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2010年12月10日 (金)

この本がおもしろい。わたしが勝手に思うに。――七つの人形の恋物語

以下、ネタバレを含むので、いやんなひとはバックプリーズ。

今回は = 七つの人形の恋物語 で。


名作ですね。言わんでもわかるくらい名作ですね。
なにせ著者はあのポール・ギャリコ。
ストーリーテラーの巨匠です。
スノーグース や トマシーナ、 猫語の教科書 なんかも
読んでないとおかしいだろというレベルの方。
猫語の教科書 もお勧め。猫好きにはたまらない一冊。
これは猫が書いた猫向けのHOW TO 家猫になる の本。
すごいユーモアがあって、おもしろくて温かい作品です。
スノーグースの切なさもいいよなあ。
とにかく、ポール・ギャリコってたら、
すげえレベルの高い、スペックの高いストーリーテラーです。
間違いない。
そんなわけで、満を持して 七つの人形の恋物語。
深い、深いよぉ、この本は。

ストーリー:
何のとりえもない(と思われた)貧相な少女・ムーシュが
七つの人形が出ている人形劇の一座に出会う。
一座っても、人形は七つあるけど、
あやつっていたのは、ひとりの無愛想で心の冷たい男だった。
ムーシュは実はとても想像力が豊かな少女で、
七つの人形たちとのかけあいがうまく、
一座の中でかけがえのない存在になっていく。
しかし、いつまでたっても人形遣いの男は冷たくて――。って話。

七つの人形、とあるように一座には七人の人形がいて、
それぞれキャラがあって、
それぞれムーシュになついているのだが、
人形遣いの男は直接ムーシュには優しくしない。むしろヒドイ。
けれど、七つの人形たちはムーシュが大好き。
ムーシュが一座をやめるときも、とても悲しがる。
さて、男の本心は、人形たちの声なのか、
それとも人形を手放しているときの冷たい態度なのか。
これはある意味、救世の物語です。
男の世界が救われる物語。
いや、ムーシュも救われるのだから、なんというか、
ひとがひとを救う物語。
こういう物語を読むと、心に希望が湧きます。
すっごい泣く話じゃないよ(たぶん)。
なんというか、背中を押してくれる本。
落ち込んでたり、失望したり、マイナスになっているときに、
違うよ、それだけが全世界じゃないよって教えてくれる本。
舞台は世界だけど、舞台に出ているだけが世界じゃない。
この物語にはひとの心の深さが出てる。
人間は、ひとりの心に幾人ものキャラクターが住んでいる。
ひとりひとりのキャラの声も真実だし、
全体の声も真実。
それらが食い違っているように見えても、どちらも真実。
だから、あなたは間違ってないし、
世界だって、ひどいだけじゃない。
そんな感じだ。
それがぜんぜん説教くさくなく、なんというか、
物語を読んでいくうちに勝手にそう考えてしまう。
物語の力、語る力がハンパなく強い。
ポール・ギャリコは、やっぱりとてつもない作家。
レベルが違う。
今回は素直にポール様を賛美して終わるの巻。

以上、ポール様のお力にひれ伏して終了する。
ポール様の前では、ひとりのホラ吹きなんて
吹けば飛ぶようなもんである。
みなのものも、ポール様をあがめよ、たたえよ。
魔法陣を書け、召喚しろ、生贄を捧げろ。

ちなみに、ギャリコ様ではなく、ポール様というのは、
なんとなく、クマのプーさん的に
「ノースポールの「ポール」っぽいから」。
クマのプーさんを読んでいると、
わたしがいま言ってる、ノースポールのポールが
なにかわかります。
クマプー(クマのプーさんの個人的な愛称)も読むべし。
ていうか、必須だろ。基本だろ。
読んでいることが大前提だ。

今回はホラではなく、説教口調で。
だからホラは二割くらいで。(20%もあるんかい!)
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