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2010年12月16日 (木)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――黒後家蜘蛛の会

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = 黒後家蜘蛛の会 で。

来たァ、来たァ、来たよォッ!! アシモフ 来た!

アイザック・アシモフ。SF、生化学、シェークスピア、推理物まで
書きこなす超人。雑学王。
月刊ニュートンに楽しいコラムも連載してた。読んでたぞ。
訃報に接したときは、本当に、本当に悲しかった。
知り合いが死んだみたいだった。

で、黒後家蜘蛛の会 ですが。
これは短編ミステリー集です。
いくつかの読みきりの短編が一冊にまとまってる。
短編の舞台は ミラノレストランというレストラン。
黒後家蜘蛛の会は、高級レストランに月一で
集まって食事をするというクラブである。
こう書くと「金持ちしか集まってねえんじゃねえの」と
誤解を生むかもしれないので、言っておくと、
黒後家蜘蛛の会のメンバーは化学者、数学者、弁護士なんかに
混じって、画家だの、作家だのもいる。
あと忘れてならないのが、給仕のヘンリー。
で、ですよ、
わたしがアシモフのスゲえところだと思うのは、
推理の短編シリーズなんていっくらでもあるなかで、
黒後家スゲえと思うのは、
「殺人がない」のである。
いや、ある場合もあるが、ほとんどない。
だいたいの依頼は物がなくなったとか、人を探して欲しいとか、
場所を探して欲しいとか、
いわゆる広い意味での「謎」を
黒後家蜘蛛の会のメンバーが会の席上で解いていくのだ。

 Q:死体もない、警察もいない、
  これでミステリーとして成立するのですか?
 A:成立するんですよ、秀逸なミステリーとして成立するんです!

黒後家は素晴らしい! しかも、ウィットがきいていておもしろい!
アシモフ様を祭壇を築いて拝め!!
ああ、拝め。拝むだけの価値はある。
読めばわかる、いままでのミステリー観が変わる。
血みどろだけが脳の使い方じゃねえよ。
殺人だけがミステリーじゃない。
こんなに、殺人なんていうカードを使わなくても、
素晴らしい「謎解き」があるじゃないか。
ワクワクするような「謎解き」があるじゃないか。
ミステリーの新ジャンルを、アシモフは作ったと思う。
彼は偉大な作家だった。

正直に、わたしは彼を尊敬している。
このブログを読んでいるとわかると思うが、
「わたしは信者である」というフレーズが
何回も出てくる。
好きを通り越して「信者」になってしまうのだ。
残念ながら、わたしはアシモフの信者ではない。
なぜなら、彼の著作を全部読んでいないからだ。
だから信者を名乗る資格はないが、
尊敬している。彼は本当に素晴らしい作家だった。
それだけでいい。
それだけでいいのだよ、諸君!
あとは祭壇を築いて、魔法陣描いて(以下略)

長いミステリーは疲れるからちょっとイヤとか、
おもしろくて読みやすいミステリー探してますとか、
キャラのかけあいが楽しいミステリーなら読んでもいいとか、
そういう人には、鉄板でアシモフの 黒後家蜘蛛の会 を勧める!
おもしろいです。ああ、おもしろいよ。最高だよ。

以上、今日はほぼホラ抜きで。
あっても一割くらいで。(あるんじゃねえか)
実はこれから、病院にいかねばならんので(またか)、
ちょっと駆け足になってしまった。すまぬ。
持病が治らなくてのう。病院通いが続くのだ。

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コメント

こんにちは。たまたま見つけて読ませてもらいました。

私もアシモフが大好きで、亡くなった記事を新聞で読んだ朝は涙に暮れました。もう18年も前のことなんですねえ。(うわあ。)

アシモフが好きな私(新著を読む機会はありませんが今でも大好きです)が、ここでアシモフの本が好きでアシモフ自身も好きだった人の言葉を読んで、少し旨が熱くなったので、コメントしました。

私も、ちょうどアシモフが自分の心の中にアルキメデスを祀っているとエッセイのひとつで書いていたように、アシモフを心の祭壇に祀っているように感じています。

ブログ読ませてもらってありがとうございます。
うれしい偶然でした。

こんばんは。コメントありがとうございます。
アシモフ信者の方ですか! 握手、握手させてください。
アシモフを祀っておられるのですね、わかります。
祀りたくなる気持ちがわかります。
わたし自身はハンパなファンなので、信者になれませんが、
信者になる方の気持ちはわかります。
素晴らしい本をいくつも書いて、でもおごることはなくて、
彼はお茶目で、素敵な、魅力的な人物でした。
いつまでも祭壇に祀っていてください。
祀っていらっしゃるあなたも、きっと素敵な方だと思います。

 こんばんは。
 握手握手。

 前回こちらにコメントさせていただいた勢いで、アシモフの科学発見シリーズ全20冊をネット上の古書店で見つけたので購入して読みかけています。一冊一冊は薄い(だいたいどれも63ページの)本です。うれしい偶然は重なると印象深くなりますね。

 アシモフは、読みやすい本をいくつもいくつもいくつも書いて、自分のことを神童だの天才だのとことあるごとに言いふらし、でも自分の文才にはどこか引け目を感じていて、時間にはうるさく、理屈屋で、人をやりこめるのが大好きでいながら人から嫌われることを恐れ、ことに父親から仕事をサボっていると言われることを恐れて、いつも精力的、かつ陽気に振る舞い、息子には義務を感じつつ娘を溺愛し、ときに間抜けな自分を見せることをいとわず、息をするように執筆して、晩年は大成功した作家として、しかし摂食制限を受けて好きなものも好きなだけは食べられずに過ごし、死ぬときはタイプライターに鼻を突っ込んで死にたいと漏らしながらそれもかなわず、手術のときに輸血で感染したエイズのために亡くなったそうです。けっしてまるごと尊敬できる人というわけではありませんが、そんな彼が私にはまるごと愛おしく思えます。ほんとうに、あなたがおっしゃるように、彼はお茶目で、素敵な、魅力的な人物でした。

(前回の誤記訂正:「旨」は熱くなりませんね。「胸」でした。お恥ずかしゅうございます。)

こんばんは。コメントありがとうございます。
おお、握手返し! ありがとうございます!

ああ、アシモフの科学発見シリーズ……。
あのニュートンから出ているやつでしょうか。
懐かしい。なにもかもが懐かしい。(宇宙戦艦ヤマト・沖田艦長的に)
アシモフは黒後家蜘蛛シリーズにも
間接的に自分の話題を出して、こきおろしてますね。
自分すら笑える、ユーモアのセンスを持っていたのでしょう。
もしかしたら、ちょっと自虐的に笑わずにはいられなかった
のかもしれないけれど、
そういう部分も、人間っぽくてわたしは好きです。
本当におっしゃられるとおり、
「けっしてまるごと尊敬できる人というわけではありません」が、
人間くさい、愛しくなるような人物でした。
これからも彼の著作を読みついでいきたいです。
また、このブログにいらしてください。
わたしはここでホラをピーヒャラ吹いておりますので。
ではでは。

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