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2011年1月 9日 (日)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――姑獲鳥の夏

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回 = 姑獲鳥の夏 で。冬だけど。

このシリーズで初めて、京極様のお話に触れまして、
カルチャーショックを受けました。
ええっ、まだこんな話があったんだ。
まだこんな書き方があったんだ。
衝撃的でした。

「ストーリー紹介」は、今回はしません。
なぜなら、まとめるのがとても難しいからです。
内容が長いから難しいのではなく、
ひとつの物語が、多視点的な、いくつもの見方ができる物語なので、
神のような定点を設定して説明するのが難しいのです。
なんというか、いくつもの面を持つ多角形のような
構成の物語なのです。
それでいて、一本、太い筋も通っている。
とりあえず簡単に登場人物紹介だけします。

1:主人公(?)というか、一番視点が多いのは、
売れない小説家・関口。
このひとが切り口になってお話が始まることが多い。
また本人が精神的な打撃に弱く、刷り込みされやすいので、
事件にも巻き込まれやすい。
不幸体質。
2:真実の探偵役・京極堂。
古本屋の主で、京極堂とは屋号なのだが、
とても頭の回転がよい、博学な男。
副業で憑き物おとしの拝み屋をやっている。
3:神の探偵役・榎木津。
傍若無人、天真爛漫(?)な探偵。
特異体質の持ち主で、他人の記憶を映像として見ることができる。

だいたい、この三人が軸でしょうか。
実は、三人以外にも京極堂の妹の新聞記者とか、
榎木津を神とあがめる刑事とか、
骨董商とか、釣堀や(?)とか、いろんな人物が絡んできます。
巻が進むにつれて、登場人物はどんどん増えるが、
キャラがかぶらず、それぞれに特徴があって覚えるのが苦になりません。
なにより、話の軸へのキャラの関わり方がおもしろい。
だいたい、最初は噂話とか、ちょっとした気づきとか、
探偵への依頼とかそんなことからお話が始まる。
そして多くのキャラが綿密かつ緻密に動き回って、
多視点から見ることが可能な、ひとつの図が描き出される――って感じ。

驚きます。少なくともわたしは一読して驚きました。
推理小説としては、1巻目の姑獲鳥の夏よりも、
2巻目以降のほうが充実しているように感じますが、
ありとあらゆるこんがらがった糸が
最後にきちんとおさまって、
事件を支配していた「憑き物」が落ちるところがすごい。
「憑き物」というと妖怪のようですが、
まあ、実際、妖怪というか、因果の塊・悪意の塊のようなものが
事件に関係しているのです。
それを拝み屋である京極堂が落とす。=事件解決になるのです。

ええと、探偵役として「神の探偵」榎木津がいますが、
彼は探偵としてはあまり意味がありません。
結論しか見ないからです。
彼には経過が見えなくて、他人の記憶を通して、
結果だけが見える。だから、他人に説明ができない。
ことこまかに事の次第を解きほぐし、説明するのは
京極堂。
榎木津は狂言回し的な存在ではないかと思います。
ちなみにわたしは榎木津が一番好きですね。
こういう友達がいたらいいなあ。
毎日が楽しいなあ。
一緒に駆け回ったら、いいなあ。
京極堂には畏れながら、シンパシーをちょっと感じます。
京極堂が憑き物を落とす所作が、ホラ吹きに通じるものがある。
なんというか、人の心・意識を触る、感じがする。
ホラというのは、事実を屈曲して
拡大・縮小して見せるものですが、
京極堂の憑き物おとしは
事実の見る角度を変えてみせるのではないかと思います。
そうなんとなく「思うだけ」です。
わたしごときが京極堂と並ぶなんて思ってはいません。
尊敬はしている。とても尊敬している。
京極堂はきっと、その気になればものすごいホラ吹きになれる。
だから尊敬しています。フィクションの登場人物ですけどね。

京極堂への尊敬は、転じて、
作り手でいらっしゃる京極様への賛美となります。
褒め称える。すばらしいストーリーテラー様です。
これは祭壇を作って拝む必要があるよ。
うちにはいくつも祭壇がありますが、
もうひとつくらい追加してもまったく問題ないので、
京極様へ捧げる祭壇も作ります。
短い推理物を好むひとには、
アシモフの「黒後家蜘蛛の会」を、
長い推理物を好むひとには、
京極様の「姑獲鳥の夏」(以下、シリーズ)を勧める。鉄板で。
鈍器サイズの厚い本ですが、読む価値があります。絶対。

以上、賛美の歌を歌う方向で、今回は終わり。
ホラは五割程度ですかね。
登場人物紹介とかは
「男爵はこういうキャラだと思ってる」程度にとらえてください。
この深い、厚い物語の登場人物たちの姿を
わたしなんぞが捉えきれているわけがないので。
その目で確かめろ!
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