三割くらいじゃない?
ジャック&エレナシリーズ をまた読み返してみようかなあ。
でもあれ、切なくて、苦しくなるんだよなあ。
人を騙してもなんとも思わないけど、
マンガ(フィクション)では胸が痛むわたし。
ひとでなしですね。朗らかに。
でも、ぜんぜんひとでなしじゃない人間なんて、 いないんじゃない?
人間ってそういうもんじゃない?
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