« 対バレンタイン作戦。悩むわたし。 | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――夏目友人帳 »

2011年1月16日 (日)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――百万ドルをとり返せ!

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = 百万ドルをとり返せ! で。


わたしのあいまいな記憶によれば、
ジェフリー・アーチャー様の処女作にして、傑作。
とにかく、これが処女作とは思えません。
緻密な構成と練りに練ったと思われるプロット。
なめらかなストーリーテリング。
(なめらかすぎて、先が読める、という人もいるかも)

ストーリーとしては、
石油の投機詐欺に騙された男たちが、
騙し取られた金額=合計百万ドルを
「一ペンスも多くもなく、少なくもなく」
取り戻そうというもの。
つまり、被害者たちが詐欺師を詐欺でだまそうという話。
全部で四種類(五種類?)の詐欺が展開され、
詐欺師は騙されていると気づかずに、
お金を払うことに。
本来は、詐欺のプロである詐欺師を、
素人が詐欺で騙そうとするのだから、
なかなか成立しないはず。
ところが被害者たちはそれぞれの得意分野に
詐欺師を引き込み、騙しとおす。
詐欺の種類の多さもたいしたものだが、
詐欺の内容も細かくよく考えられている。
最後のどんでん返しも、用意されている。
この物語にはお金を払う価値がある。

百万ドルをとり返せ! は
アーチャー様が実際に被害を受けた詐欺を元にしているらしい。
騙されただけではなく、
転んでも立ち上がって、傑作を書く根性が素晴らしい。
アーチャー様は偉大なストーリーテラーで、
短編集にも素晴らしいひらめきと構成力を発揮される。
十二本の毒矢 など、
一冊に複数の短編が収められたシリーズも読む価値あり。
アシモフ様の短編もいいけど、
アーチャー様も切れ味のいい、価値ある短編を書かれる。
泣かされる話もある。
アーチャー様は間違いなく、
祭壇を築いて拝むレベルのストーリーテラーです。

資本主義社会で、
公然と他人を騙してお金をもらっても罰せられない
三つの職業のうちのひとつ、
「作家」はアーチャー様の天職だと思う。
(残りの職業は「漫画家」と「政治家」)
極端な話、百万ドルをとり返せ! で展開している詐欺を
実際にやってもよかったはずで(犯罪者になっちゃうけど)、
詐欺を実行せずに書き下ろし、
作家を選ばれた英断をたたえたい。
ホラってのは、こうやって使うもんですよ。
本当に、アーチャー様レベルの作家様は
やろうと思えば、実際にものすごい詐欺師になれる。
そこを踏みとどまるところが、重要。
アーチャー様はたしか服役経験がおありだが、
詐欺罪ではなかったと思う。
また、獄中で聞いた話を元に短編集も出されていた気がする。
転んでもタダでは起きない。
アーチャー様の人生は、この一言に集約される。

獄中記と言うと、すぐに思いつくのが、
「塀の中の懲りない面々」。
あと、ヴェルレーヌに「獄中記」があったような。
ヴェルレーヌというと、ランボー、
ランボーというと、ボードレール、
ボードレールというと、ユゴーとエドガー・アラン・ポー。
マラルメという展開もあるな。
獄中記という単語ひとつで、ここまで連想展開します。
当たり前だよね。
個人的には、
ボードレール>エドガー・アラン・ポー>ランボー、かなあ。
ボードレールは大好きですね。
いずれ取り上げたいと思います。
わたしが持っている 悪の華 はもうボロボロだなあ。
別訳本を買ってみようかな。

あ、話がそれました。
ジェフリー・アーチャー様の話でした。そうでした。
アーチャー様は偉大です。
祭壇を作り、たたえます。
長編が手にしづらいのなら、短編集からでも、どうぞ。
本当に、買って損はない作家様だと思います。
お勧めです。

以上、ホラ二割で。
お気に召したら、下記をクリック。

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

« 対バレンタイン作戦。悩むわたし。 | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――夏目友人帳 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/568051/50606856

この記事へのトラックバック一覧です: この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――百万ドルをとり返せ!:

« 対バレンタイン作戦。悩むわたし。 | トップページ | このマンガがおもしろい。わたしが勝手に思うに。――夏目友人帳 »