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2010年12月14日 (火)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――中国名詩選(中)

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = 中国名詩選(中) 岩波文庫 で。


ええと、今日はやや外角球の日ですね。
毒草を食べてみた と 中国名詩選 どっちにしようか迷って、
いや! いま漢詩のおもしろさをつたえずにしてどうする! と
勝手に思い、これにしました。
意外かもしれぬが(もうすでに免疫になってるかもしれないが)、
わたしの守備範囲は広いのだ。
もちろん、西洋の詩だって読む。
ボードレールは大好きですね。
もっと古い古典時代、ギリシア時代の詩も読むし、話も読む。
ルバイヤードだって読むぞ。
日本の詩だって読むがな。
詩人ってのは本当にすごい人たちだと思うぞ。
短い文字に思いを託して、名文に昇華する。
並みの才能ではできんし、後世に残らない。
希少動物です。

この 中国名詩選 は時代別に分かれてて、
(中)の巻は三世紀半ばから八世紀半ばまでを取り上げている。
そう、なぜ(中)の巻にこだわったかというと、
唐代が入っているから、なのである。
唐代ですよ、杜甫ですよ、李白ですよ、陶淵明ですよ!
流星群のごとく、偉大な詩人が出ている。
というか、他の時代よりもわたし好みの詩を書いてるひとが
多いんですな。だから好きだ、唐代は。
杜甫とかって書くと、
「ええぇ、なんか固い感じ。あたし漢字嫌いだからァ」
みたいになるかもしれんが、それは喰わず嫌いだ!
原詩が難しいのなら、すぐれた日本語訳を読めばいいのです。
あと詩人の背景を知ると、おもしろくなるかも。
杜甫は貧乏で苦労したとか、李白はすげえ酒飲みだったとか、
陶淵明は役人業がイヤになって、田舎暮らしにひっこんでしまったとか、
背景は現代の人たちとあまり変わらないよ。
もちろん、中には頭よし・顔よし・才能もあるイケメンだっている。
誰がイケメンかは秘密。探してみるといいよ。
ヒントは「年年歳歳」だ。
でもさ、何世紀も後の現代にまで「イケメンだった」と伝わるってのは
すごいよな。どんだけイケメンだ。

話がそれた。
さんざん李白とか杜甫とか出しましたが、
わたしの一番のお気に入りは王維だ。
特に好きなのは「竹里館」という詩である。
漢字が難しくてここでは載せられないが、
日本語訳は下記みたいな感じ。(わたしのアレンジが入ってるぞ)

 誰もいない竹林に座り、
 琴を弾きながら、こころゆくまで歌う。
 深い山奥なので人は知らないのだけれど、
 月光がわたしを照らし出す。

ってな感じだ。原詩の良さの1/100も伝わってねえけどな。
中国名詩選(中) によれば、
この王維ってひとは、
お役所勤め中に内乱に巻き込まれて、
とっつかまったり、(後日赦免される)
当時中国に留学していた阿倍仲麻呂を見送る詩を作ったりした。
(ちなみに阿倍仲麻呂は帰国には失敗した)
役人がイヤで逃げ出した陶淵明とは、対極的な生き方かもな。
陶淵明ってのも わたしの好きな詩人だが、
フリーダム。ベリーフリーダム。
せっかく役人になったのに、こんな人生イヤだっつって、
逃走。田舎へ帰って隠居生活を送る。
もちろん、貧乏になったと思うが、それでも心は朗らか。
だから帰るときに作る詩は闊達なものになった。
脱サラしたいサラリーマンなんか、
陶淵明の詩に共感するんじゃねえかなあ。
漢詩はとっつきづらいと思われてるかもしれねえけど、
いい本にめぐり合えば、おもしろいと思うぞ。
この岩波文庫の 中国名詩選 は初心者にはちょっと固いかも。
でも読み込む楽しさもあると思うので、
機会があったら、見てみれば。
全部を読む必要はない。
パラ見して、あ、なんかイケメンって書いてある、
ちょっと見てみようという
読み方をしてもいいと思う。
楽しいのが一番だ。
だから、別に、普通の「漢文」の問題集レベルでもいいと思うよ。
教科書に出てくる漢詩だって、いいのがあるしな。
孟浩然の「春眠~」なんて、みんな知ってるだろ。
で、実際に春になると眠いよな。
そんなもんだ。
そんなもんです。

ちなみに、実際に学校で漢文を教わってたころ、
わたしは漢文が大嫌いだった。
レ点とか、否定とかわけわからねえ、と思ってた。
漢文に目覚めたのは受験のときだ。
受験時に初めて真面目に勉強やって、
文章が読み下せるようになって、
漢文、カッケーっと思うようになった。
読み下し文や翻訳もいいけど、
原詩のままの漢字だけのもカッコイイ。
なんていうんだ、
文字間の沈黙? 行間を読むっての?
そんなんがいいなあと思うようになった。
そうなるともう、漢文熱が止まらない。
一時期は友人宛の手紙に漢詩書いてた。
馬鹿だ。はい、馬鹿ですね。

以上、今日は三割くらいがホラです。
王維についてはホラ吹いてないですけどね。
ああ、それからイケメンが誰かはまあ、
探してみてください。
たぶんググればすぐ出てくるよ。
ヒントの詩はとてもしみじみとした味がある詩なんで、
読んでみてみれば。

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